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第20話 サプライズ
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天月が遊びに来てから一週間後。
窓から差し込む暖かな日差しを受けてゆっくりと瞼を持ち上げると、俺の寝顔を覗き込むようにレナが浮かんでいた。
その表情が若干こわばっていることに気づかず、俺は声をかける。
「……はよ。なんで俺の寝室にいるの?」
レナは軽く咳払いしてから「ついてきなさい」と短く告げて、俺の腕をとった。
レナの女の子らしい柔らかい感触とともに、ふわりとした甘い匂いが鼻孔をくすぐる。
寝起きなのもあって脳の処理が追いつかない。
驚いて固まっているうちに、レナにリビングに連れてかれた。
『ん』
リビングに着くなり微妙に視線を逸らしたレナから紙袋を渡されて、俺の脳内は「?」でいっぱいになる。
寝起きで頭が完全に働いてないから、余計に混乱するばかりだ。
「……何これ?」
『ん』
渡されるものに心当たりがないから聞いてみるものの、レナは自分で開けて確認しなさいとでもいうかのようにそっぽを向いたまま。
これ以上問いただしても答えてくれる気配がなかったので、俺はしぶしぶ袋を開ける。
中にはピンクと水色のリボンで可愛らしくラッピングされた二つの箱が入っていた。
「なんだこれ?」
『開けてみなさい』
レナに促されて、器用にリボンをほどく。
まずはピンクのリボンでラッピングされていた箱を開けると。
――今、ものすごく気になっていたゲームのパッケージが顔をのぞかせた。
「レナ、これって……」
『……誕プレよ誕プレ。今日、誕生日でしょ』
脳みそが飛び起きてフル稼働するのと同時に、自分の顔が紅潮していくのが分かった。
レナのほうを見れば彼女も頬が一目でわかるほど赤くなっていたので、恥ずかしいのはお互い様みたいだ。
「……俺がこのゲームやりたいって言ってたこと覚えてくれてたのか。ありがとな」
『……私が海斗の誕生日を祝うのは、私の誕生日の時に倍返ししてもらうためよ! 私の誕生日は八月七日だからね! 忘れたら許さないんだから!』
「はいはい、分かってるから大丈夫だって」
クッションを抱きかかえて顔の下半分を隠しながら、念押しするように睨みつけてくるレナ。
その姿がなんだか可愛らしくて、気づいたら目を奪われていた。
『……何よ? ジロジロ見て』
「ミテナイヨ? そ、それより、こっちもレナのプレゼントなのか?」
恥ずかしかったから話を逸らす。
『そっちは美沙っちが選んだやつよ。先輩、お誕生日おめでとうございますだってさ』
「そっか。今度、バイトの時にお礼しないとなぁ」
ここにはいない後輩に感謝しながら、水色のリボンでラッピングされた箱も開ける。
中には、最近出たばかりの新しいラブコメ小説が二冊と、いくつかのお菓子が入っていた。
「いやー、どちらも俺の趣味をよくわかっていらっしゃる」
嬉しすぎて、思わず感想を漏らす。
サプライズが成功したからだろう。
頬を緩めながらプレゼントを眺める俺を見たレナは小さくはにかむように口角を持ち上げたが、クッションで隠されたそれに俺が気付くことはなかった。
「ホントにありがとな」
しばらくプレゼントを眺め続けてから、改めてお礼を伝えると。
先ほどからずっとモジモジしていたレナが意を決したように口を開いた。
『……誕生日ケーキ作ってあげるわ。だからケーキの作り方を教えなさい!』
窓から差し込む暖かな日差しを受けてゆっくりと瞼を持ち上げると、俺の寝顔を覗き込むようにレナが浮かんでいた。
その表情が若干こわばっていることに気づかず、俺は声をかける。
「……はよ。なんで俺の寝室にいるの?」
レナは軽く咳払いしてから「ついてきなさい」と短く告げて、俺の腕をとった。
レナの女の子らしい柔らかい感触とともに、ふわりとした甘い匂いが鼻孔をくすぐる。
寝起きなのもあって脳の処理が追いつかない。
驚いて固まっているうちに、レナにリビングに連れてかれた。
『ん』
リビングに着くなり微妙に視線を逸らしたレナから紙袋を渡されて、俺の脳内は「?」でいっぱいになる。
寝起きで頭が完全に働いてないから、余計に混乱するばかりだ。
「……何これ?」
『ん』
渡されるものに心当たりがないから聞いてみるものの、レナは自分で開けて確認しなさいとでもいうかのようにそっぽを向いたまま。
これ以上問いただしても答えてくれる気配がなかったので、俺はしぶしぶ袋を開ける。
中にはピンクと水色のリボンで可愛らしくラッピングされた二つの箱が入っていた。
「なんだこれ?」
『開けてみなさい』
レナに促されて、器用にリボンをほどく。
まずはピンクのリボンでラッピングされていた箱を開けると。
――今、ものすごく気になっていたゲームのパッケージが顔をのぞかせた。
「レナ、これって……」
『……誕プレよ誕プレ。今日、誕生日でしょ』
脳みそが飛び起きてフル稼働するのと同時に、自分の顔が紅潮していくのが分かった。
レナのほうを見れば彼女も頬が一目でわかるほど赤くなっていたので、恥ずかしいのはお互い様みたいだ。
「……俺がこのゲームやりたいって言ってたこと覚えてくれてたのか。ありがとな」
『……私が海斗の誕生日を祝うのは、私の誕生日の時に倍返ししてもらうためよ! 私の誕生日は八月七日だからね! 忘れたら許さないんだから!』
「はいはい、分かってるから大丈夫だって」
クッションを抱きかかえて顔の下半分を隠しながら、念押しするように睨みつけてくるレナ。
その姿がなんだか可愛らしくて、気づいたら目を奪われていた。
『……何よ? ジロジロ見て』
「ミテナイヨ? そ、それより、こっちもレナのプレゼントなのか?」
恥ずかしかったから話を逸らす。
『そっちは美沙っちが選んだやつよ。先輩、お誕生日おめでとうございますだってさ』
「そっか。今度、バイトの時にお礼しないとなぁ」
ここにはいない後輩に感謝しながら、水色のリボンでラッピングされた箱も開ける。
中には、最近出たばかりの新しいラブコメ小説が二冊と、いくつかのお菓子が入っていた。
「いやー、どちらも俺の趣味をよくわかっていらっしゃる」
嬉しすぎて、思わず感想を漏らす。
サプライズが成功したからだろう。
頬を緩めながらプレゼントを眺める俺を見たレナは小さくはにかむように口角を持ち上げたが、クッションで隠されたそれに俺が気付くことはなかった。
「ホントにありがとな」
しばらくプレゼントを眺め続けてから、改めてお礼を伝えると。
先ほどからずっとモジモジしていたレナが意を決したように口を開いた。
『……誕生日ケーキ作ってあげるわ。だからケーキの作り方を教えなさい!』
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