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第三章
彼が狂った理由。1
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言ってしまえばその男、国の王太子アスランは初めから狂っていた。
その証拠にルディリアナを見つけた瞬間に追いかけ回しルディリアナが泣いた所を見て喜んでいた。だが、彼をより狂わせてしまったのは間違いなく家庭環境のせいだと言える。
アスランは国の第一皇子として産まれてきた。
だが、その後アスランに兄弟が1人も出来ることがなかったのは、国王デラクスと王妃シェリア、つまりはアスランの両親の不仲が原因であった。
アスランの母シェリアは元々侯爵家の長女であり、長い間アスランの父デラクスへの恋心を抱いていた。
一方、アスランの父でありこの国の王、当時は王太子だった王デラクスには別に好いた女性がいた。
その女性というのが、平民でありデラクスの侍女であるマリンという女である。
平民でありながらも人の懐に入るのが上手く社交的なその女、マリンは王宮の侍女という高待遇な仕事を手に入れただけでなく、侍女長からの信頼も厚く王太子の部屋の掃除を任されるまでになっていた。
マリンはとても上手い人間であった。
人の懐に入り、褒め称え、その人の欲しい言葉をあげてやる。
自分の地位を上げる為であれば、その身を使って気に入られた事も何度もあった。
そして、やっとやってきた最高のチャンスをマリンが逃す事はなかった。
その時マリンは18歳であった。
嫁ぎ遅れるぞと親族に心配されても結婚しないでいたのは、そのチャンスを待っていたからである。
2歳年下の王太子の部屋の掃除をするふりをして、デラクスの帰りを待った。
マリンは村1番の美女ともてはやされてきたのである。
その後何人もの男を既に籠絡していた。
だから、王太子といえど男だ。マリンは彼を落とせると確信を得ていた。
ギィっという音ともに王太子が部屋に入ってきた。その音と共にマリンは目に涙を溜めてみせる。
「おい、お前。そこで何をしているのだ。」
部屋に入ってきた王太子はマリンの姿を見つけると、無礼だぞ!とマリンに向け指を刺し声を荒げ言うのだが、振り返ったマリンを見て、声を失うのだ。
マリンを指差す手も開いたままの口も、惚けたように赤くなる頬も全てがマリンの計算どうりであり、マリンはほくそ笑む。
涙をハラハラと零しながら、「このお花を見ると父と母のことを思い出してしまい、、、。」と部屋に生けてあったよくわからない花を胸に抱きしめながら、儚い女の真似をすれば、もうマリンの勝ちであった。
デラクスはあわあわと慌てて、マリンが泣き止むものが何かないかと部屋を探し回り、マリンの前に最近婚約者に渡すために準備をしていた指輪を出してみたのだ。
そして、「君に恋をしたのだ。結婚して欲しい。」と直球でプロポーズしたのである。
流石にそれにはマリンも驚いたが、期待以上の成果にマリンは目を輝かせ、ニッコリと微笑み「はい!」と答えたのであった。
これが一目惚れというやつか!とデラクスはプロポーズを受け入れられた事もあり、浮き足立っていた。直ぐに皆に結婚の報告をしなければ!!!と連絡を急ぐのだが、2人の結婚を祝う者など1人としていない。
デラクスには元々侯爵家のシェリアという婚約者がいるのだ。
しかも、マリンは平民出身なうえ、シェリアと違い、妃教育もしていなければ、貴族としてのマナーもない。
マリンを王妃にすると伝え頷く者など、いるはずがなかった。
デラクスの父であり、その時の王も首を一切縦に振る事はなく、「何故、、お前はそのように愚かなんだ。」とデラクスの愛を愚かだと言った。
デラクスは周りに駄目だと言われれば言われる程に、マリンへの恋心を募らせていった。
デラクスが変な気を起こす前にと、「シェリアと結婚しなければお前に王の座は渡せない。」と父に言われ、デラクスは渋々シェリアと結婚をし、義務的に夜の営みも果たした。
結婚したばかりでも気にせずデラクスは足しげなくマリンの元へと通った。
周りの者に悪印象を与える事など、デラクスは少しも考えてなどいない。
「デラクス様、、、私が口を出すのはいけないとわかっております。ですが、、、ですがどうか周りや私の心も考えて頂きたいのです。」
