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第二章

人間嫌い。

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人と接するのは、とても苦手だ。

家に誰かを呼んでは馬鹿騒ぎをする兄を見て、心底嫌気がさしていた。

一度兄が連れてきた令嬢の中に、俺を襲おうとした女もいた。

その女の目には俺なんか写ってなくて、見えるのは金と兄と繋がりを持ちたいと言う浅ましい心だけ。

気持ちが悪かった。

鼻にかおる甘ったるい香水の香りも、クルクルに巻かれた長い髪も、ドレスで締め上げたウエストも、ドレスから覗かせる胸も。

兄や俺を落とすためにその格好をしてきたのかと思うと、気持ち悪くて仕方がない。

「うっ、、、」

そして、気づいた時には、、俺を押し倒す女にオエっと朝食に食べた物を浴びさせてしまっていた。

俺を押し倒した女は何か俺を罵倒する言葉を沢山発していたが、そんな声はもう耳に入ってもこない。

ただただ、気持ちが悪い。それだけだった。

元々家から出る事が少なかった俺は、より外に出る事が少なくなった。

だが、父に無理やり連れて行かれた侯爵邸で俺は運命に出会う。

プラチナブロンドの髪をフワフワと揺らせながら、トロンとした目で俺を見上げる少女。

名前はルディリアナ。

彼女の目を見ても伝わってくるのは。

眠い。ただ、それだけである。

「一緒にお昼寝しよう?レオン様?」と言われれば、レオンは人生で初めて欲情仕掛けた。

理性を飛ばせまいと顔を抑えるが、脳裏には先程のルディリアナのトロンとした顔が浮かんでしまう。

一緒に東屋に行けば、彼女はレオンを見てそっと目を瞑り、ゆっくりとレオンに近づいてくる。

バクンバクンと煩い心臓を抑えて、内心えっ、えっ!!!と声にならない声をだしたレオンは、ぎゅっと目を瞑った。がっ。

レオンの期待したようなことは起こらず、ただ自分の膝の上で美しいルディリアナが眠っていた。

レオンは「はぁ。」とため息をこぼし、目を瞑ってしまった自分を思い出し、一気に恥ずかしくなった。

自分の馬鹿め。。。

女が嫌いだと言っていた自分はどこに行ったのやら。

レオンの頭の中は既に、ルディリアナでいっぱいになっていた。

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