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第二章
可愛い。(15歳。)
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レオンと庭園で出会ってから、3ヶ月が経ったその日、ルディリアナは15の誕生日を迎えていた。
「ルディ!ルディ!誕生日おめでとう!」
毛布を頭から被ってても、アースの鼻歌と声が聞こえてくる。
そんな声を聞きながら、あーもうそんな日かと思う。
なんせルディリアナはこの部屋に入れられて、曜日の間隔がわからなくなっていた。
毎日ただ寝て、食べる。そんな作業の繰り返し。
この3ヶ月はアースとすら話してない。
毎日同じような事を繰り返すルディリアナは、今だって今が夜なのか朝なのかすらわかってない。
でも、別に知りたいとも思わなかった。
ルディリアナの心は、酷く疲れ切っていた。
「ルーナ、誕生日は何が欲しい??うさぎのぬいぐるみ??それとも、マカロン??ドレス?寝心地のいい枕??なんでもいいよ!なんでも買ってあげる。」
別に何も欲しくない、、。
強いて言うなら、今はとてつもなくアースの声を聞こえなくする道具が欲しい。
両手で耳を押さえ、その場で体を抱え込み丸まったような体勢になる。
「好きなんだ、、ルディ。だから顔を見せて。」
耳を押さえてても、アースの声をルディリアナの耳は拾ってしまう。
アースの声はどこか寂しそうで、そんな声を出させてしまっている原因が自分だと思うと、酷く胸が痛む。
いや、今回の事は絶対にアースが悪いんだ。
だから、謝るまで絶対許してやらないと思うのに、ルディリアナの体は自分の気持ちとは裏腹に動いていて、声のする方へと体を向けてしまう。
バチっと目が合うと、アースは幸せそうに笑った。
「ルディ、、、。」
アースの手が、そっとルディリアナの頬に触れる。
その手は少し震えていた。
「ごめんね。ルディ。」
そして、ルディリアナの求めていた言葉を口にしたのだ。
少し震える手で、ルディリアナの頬を愛しそうに撫でながら、悲しそうに顔を歪めながらアースはルディリアナの求めていた言葉を発した。
謝るまで絶対ゆるさない。と決め込んでいたルディリアナは、いざ謝られるとどうしていいかわからなくなる。
まだ、怒ってる。ルディリアナは怒ってるし傷ついている。
だけど、そんな声で、そんな顔で謝られたら。許してあげないとって思ってしまう。
アースはどこまでも、狡い人である。
「嫌よ、、、絶対許してあげない。」
プイッと顔を逸らし、アースと逆方向を見た。
顔を見ていると許してあげそうになってしまうからだ。
「ルッ、ルディ。ごめんよ。僕が悪かった。だから、許してルディ。。。僕の愛しいルーナ。」
何度も何度も、アースは謝る。
焦った声で、少し泣いてるのか涙声になりながら。
チラリと横目でアースを見れば、その綺麗な青色の瞳に、少し涙を浮かべていた。
まるで、、子供みたいだとルディリアナは思った。
そんな風に謝られたら、何だかルディリアナがいじめているみたいである。
「ルーナ。許して。欲しいものいっぱい買ってあげるし、外にだって出してあげる!ねっ、だから、顔を見せてよルディ。」
アースの困ったような焦ったような顔を見て、ルディリアナは「はぁっ。」とため息をはいた。
幼い子供をいじめてるようで、何だか可哀想に見えてきてしまったのだ。
「もういいよ。」
ルディリアナが一言そういえば、「本当!!!??」と目をキラキラ輝かせたアースがルディリアナを見て笑っている。
耳と尻尾が生えていたら、今頃光速で動いてるんでは、と思うほどに嬉しそう。
「うん、、もういいよ。アース。」
「ルーナ!!!嬉しい。ずっと口を聞いてくれなかったから、死んじゃうかと思った。」
そんな大袈裟な、、と思うけど、アースなら本当に話せないだけで死んじゃうかも、、と思う。
一生許してやらないと思ったのに、犬みたいに喜ぶアースを見てると、そんな気持ち消えていく。
ただ、可愛いと思った。
「アース、誕生日プレゼント。くれるんでしょ??」
くいくいとアースの服の裾を掴みながら、言うとアースは目をキラキラと輝かせる。
「ルーナから何かが欲しいなんで初めてだ!嬉しいなぁ。何が欲しい!?」
嬉しそうにそう言うアースを見ながら、ルディーはそっと目を瞑る。
そして、「アースのキスが欲しい。」と言った。
ルディリアナの予想では、煩いくらいにはしゃぎ出すだろうと思ってたのに、アースは静かである。
シーンと部屋が静まり返った。
えっ、、何でこんなにも静かなの?アース、寝たの?と思うほど部屋は静かである。
そっと目を開けて、アースを見てルディリアナは驚いた。
「アース、何その顔。」
アースは片手で自分の顔を押さえ、顔を真っ赤に染めているではないか。
「ルディから、そんな事言うと思ってなくて。」
そう、彼は照れているのだ。
「あれだけ毎日好きだ!愛してる!僕の嫁!とか言ってるくせに?あれだけキスしてきたくせに!?」
ふっふふふふとルディリアナの声が部屋に響いた。
ルディリアナに笑われたのが気に入らなかったのか、アースは顔を逸らして反対を向いた。
「、、ルーナが悪いんだ。そんな可愛い事を言うから。」
拗ねているのだ。
