上 下
30 / 36

第30話 闇落ちした邪竜ちゃんを救おう!

しおりを挟む
『あまりにも寂しすぎてわらわは闇落ちしちゃったぞ!』

「闇落ちしたやつは自分で闇落ちしたとか言わないだろ」

 邪竜ちゃんが闇落ちか。
 助ける必要ないな。
 面倒だし放っとこう。

 そう思ったのも束の間、邪竜ちゃんはとんでもないことを言い始めた。

『シロナよ! 今日のパンツは何色なんじゃ?』

「はぁ!? なんでそんなことを教えないといけないんですか!」

『白か? それとも黒か? 教えてくれたってええじゃろ。わらわとシロナの仲じゃないか!』

「仲良くなったつもりはありませんけど!」

 邪竜ちゃんの言動がいつもよりキモい……!
 闇落ちってまさかこういうことなのか?

『こんなけしからん胸をしおって! どれ、わらわが揉み心地を確かめてやろうか?』

『お前ただでさえ粘着ストーカーでやらかしてるのに、セクハラ痴漢わいせつ罪まで加わったら救いようがないぞ』

「ストーカーの時点ですでに救いようはないと思いますけどね」

「マジでキモすぎな」

 邪竜ちゃんが闇落ちしたところでどうでもいいと思っていたが、撤回だ。
 放っておけばセクハラオンパレードでシロナが嫌な思いをしちまう!

「シロナを助けるために闇落ちした邪竜ちゃんを光に戻すぞ!」

「元から闇では?」

『ストーカーが光なわけないよな』

「こんこーん!」

 シロナの前に立ったコンちゃんが、邪竜ちゃんに向けて精一杯の威嚇をする。
 「シロナはボクが守る!」と叫んだ。

「コンちゃん……! ありがとう……!」

「きゅい。きゅきゅきゅい」

『ほう。シロナにちょっかいをかけたかったらまずはお主を倒せと?』

「こんっ!」

『よかろう! 今度こそボコボコにしてやんよ!』

 邪竜ちゃんはまんまと挑発に乗った。
 コンちゃんが時間を稼いでくれているうちにどうにかして邪竜ちゃんを助けるぞ!

「……とは言ったものの、どうやって助ければいいのか」

『美味なご飯でわらわを救えるぞ!』

「闇落ちしたやつはそんな具体的に治し方教えないだろ」

 うまいメシ……ハッ!
 王都で入手した食材がたくさんあんじゃん!

「ドラゴンステーキ、シーサーペントのから揚げ、ショッキングポイズンフィッシュとベニテングタケのホイル焼きを作るぞ、零華!」

『うん! シロナのために我も頑張る!』

 料理開始じゃー!

 ドラゴン肉は王都ですでに解体してもらっているから、ステーキサイズにカットして調理するだけだ。

「下味つけて焼いてハイ完成!」

『ホイル焼きもできたー! 珍しく我だけで作ったぞ!』

「すごい! よく頑張った!」

 残るはから揚げだけだ!
 調理に取りかかろうとした時、邪竜ちゃんがキッチンにやって来た。

『うぅ……。どうやっても勝てん……!』

「また負けヒロインしてんのか」

わらわは敗北者じゃけぇ……! 大人しくアイスでも食べてようかの』

「さりげなくアイス盗み食いしてる時点で全然大人しくないが?」

『まあまあまあ、困った時はお互い様って言うしな!』

「今困ってるのは俺のほうだよ!」

 邪竜ちゃんはアイスを三つ持っていくと、シロナとコンちゃんに一つずつ手渡した。
 いつもなら一人で全部食べてしまうのに珍しい。
 闇落ちしてる時は少しだけ優しくなるのかな?

『どうぞ』

「貴方のじゃありませんけどね」

「きゅー」

 なんにせよ、今のうちにから揚げを作るぞ!

 シーサーペントは元々から揚げにしようと思って下味だけつけてるから、あとは二度揚げするだけだ。
 そこまで時間はかからない。
 邪竜ちゃんがアイスを食べている間に完成させるぜ!

 片っ端から揚げていると、シロナの悲鳴が家中に響き渡った。

「ぎゃあああああああああああんぬ!? 辛い辛い辛ーいっ! ナニコレ辛すぎ助けてー!!!」

「んぁああ!? そうだった! 邪竜ちゃん対策にと思って激辛アイス冷蔵庫に入れてたんだった!」

『フハハハハハハハ! バカめぇ! そんな姑息な手でわらわを欺けるわけがないのじゃー! わらわは普通のアイスを食べちゃうぜー! ハ~、美味じゃのぉ~!!!』

 チクショウ! やられちまった!
 闇落ちした邪竜ちゃんが優しいわけがなかった!

