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九.ニ。
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ルルベドは、中から聞こえてくる声に耳を傾け、違和感を覚えていた。
以前であった少女は、こんな話し方だっただろうか?
殿下の部屋で、罰を受けていた少女はどこか抜けており、今聞こえてくるようなハキハキとした話し方をしていなかったはずである。
全部の言葉が聞こえてくるわけではないが、所々聞こえてくる声は、先程部屋に入った少女以外が話しているのでは?と疑いそうになるほど、しっかりとした口調だった。
「いやぁ、今入ってった子、可愛かったなぁ。メイドなら、私が手を出してもいいよねぇ。」
横で同僚のナイディルが舌なめずりをして、少女が入って行った扉を眺めている。
このナイディルという男は、女性関係で何度も諍いを起こしてきたにも関わらず、女好きは治らない、何とも虚しい奴である。
肩まで伸びた金色の髪を自分の指で弄ぶナイディルは、次の獲物をあの少女に仕留めたようだ。
メイドとはいえ、王妃直々がお呼びたてしている相手を狙うとは、、、とルルベドは呆れた。
それに、ノア様お付きのメイドである。
あの人嫌いのノア様が側に置いているメイドに手を出すとは、自殺行為である。
だが、ナイディルは能天気に「どこに誘おうかなあ。」なんて呟く物だから、ルルベドはため息を吐いた。
しばらくすると、「王妃様、、それではまた。」とメイドの声が聞こえ、ドアが開いた。
出てきたメイドと目があうとメイドはルルベドに向かいニコッと笑みを見せる。
つられてルルベドも笑みを作るが、メイドからはすぐに表情が消え、「ノア様に言ったら、、わかってますよね?」と王妃と同じような冷たい口調で告げるのであった。
ルルベドは思う。
女って怖い、、、。と。
だが、そんなメイドを見てもなお、ナイディルはどう獲物を捕まえてやろうかとその目は爛々と輝いていた。
以前であった少女は、こんな話し方だっただろうか?
殿下の部屋で、罰を受けていた少女はどこか抜けており、今聞こえてくるようなハキハキとした話し方をしていなかったはずである。
全部の言葉が聞こえてくるわけではないが、所々聞こえてくる声は、先程部屋に入った少女以外が話しているのでは?と疑いそうになるほど、しっかりとした口調だった。
「いやぁ、今入ってった子、可愛かったなぁ。メイドなら、私が手を出してもいいよねぇ。」
横で同僚のナイディルが舌なめずりをして、少女が入って行った扉を眺めている。
このナイディルという男は、女性関係で何度も諍いを起こしてきたにも関わらず、女好きは治らない、何とも虚しい奴である。
肩まで伸びた金色の髪を自分の指で弄ぶナイディルは、次の獲物をあの少女に仕留めたようだ。
メイドとはいえ、王妃直々がお呼びたてしている相手を狙うとは、、、とルルベドは呆れた。
それに、ノア様お付きのメイドである。
あの人嫌いのノア様が側に置いているメイドに手を出すとは、自殺行為である。
だが、ナイディルは能天気に「どこに誘おうかなあ。」なんて呟く物だから、ルルベドはため息を吐いた。
しばらくすると、「王妃様、、それではまた。」とメイドの声が聞こえ、ドアが開いた。
出てきたメイドと目があうとメイドはルルベドに向かいニコッと笑みを見せる。
つられてルルベドも笑みを作るが、メイドからはすぐに表情が消え、「ノア様に言ったら、、わかってますよね?」と王妃と同じような冷たい口調で告げるのであった。
ルルベドは思う。
女って怖い、、、。と。
だが、そんなメイドを見てもなお、ナイディルはどう獲物を捕まえてやろうかとその目は爛々と輝いていた。
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