薬草王子に恋するメイド。

霙アルカ。

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三。

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やってしまった、、、と思った時には、時既に遅い。

ハッと我に帰った時には、自分の腕の中で顔を涙でぐしょぐしょにしたルウが気を失ってしまった後だった。

気を失ってしまってからも、なんならキスを繰り返してしまった。

ソファーに、ルウを横たわらせ、机の上のすり鉢の元へと向かう。

薬を作る時、薬草と共に様々な粉や植物や液体等を混ぜる。

一つ一つ何を混ぜればどうなるのかを紙に書いていき、それで出来上がった薬の成分を調べ、病気などを治す事ができる。

ある程度何を混ぜればどうなるのかはわかってきてるが、全く知らない薬草を手に入れた場合は、情報がなければ1から自分で発見していかないといけない。

今日ルウに混ぜさせていたのも、新しく手に入れた薬草の一つだった。

基本、薬は飲むことにより効くのだが、今回のは匂いだけで効果が出た。

ルウには効いていなかったところからすると、自分が作り出したのは男性にだけ効く媚薬に近いものだと思う。

そのせいで理性を失い、目の前にいたルウに欲望のままにキスをしてしまっていた。

泣かせてしまったし、意識を失うまで何度も執拗にしてしまったのはどう考えても自分が悪い。

ソファーで横たわるルウをみて、どうしようかと頭を悩ませ、本日何度目かわからないため息をノアはこぼすのであった。
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