 シロナに油でうがいさせる。
 アイスに混ぜたカプサイシンは脂溶性だからな。
 水でうがいするより効果的だ。

「うえええん! 辛かったよぉ……。まだヒリヒリするし油の味が残って気持ち悪い……」

「大丈夫か、シロナ!」

「なんとか致命傷で耐えました……」

「それホントに耐えれてる!?」

『朗報だシロナ! 料理はすべて完成したぞ!』

「もうこれで邪竜ちゃんの脅威から解放されるからな!」

「ありがとうございます……。早くなぎさのご飯食べて口直ししたい……」

 料理をテーブルに並べる。
 邪竜ちゃんは上機嫌で椅子に座った。

 それじゃあ、いっただっきまーすっ!

「は~、うんめ~っ!!!」

 ドラゴンステーキがパねぇ!
 肉そのもののうま味もすごいんだが、脂身とのバランスが絶妙すぎる!

 A5和牛もビックリのうまさだぜ!

「おいしすぎる……! ストレスが、ストレスが消えていく~……!」

『それはよかった! シロナが元気になったようでわらわも嬉しいぞ!』

「よくのうのうと言えますね。元凶のくせに」

 マジでそれな。
 面の皮百メートルくらいあるだろ。

『から揚げうんま~い!』

「きゅい~」

 零華とコンちゃんも頬をとろけさせていた。

 俺もから揚げをぱくり。
 ん~、こってりしててうめえ!
 味変用に作っておいたユーリンチーのタレもまた、さっぱりした酸味が相性よくて最高だった。

「最後はショッキングポイズンフィッシュとベニテングタケのホイル焼きか……」

「このキノコ、ベニテングタケっていうんですね。食べるの初めてです~」

「そりゃ初めてだろうな。バリバリ毒キノコだもん」

「えっ、毒キノコなの!? 食べて大丈夫なんですか!?」

 ベニテングタケには、イボテン酸という超うまい毒が含まれている。
 露店のおっちゃんにショッキングポイズンフィッシュの食べ方を教えてもらった時にビビッときたのよ。
 ベニテングタケも解毒魔法使いながら食べればいいんじゃね!? と。

「そして誕生したのがこの料理だ。ちな味は未知数」

「この料理の味知ってる人がいたら変態すぎますよ」

『コンちゃん、我らに解毒魔法を頼む』

「きゅい!」

 コンちゃんの解毒魔法が発動したのを確認してから、俺たちは恐る恐るホイル焼きを口にする。

「「「『……………………』」」」

 あまりのうまさに俺たちは言葉を失ってしまった。
 なんというか……他の料理と比べてうまみが段違いだ。
 ホイル焼きが一番うまいまである。

「破壊的なおいしさですね」

『うまみの大洪水が起きて思考停止してる今』

「この料理思いついた俺天才じゃね?」

「きゅん!」

 予想外のうまさに俺たちが驚いていると、邪竜ちゃんが奇声を上げながら震えだした。


『ふおおおぉぉぉおお……っ! 美味! 美味なのじゃあああ……! あまりにも美味すぎて光に戻ってしまったわ!』

「よかったな」

「よかったですね」

『もう帰っていいぞ』

「こーん」

『冷たっ!? もっと喜んでくれてもええじゃろ!? この世界の太陽と言っても過言ではないわらわが完全復活したんじゃぞ!』

「沈め!」

「二度と昇ってくるな!」

『太陽に謝れ!』

『あーもうわらわ拗ねた! お腹いっぱいになったしもう帰るもん!』

 邪竜ちゃんの幼稚園児みたいな精神年齢が幸いして、すんなり帰ってもらうことができた。
 よかったよかった、これでまだ居座られたりしたらシロナのストレスが限界を迎えていたことだろう。
 後でたくさん労ってやらないとな。

『なぎさ! マンドラゴラは植えないのか?』

「そーいやそうだった。植えるんだったな。邪竜ちゃんのせいですっかり忘れてたぜ」

 俺は畑にマンドラゴラを植える。

 化学肥料で栄養たっぷりの土だ。
 結界で魔物が侵入してくることはないから、のんびりすくすく育ってくれ。
 農薬で病気にも負けないようにしてやるからな!