デラクスが悪く言われるのを辛く感じたシェリアがそう告げても変わらない。
愛を伝えても、デラクスの為に社交界で地位を築いても、王妃として称えられても、彼女をデラクスが愛する事はなかった。
シェリアの言葉なんて、デラクスの耳には一言も入ってこない。
デラクスの目には、2歳年上のマリンしか長いこと目にはいっていないのである。
「マリン、、すまない。君を妃にしてやれなくて。」
情事の後、悲しげな表情でデラクスはマリンに謝罪するが、マリンは怒る事もなく、ニコニコと微笑み「貴方とこうやって2人でいれれば、私は幸せなのよ?」と言うのだ。
デラクスをみて笑みをむけるマリンの目はデラクスを愛してると伝えており、デラクスは余計にマリンに落ちていく。
自分の事や周りを考えろと言うシェリアと違い、彼女はなんと心の広い女性なのか。
彼女こそが自分の愛しい人だと、デラクスのマリンに対する愛はより深いものへと変わっていく。
そして、愛されるマリンとは一方、シェリアはお腹に子供を1人身籠ったのがわかった瞬間、デラクスは仕事は終わりだと言わんばかりに、2人の部屋に来る事は、なくなった。
「デラクス様、、、。」
シェリアは、デラクスに愛されてなくても尚、彼を愛した。
2人の間に生まれたアスランは全体的な顔の面持ちはシェリア似だが、その琥珀色の目と目元にある涙黒子はデラクスと同じだ。
シェリアはアスランは自分とデラクスの愛の証だと、それはそれは可愛がり、アスランが一歳の頃からずっと、ずっと呪いのように言葉を紡いだ。
「アスラン、大切な人は離しては駄目よ。
アスラン、貴方はパパとママが愛してたからできたのよ。アスラン、貴方はパパみたいになってはだめよ。アスラン、貴方のパパとママは愛してるのよ。アスラン、絶対浮気なんてしては駄目よ。女性は愛されるのが嬉しいのよ。貴方みたいに素敵な人に、沢山行為を伝えられて嫌がる女なんていないんだから。1人の人をずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずぅっと、、、愛すのよ。」
幸せそうに毎日同じ言葉をアスランに聞かせる母を見て、アスランは「はい!母様。」と笑顔で答えるのであった。
その証拠にルディリアナを見つけた瞬間に追いかけ回しルディリアナが泣いた所を見て喜んでいた。だが、彼をより狂わせてしまったのは間違いなく家庭環境のせいだと言える。
アスランは国の第一皇子として産まれてきた。
だが、その後アスランに兄弟が1人も出来ることがなかったのは、国王デラクスと王妃シェリア、つまりはアスランの両親の不仲が原因であった。
アスランの母シェリアは元々侯爵家の長女であり、長い間アスランの父デラクスへの恋心を抱いていた。
一方、アスランの父でありこの国の王、当時は王太子だった王デラクスには別に好いた女性がいた。
その女性というのが、平民でありデラクスの侍女であるマリンという女である。
平民でありながらも人の懐に入るのが上手く社交的なその女、マリンは王宮の侍女という高待遇な仕事を手に入れただけでなく、侍女長からの信頼も厚く王太子の部屋の掃除を任されるまでになっていた。
マリンはとても上手い人間であった。
人の懐に入り、褒め称え、その人の欲しい言葉をあげてやる。
自分の地位を上げる為であれば、その身を使って気に入られた事も何度もあった。
そして、やっとやってきた最高のチャンスをマリンが逃す事はなかった。
その時マリンは18歳であった。
嫁ぎ遅れるぞと親族に心配されても結婚しないでいたのは、そのチャンスを待っていたからである。
2歳年下の王太子の部屋の掃除をするふりをして、デラクスの帰りを待った。
マリンは村1番の美女ともてはやされてきたのである。
その後何人もの男を既に籠絡していた。
だから、王太子といえど男だ。マリンは彼を落とせると確信を得ていた。
ギィっという音ともに王太子が部屋に入ってきた。その音と共にマリンは目に涙を溜めてみせる。
「おい、お前。そこで何をしているのだ。」
部屋に入ってきた王太子はマリンの姿を見つけると、無礼だぞ!とマリンに向け指を刺し声を荒げ言うのだが、振り返ったマリンを見て、声を失うのだ。
マリンを指差す手も開いたままの口も、惚けたように赤くなる頬も全てがマリンの計算どうりであり、マリンはほくそ笑む。
