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第二章
幸せな時間。(12歳。)
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月日は立ち、ルディリアナ・マーガレットは12歳になっていた。
長いプラチナブロンドの髪は緩くウェーブをかき、少しぷっくりしていた顔は片手一つで収まりそうなほど小さくなったにもかかわらず、青い瞳は変わらず大きなままである。
子供体型だった体はくびれもでき、12歳と言われたら嘘だろう?と思うほどにルディリアナの体は大人の女性に近づいていた。
体は変わっても、ルディリアナの中身は全く変わらず、今日も今日とてルディリアナは自室で悠々自適な生活を送っていた。
「やっぱり、悪い夢だったんだわ!」
ルディリアナはベットに大の字で寝転がると声高らかに叫んだ。
ルディリアナには、数年前まで悪魔と呼べるほど苦手な存在の人物がいた。
だが、その人物はある日を栄にピタッと姿を見せなくなったのである。
だから、ルディリアナはあの時の出来事は全て、全て悪い夢!そう思うことにしたのである。
「はぁ、、何て幸せなの。自分だけの空間、自分だけのベット、誰も勝手に入ってこないマイルーム。」
素敵、素敵だわ、、とルディリアナは何度も呟いた。
そして、数分も経たぬうちにスゥスゥッと規則正しい寝息がその部屋には響いていた。
一方執務室で書類を片付けるルディリアナの父マルフェスは「はぁぁぁぁっ。」と大きなため息を吐いた。
「どうしたの?貴方??」
マルフェス用の紅茶を準備していた妻リジィがそんなマルフェスを見て不思議そうに首を傾げた。
プラチナブロンドの髪に大きな青い瞳、目元には色っぽい涙ぼくろがついており、今日も妻は美しいなとマルフェスは思った。
そんなリジィの良いところをとって生まれてきた娘、ルーナはそれはそれは可愛い。
目に入れても痛くないほどに、愛している。
だからこそ、この時マルフェスは困っていたのである。
「ルーナにまだ告げれないでいる。。あの子の姿を見ていると本当にこれで良いのかと、あの子の為にならないのじゃないかと思うんだ。」
マルフェスがそういうと、リジィはマルフェスの手を取りふわりと微笑んだ。
「女の子はね、追いかけるより、追われる方がいいのよ??だから、大丈夫よ。あの子なら、ルーナを絶対幸せにしてくれるわ。」
ねっ?と首を傾げてマルフェスを上目遣いで見る妻は、外に出すのをやめてやろうかというほど、男を魅了する仕草を無意識にするのだ。
腹が立つから閉じ込めてやろうか本当。
嫌われるからしないが、、本当彼女の無意識の仕草には困ってしまう。
そんなマルフェスの考えがわかったのか、リジィはクスクスと笑った。
「追いかけられて幸せになった私が言うんだから、間違いないわ。」
妻のその言葉に、かつてプラチナブロンドの髪の女性を大輪のバラを持って追いかけ回した男を思い出し、マルフェスは頬をポリポリとかき恥ずかしそうに微笑んだ。
ルーナも幸せになるといいなと。思いながら。
そして、マルフェスは唐突に何かを思いついたのか手と手を合わせポンッと鳴らした。
「そうだ!そうしよう!」
そして何を思ったのか、マルフェスは急いで執事を呼ぶとどこかに連絡をする様にと指示を送っていた。
そんなマルフェスをやれやれと見ながら、リジィは大輪のバラを毎日持って走ってくる男を思い出し、またクスクスと笑うのであった。
長いプラチナブロンドの髪は緩くウェーブをかき、少しぷっくりしていた顔は片手一つで収まりそうなほど小さくなったにもかかわらず、青い瞳は変わらず大きなままである。
子供体型だった体はくびれもでき、12歳と言われたら嘘だろう?と思うほどにルディリアナの体は大人の女性に近づいていた。
体は変わっても、ルディリアナの中身は全く変わらず、今日も今日とてルディリアナは自室で悠々自適な生活を送っていた。
「やっぱり、悪い夢だったんだわ!」
ルディリアナはベットに大の字で寝転がると声高らかに叫んだ。
ルディリアナには、数年前まで悪魔と呼べるほど苦手な存在の人物がいた。
だが、その人物はある日を栄にピタッと姿を見せなくなったのである。
だから、ルディリアナはあの時の出来事は全て、全て悪い夢!そう思うことにしたのである。
「はぁ、、何て幸せなの。自分だけの空間、自分だけのベット、誰も勝手に入ってこないマイルーム。」
素敵、素敵だわ、、とルディリアナは何度も呟いた。
そして、数分も経たぬうちにスゥスゥッと規則正しい寝息がその部屋には響いていた。
一方執務室で書類を片付けるルディリアナの父マルフェスは「はぁぁぁぁっ。」と大きなため息を吐いた。
「どうしたの?貴方??」
マルフェス用の紅茶を準備していた妻リジィがそんなマルフェスを見て不思議そうに首を傾げた。
プラチナブロンドの髪に大きな青い瞳、目元には色っぽい涙ぼくろがついており、今日も妻は美しいなとマルフェスは思った。
そんなリジィの良いところをとって生まれてきた娘、ルーナはそれはそれは可愛い。
目に入れても痛くないほどに、愛している。
だからこそ、この時マルフェスは困っていたのである。
「ルーナにまだ告げれないでいる。。あの子の姿を見ていると本当にこれで良いのかと、あの子の為にならないのじゃないかと思うんだ。」
マルフェスがそういうと、リジィはマルフェスの手を取りふわりと微笑んだ。
「女の子はね、追いかけるより、追われる方がいいのよ??だから、大丈夫よ。あの子なら、ルーナを絶対幸せにしてくれるわ。」
ねっ?と首を傾げてマルフェスを上目遣いで見る妻は、外に出すのをやめてやろうかというほど、男を魅了する仕草を無意識にするのだ。
腹が立つから閉じ込めてやろうか本当。
嫌われるからしないが、、本当彼女の無意識の仕草には困ってしまう。
そんなマルフェスの考えがわかったのか、リジィはクスクスと笑った。
「追いかけられて幸せになった私が言うんだから、間違いないわ。」
妻のその言葉に、かつてプラチナブロンドの髪の女性を大輪のバラを持って追いかけ回した男を思い出し、マルフェスは頬をポリポリとかき恥ずかしそうに微笑んだ。
ルーナも幸せになるといいなと。思いながら。
そして、マルフェスは唐突に何かを思いついたのか手と手を合わせポンッと鳴らした。
「そうだ!そうしよう!」
そして何を思ったのか、マルフェスは急いで執事を呼ぶとどこかに連絡をする様にと指示を送っていた。
そんなマルフェスをやれやれと見ながら、リジィは大輪のバラを毎日持って走ってくる男を思い出し、またクスクスと笑うのであった。
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