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第26話 デートに誘った結果……

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「あーあー、デート。デートかぁ……」

 デートの誘い方ってどうやればいいんだ……?

 夏休みの帰省に関してはほとんど無意識で言ったに等しいから、実質的には女の子をデートに誘うのはこれが初めてだ。
 誘い方なんて分かるはずもない。

 ホントにどうするんだよ……。

 どうしていいか分からずに視線をさまよわせると、顔をほんのりと赤くしながらもこちらを上目づかいで見てくるレナと目が合う。

 どこか期待するような瞳にどんな意図が込められているのか、はかり知ることはできなかった。

「……レナ」

 大きく深呼吸して、覚悟を決めて、彼女の名を呼ぶ。

 頑張れ、俺。
 いつも通りに。
 自然体で言うんだ。

「……結構先になると思うけど、今度二人で出かけよーぜ。遊園地とかそういう、普段はいかないところにさ」

 なんとか言えた。
 声が上擦うわずっったり、ところどころ噛みそうにもなった。
 かなりぎこちなかっただろうけど、最後まで言うことができた。

 試験結果を見る直前以上に緊張しながらレナの言葉を待つ。
 緊張しすぎて喉がカラカラだ。
 心臓の音がやけにハッキリ聞こえる。

『デートのお誘いだけど……』

 ゴクリとつばを飲み込む。
 次の言葉を静かに待つ。

 レナはクッションで顔を隠しながら、恥ずかしそうに告げてきた。

『一緒に行ってあげてもいいわよ?』

 受け入れられたことに安堵した瞬間、一気に恥ずかしさが襲ってきた。
 思わずレナから顔を背ける。

 レナの反応が気になってちらりと横目で見れば、クッション越しにこちらを見ているレナと目が合って、思わず二人とも笑ってしまった。

『顔がにやけてるわよ』
「にやけてないし」
『はは~ん、さては嬉しいんだ?』
「……そんなことないし」
『素直じゃないわね』
「それはレナもだろ?」
『そうかもしれないわね』
「とにかく、行くからには楽しもうぜ!」

 何はともあれ、デートのお誘いは受け入れられた。
 そのことに改めて安堵する。

 さっきは恥ずかしくて認めなかったけど、俺は内心で喜んでいた。

 きっと、楽しい思い出になるだろうから。
 そう確信していた。
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