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第一章。
友人。
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まただ、、またである。
今日もルルノアの靴が、なくなっている。
ルルノアは寮に住んでいるが、寮から学校までは歩いてこないといけない。
寮の周りは雨が降るとドロドロになるため、そのまま学校に入るのは禁じられている。
だからどの生徒も靴を学校に準備しているのだが、その靴が今日も無くなっていた。
「はぁ、、。」
ルルノアは一つため息を吐くと、靴が捨てられているであろうゴミ箱へと向かう。
ゴミ箱に行くのはもはや習慣レベルになってる。
ルルノアの靴を捨てているゴミ箱は入り口から、大分と歩いた所にあるため、よくもまあこんな所まで捨てにくるなぁ、と関心する毎日である。
少し腹は立つが気にしても仕方がないと思い、鼻歌を歌いながらゴミ箱に向かってる際中、
「おい、くそ女。」と口の悪い人に呼び止められた。
誰が呼び止めたかなんて、見なくてもわかるため、ルルノアは無視して足をすすめる。
「おーい、聞こえてんだろ、無視すんな。」
ルルノアの後ろをついてきてるのだろう、声が遠くなることなくルルノアの耳に届くが、無視してやる。
ルルノアとて、暇ではないのである。
「おーい、おいクソ女。」
しまいには、ペチペチと頭を叩かれ出し、朝から靴を捨てられている事もあり、ルルノアの怒りは爆発した。
「あんたねぇ?私よりまだ背も低いくせに、キャンキャンうるさいのよ!」
そう言い返せば「あん?俺はなあ、後数年すればお前なんかの身長直ぐ追い越すんだぞ?」と啖呵をきるホルンの手にはミルクの瓶が握られている。
実は結構まだ身長が伸びない事を気にしてるのがわかり、ついルルノアは笑ってしまった。
「ごめんなさい、ホルン。気にしてないと思ってたのよ。」そう言いながらもルルノアは少し笑ってしまうとホルンがペチンとまた頭を軽く叩いた。
「私女の子よ?」
「いいや、俺の知ってる女はもっとお淑やかにしてるね。」とホルンは憎まれ口をたたく。
口は悪いが、ホルンは悪い子ではないのを知っている。
リヴェルの事が大好きな13歳の男の子だ。
いつもリヴェルと共にいるのに、今日はリヴェルは側にいなかった。
「どこ行くんだよ。」
「ゴミ箱。」
靴が捨てられてる事を隠す必要もない為、ルルノアがそういえば、ホルンの顔が少し強張った。
「なんで?」
「捨てられた靴が多分あるから。」
傷ついてなんかいない。入学してからほぼ毎日捨てられている為、寧ろ捨てている人に対して毎日飽きずによくもまぁ、、と尊敬すらしているくらいだ。
「リヴェル様には言った?」
ルルノアに毎日愛を伝えてくるリヴェルに相談したら、絶対解決してくれるのはわかってるけど、プレゼントももらった上、これ以上お願いするのはとても気が引けた。
ルルノアは小さく首を振る。
「毎日か?隠されるのって。」
「毎日じゃないけど、、ほぼほぼかなぁ?」
「リヴェル様のネクタイをつけてからも?」
何故ネクタイ、、、?と思うけど、確かにネクタイを借りてからの数日間は靴が無くならなかった。
「ううん、数日間は大丈夫だったかも。」
「そうか、とりあえず捨てられたやつ取りにくぞ。どこ?」
「いや、なんでついてこようとしてるの?」
「、、友達だろ?」
少し顔を俯かせながらそういうホルンの耳は赤い。
つまりは、自分で言っておいて照れているのである。
「えっ、ホルン照れてる?」
「はっ??うっせーな!ほら、行くぞ!」とホルンは靴が捨てられたのとは逆の教室にさっさと歩き出した。
「ホルン!!そっちじゃなくて、こっちだから!」
ホルンが歩いている方と逆方向を指差せば、ホルンは「ちっ。」と舌打ちをして、髪をガシガシとかいた。
そして、ルルノアの横に立ち「ほら、行くぞ。」というのだ。
ホルンはいつもルルノアにきついため、少し自分の事を嫌いなのかなと思ってたけど、彼の中ではどうやら、自分は既に友達だったのだ。
ルルノアにとって、ホルンは初めての友達である。
「、、、何笑ってんだよ、気持ち悪りぃ。」
今日もホルンの口は悪いが、ルルノアはそんなホルンが本当はルルノアを友達だと思ってて、ゴミ捨て場についてこようとしてくれるくらい、優しい事を知ったら、笑みが堪らず溢れてしまうのは仕方がない事だと思うのだ。
「私、友達って初めてできた。」
ルルノアが嬉々としてホルンに言えば、ホルンはぶっきらぼうに「よかったな。」と言うのだ。