「きゅーうい!」

 コンちゃんが成長促進のバフをかける。
 マンドラゴラの葉っぱがぴょこぴょこと動いた。

「食べる時が楽しみだぜ。うまくなってくれよ!」





◇◇◇◇


 数日後。
 朝から俺とシロナは人類最難関ダンジョンにやって来た!
 目的はもちろん食材エリアの探索とアイテム収集だ。

 ちなみに零華とコンちゃんは二人でお出かけしている。
 俺とシロナが二人でいるのもそれが理由だ。

「なぎさ! なぎさ! 特上黒毛ダンジョン牛がスポーンしてますよ! しかも群れで!」

「うひょー! マジじゃん! 全部倒すぞ!」

 ダンジョンの法則に知見のあるシロナのおかげで、さっきから特上黒毛ダンジョン牛が見つかりすぎて大変だぜ。
 零華と俺だけで探索した時とは効率が段違いだ。

「シロナは頼りになるなぁ。マジサンキュー!」

「えへへ、任せてください! もっといっぱい見つけてやりますよ!」

 ウッキウキで探索を続けていると、突如俺の足元に魔法陣が広がった。
 なんかトラップでも踏んだか?
 そんな感じはなかったけど。

「ッ! これ転移系の魔法陣です!」

「シロナ、俺から離れるなよ」

 俺はシロナを抱き寄せた。

 シロナを置いてけぼりにしたら間違いなく死ぬ。
 転移するなら必ず二人で、だ。

「何があっても俺が守るから安心しろ」

「頼みましたよ!」

 目の前が光に包まれる。
 次の瞬間、俺たちは森の中にワープしていた。

「ここどこ?」

「きれいな景色……」

 木々の隙間から暖かい木漏れ日が差す。
 周囲には美しい花々が咲き誇っていた。

「とりあえず進んでみるか」

「ですね。何か情報を手に入れないと!」

 周囲の観察をしながら適当に進む。
 動物たちが遠目からこちらの様子をうかがっていた。

 全然魔物がいないな。
 少なくとも人類最難関ダンジョンの中ではなさそうだ。

 しばらく進むと、森の中にひっそりと佇む集落にたどり着いた。
 遠くのほうには超巨大な樹が生えている。

「ここってもしや……」

「何か知ってるのか?」

「エルフの国」

 シロナがそう呟いた時、集落のほうから数人の人間が走ってきた。

「レイスを連れているぞ!」

「気をつけろ! 例の元凶やもしれん!」

「里はアタシたちが守る!」

 よく見ると全員耳が尖っていた。

 うおー! エルフだ!
 モノホンエルフ! スゲー!

 という感動はいったん置いといて、明らかに怪しまれてるな俺たち。
 一触即発の空気だ。

 エルフの国に来てそうそう対立することになってしまった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

家族全員異世界へ転移したが、その世界で父(魔王)母(勇者)だった…らしい~妹は聖女クラスの魔力持ち!?俺はどうなんですかね?遠い目~

厘/りん
ファンタジー
ある休日、家族でお昼ご飯を食べていたらいきなり異世界へ転移した。俺(長男)カケルは日本と全く違う異世界に動揺していたが、父と母の様子がおかしかった。なぜか、やけに落ち着いている。問い詰めると、もともと父は異世界人だった(らしい)。信じられない! ☆第4回次世代ファンタジーカップ  142位でした。ありがとう御座いました。 ★Nolaノベルさん•なろうさんに編集して掲載中。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

1枚の金貨から変わる俺の異世界生活。26個の神の奇跡は俺をチート野郎にしてくれるはず‼

ベルピー
ファンタジー
この世界は5歳で全ての住民が神より神の祝福を得られる。そんな中、カインが授かった祝福は『アルファベット』という見た事も聞いた事もない祝福だった。 祝福を授かった時に現れる光は前代未聞の虹色⁉周りから多いに期待されるが、期待とは裏腹に、どんな祝福かもわからないまま、5年間を何事もなく過ごした。 10歳で冒険者になった時には、『無能の祝福』と呼ばれるようになった。 『無能の祝福』、『最低な能力値』、『最低な成長率』・・・ そんな中、カインは腐る事なく日々冒険者としてできる事を毎日こなしていた。 『おつかいクエスト』、『街の清掃』、『薬草採取』、『荷物持ち』、カインのできる内容は日銭を稼ぐだけで精一杯だったが、そんな時に1枚の金貨を手に入れたカインはそこから人生が変わった。 教会で1枚の金貨を寄付した事が始まりだった。前世の記憶を取り戻したカインは、神の奇跡を手に入れる為にお金を稼ぐ。お金を稼ぐ。お金を稼ぐ。 『戦闘民族君』、『未来の猫ロボット君』、『美少女戦士君』、『天空の城ラ君』、『風の谷君』などなど、様々な神の奇跡を手に入れる為、カインの冒険が始まった。

おじさんが異世界転移してしまった。

月見ひろっさん
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか? モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される

向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。 アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。 普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。 白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。 そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。 剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。 だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。 おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。 俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。  帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。  しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。  自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。   ※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。 ※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。 〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜 ・クリス(男・エルフ・570歳)   チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが…… ・アキラ(男・人間・29歳)  杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が…… ・ジャック(男・人間・34歳)  怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが…… ・ランラン(女・人間・25歳)  優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は…… ・シエナ(女・人間・28歳)  絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……

処理中です...