可愛い、、、とルディリアナは思った。
「アース。」
名前を呼んで目を瞑る。
すると今度こそ、唇に柔らかいものが触れるのだった。
「ルディ!ルディ!誕生日おめでとう!」
毛布を頭から被ってても、アースの鼻歌と声が聞こえてくる。
そんな声を聞きながら、あーもうそんな日かと思う。
なんせルディリアナはこの部屋に入れられて、曜日の間隔がわからなくなっていた。
毎日ただ寝て、食べる。そんな作業の繰り返し。
この3ヶ月はアースとすら話してない。
毎日同じような事を繰り返すルディリアナは、今だって今が夜なのか朝なのかすらわかってない。
でも、別に知りたいとも思わなかった。
ルディリアナの心は、酷く疲れ切っていた。
「ルーナ、誕生日は何が欲しい??うさぎのぬいぐるみ??それとも、マカロン??ドレス?寝心地のいい枕??なんでもいいよ!なんでも買ってあげる。」
別に何も欲しくない、、。
強いて言うなら、今はとてつもなくアースの声を聞こえなくする道具が欲しい。
両手で耳を押さえ、その場で体を抱え込み丸まったような体勢になる。
「好きなんだ、、ルディ。だから顔を見せて。」
耳を押さえてても、アースの声をルディリアナの耳は拾ってしまう。
アースの声はどこか寂しそうで、そんな声を出させてしまっている原因が自分だと思うと、酷く胸が痛む。
いや、今回の事は絶対にアースが悪いんだ。
だから、謝るまで絶対許してやらないと思うのに、ルディリアナの体は自分の気持ちとは裏腹に動いていて、声のする方へと体を向けてしまう。
バチっと目が合うと、アースは幸せそうに笑った。
「ルディ、、、。」
アースの手が、そっとルディリアナの頬に触れる。
その手は少し震えていた。
「ごめんね。ルディ。」
そして、ルディリアナの求めていた言葉を口にしたのだ。
少し震える手で、ルディリアナの頬を愛しそうに撫でながら、悲しそうに顔を歪めながらアースはルディリアナの求めていた言葉を発した。
謝るまで絶対ゆるさない。と決め込んでいたルディリアナは、いざ謝られるとどうしていいかわからなくなる。
まだ、怒ってる。ルディリアナは怒ってるし傷ついている。
だけど、そんな声で、そんな顔で謝られたら。許してあげないとって思ってしまう。
アースはどこまでも、狡い人である。
「嫌よ、、、絶対許してあげない。」
プイッと顔を逸らし、アースと逆方向を見た。
顔を見ていると許してあげそうになってしまうからだ。
「ルッ、ルディ。ごめんよ。僕が悪かった。だから、許してルディ。。。僕の愛しいルーナ。」
何度も何度も、アースは謝る。
焦った声で、少し泣いてるのか涙声になりながら。
チラリと横目でアースを見れば、その綺麗な青色の瞳に、少し涙を浮かべていた。
まるで、、子供みたいだとルディリアナは思った。
そんな風に謝られたら、何だかルディリアナがいじめているみたいである。
「ルーナ。許して。欲しいものいっぱい買ってあげるし、外にだって出してあげる!ねっ、だから、顔を見せてよルディ。」
アースの困ったような焦ったような顔を見て、ルディリアナは「はぁっ。」とため息をはいた。
幼い子供をいじめてるようで、何だか可哀想に見えてきてしまったのだ。
「もういいよ。」
ルディリアナが一言そういえば、「本当!!!??」と目をキラキラ輝かせたアースがルディリアナを見て笑っている。
耳と尻尾が生えていたら、今頃光速で動いてるんでは、と思うほどに嬉しそう。
「うん、、もういいよ。アース。」
「ルーナ!!!嬉しい。ずっと口を聞いてくれなかったから、死んじゃうかと思った。」
そんな大袈裟な、、と思うけど、アースなら本当に話せないだけで死んじゃうかも、、と思う。
一生許してやらないと思ったのに、犬みたいに喜ぶアースを見てると、そんな気持ち消えていく。
ただ、可愛いと思った。
「アース、誕生日プレゼント。くれるんでしょ??」
くいくいとアースの服の裾を掴みながら、言うとアースは目をキラキラと輝かせる。
「ルーナから何かが欲しいなんで初めてだ!嬉しいなぁ。何が欲しい!?」
嬉しそうにそう言うアースを見ながら、ルディーはそっと目を瞑る。
そして、「アースのキスが欲しい。」と言った。
ルディリアナの予想では、煩いくらいにはしゃぎ出すだろうと思ってたのに、アースは静かである。
シーンと部屋が静まり返った。
えっ、、何でこんなにも静かなの?アース、寝たの?と思うほど部屋は静かである。
そっと目を開けて、アースを見てルディリアナは驚いた。
「アース、何その顔。」
アースは片手で自分の顔を押さえ、顔を真っ赤に染めているではないか。
「ルディから、そんな事言うと思ってなくて。」
そう、彼は照れているのだ。
「あれだけ毎日好きだ!愛してる!僕の嫁!とか言ってるくせに?あれだけキスしてきたくせに!?」
ふっふふふふとルディリアナの声が部屋に響いた。
ルディリアナに笑われたのが気に入らなかったのか、アースは顔を逸らして反対を向いた。
「、、ルーナが悪いんだ。そんな可愛い事を言うから。」
拗ねているのだ。
可愛い、、、とルディリアナは思った。
「アース。」
名前を呼んで目を瞑る。
すると今度こそ、唇に柔らかいものが触れるのだった。
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