涙をハラハラと零しながら、「このお花を見ると父と母のことを思い出してしまい、、、。」と部屋に生けてあったよくわからない花を胸に抱きしめながら、儚い女の真似をすれば、もうマリンの勝ちであった。
デラクスはあわあわと慌てて、マリンが泣き止むものが何かないかと部屋を探し回り、マリンの前に最近婚約者に渡すために準備をしていた指輪を出してみたのだ。
そして、「君に恋をしたのだ。結婚して欲しい。」と直球でプロポーズしたのである。
流石にそれにはマリンも驚いたが、期待以上の成果にマリンは目を輝かせ、ニッコリと微笑み「はい!」と答えたのであった。
これが一目惚れというやつか!とデラクスはプロポーズを受け入れられた事もあり、浮き足立っていた。直ぐに皆に結婚の報告をしなければ!!!と連絡を急ぐのだが、2人の結婚を祝う者など1人としていない。
デラクスには元々侯爵家のシェリアという婚約者がいるのだ。
しかも、マリンは平民出身なうえ、シェリアと違い、妃教育もしていなければ、貴族としてのマナーもない。
マリンを王妃にすると伝え頷く者など、いるはずがなかった。
デラクスの父であり、その時の王も首を一切縦に振る事はなく、「何故、、お前はそのように愚かなんだ。」とデラクスの愛を愚かだと言った。
デラクスは周りに駄目だと言われれば言われる程に、マリンへの恋心を募らせていった。
デラクスが変な気を起こす前にと、「シェリアと結婚しなければお前に王の座は渡せない。」と父に言われ、デラクスは渋々シェリアと結婚をし、義務的に夜の営みも果たした。
結婚したばかりでも気にせずデラクスは足しげなくマリンの元へと通った。
周りの者に悪印象を与える事など、デラクスは少しも考えてなどいない。
「デラクス様、、、私が口を出すのはいけないとわかっております。ですが、、、ですがどうか周りや私の心も考えて頂きたいのです。」
デラクスが悪く言われるのを辛く感じたシェリアがそう告げても変わらない。
愛を伝えても、デラクスの為に社交界で地位を築いても、王妃として称えられても、彼女をデラクスが愛する事はなかった。
シェリアの言葉なんて、デラクスの耳には一言も入ってこない。
デラクスの目には、2歳年上のマリンしか長いこと目にはいっていないのである。
「マリン、、すまない。君を妃にしてやれなくて。」
情事の後、悲しげな表情でデラクスはマリンに謝罪するが、マリンは怒る事もなく、ニコニコと微笑み「貴方とこうやって2人でいれれば、私は幸せなのよ?」と言うのだ。
デラクスをみて笑みをむけるマリンの目はデラクスを愛してると伝えており、デラクスは余計にマリンに落ちていく。
自分の事や周りを考えろと言うシェリアと違い、彼女はなんと心の広い女性なのか。
彼女こそが自分の愛しい人だと、デラクスのマリンに対する愛はより深いものへと変わっていく。
そして、愛されるマリンとは一方、シェリアはお腹に子供を1人身籠ったのがわかった瞬間、デラクスは仕事は終わりだと言わんばかりに、2人の部屋に来る事は、なくなった。
「デラクス様、、、。」
シェリアは、デラクスに愛されてなくても尚、彼を愛した。
2人の間に生まれたアスランは全体的な顔の面持ちはシェリア似だが、その琥珀色の目と目元にある涙黒子はデラクスと同じだ。
シェリアはアスランは自分とデラクスの愛の証だと、それはそれは可愛がり、アスランが一歳の頃からずっと、ずっと呪いのように言葉を紡いだ。
「アスラン、大切な人は離しては駄目よ。
アスラン、貴方はパパとママが愛してたからできたのよ。アスラン、貴方はパパみたいになってはだめよ。アスラン、貴方のパパとママは愛してるのよ。アスラン、絶対浮気なんてしては駄目よ。女性は愛されるのが嬉しいのよ。貴方みたいに素敵な人に、沢山行為を伝えられて嫌がる女なんていないんだから。1人の人をずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずぅっと、、、愛すのよ。」
幸せそうに毎日同じ言葉をアスランに聞かせる母を見て、アスランは「はい!母様。」と笑顔で答えるのであった。
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