リヴェルはルルノアに沢山のものをくれる。
外に来ていくための服にドレスに学校で身につけるリボン、それにホルンという友達もリヴェルのお陰でできた友達である。
そして、溢れそうな程の愛だってルルノアにくれようとする。
少しずつ、ルルノアの中でリヴェルの存在が大きなものになっていくのに、時間はかからないのであった。
今日もルルノアの靴が、なくなっている。
ルルノアは寮に住んでいるが、寮から学校までは歩いてこないといけない。
寮の周りは雨が降るとドロドロになるため、そのまま学校に入るのは禁じられている。
だからどの生徒も靴を学校に準備しているのだが、その靴が今日も無くなっていた。
「はぁ、、。」
ルルノアは一つため息を吐くと、靴が捨てられているであろうゴミ箱へと向かう。
ゴミ箱に行くのはもはや習慣レベルになってる。
ルルノアの靴を捨てているゴミ箱は入り口から、大分と歩いた所にあるため、よくもまあこんな所まで捨てにくるなぁ、と関心する毎日である。
少し腹は立つが気にしても仕方がないと思い、鼻歌を歌いながらゴミ箱に向かってる際中、
「おい、くそ女。」と口の悪い人に呼び止められた。
誰が呼び止めたかなんて、見なくてもわかるため、ルルノアは無視して足をすすめる。
「おーい、聞こえてんだろ、無視すんな。」
ルルノアの後ろをついてきてるのだろう、声が遠くなることなくルルノアの耳に届くが、無視してやる。
ルルノアとて、暇ではないのである。
「おーい、おいクソ女。」
しまいには、ペチペチと頭を叩かれ出し、朝から靴を捨てられている事もあり、ルルノアの怒りは爆発した。
「あんたねぇ?私よりまだ背も低いくせに、キャンキャンうるさいのよ!」
そう言い返せば「あん?俺はなあ、後数年すればお前なんかの身長直ぐ追い越すんだぞ?」と啖呵をきるホルンの手にはミルクの瓶が握られている。
実は結構まだ身長が伸びない事を気にしてるのがわかり、ついルルノアは笑ってしまった。
「ごめんなさい、ホルン。気にしてないと思ってたのよ。」そう言いながらもルルノアは少し笑ってしまうとホルンがペチンとまた頭を軽く叩いた。
「私女の子よ?」
「いいや、俺の知ってる女はもっとお淑やかにしてるね。」とホルンは憎まれ口をたたく。
口は悪いが、ホルンは悪い子ではないのを知っている。
リヴェルの事が大好きな13歳の男の子だ。
いつもリヴェルと共にいるのに、今日はリヴェルは側にいなかった。
「どこ行くんだよ。」
「ゴミ箱。」
靴が捨てられてる事を隠す必要もない為、ルルノアがそういえば、ホルンの顔が少し強張った。
「なんで?」
「捨てられた靴が多分あるから。」
傷ついてなんかいない。入学してからほぼ毎日捨てられている為、寧ろ捨てている人に対して毎日飽きずによくもまぁ、、と尊敬すらしているくらいだ。
「リヴェル様には言った?」
ルルノアに毎日愛を伝えてくるリヴェルに相談したら、絶対解決してくれるのはわかってるけど、プレゼントももらった上、これ以上お願いするのはとても気が引けた。
ルルノアは小さく首を振る。
「毎日か?隠されるのって。」
「毎日じゃないけど、、ほぼほぼかなぁ?」
「リヴェル様のネクタイをつけてからも?」
何故ネクタイ、、、?と思うけど、確かにネクタイを借りてからの数日間は靴が無くならなかった。
「ううん、数日間は大丈夫だったかも。」
「そうか、とりあえず捨てられたやつ取りにくぞ。どこ?」
「いや、なんでついてこようとしてるの?」
「、、友達だろ?」
少し顔を俯かせながらそういうホルンの耳は赤い。
つまりは、自分で言っておいて照れているのである。
「えっ、ホルン照れてる?」
「はっ??うっせーな!ほら、行くぞ!」とホルンは靴が捨てられたのとは逆の教室にさっさと歩き出した。
「ホルン!!そっちじゃなくて、こっちだから!」
ホルンが歩いている方と逆方向を指差せば、ホルンは「ちっ。」と舌打ちをして、髪をガシガシとかいた。
そして、ルルノアの横に立ち「ほら、行くぞ。」というのだ。
ホルンはいつもルルノアにきついため、少し自分の事を嫌いなのかなと思ってたけど、彼の中ではどうやら、自分は既に友達だったのだ。
ルルノアにとって、ホルンは初めての友達である。
「、、、何笑ってんだよ、気持ち悪りぃ。」
今日もホルンの口は悪いが、ルルノアはそんなホルンが本当はルルノアを友達だと思ってて、ゴミ捨て場についてこようとしてくれるくらい、優しい事を知ったら、笑みが堪らず溢れてしまうのは仕方がない事だと思うのだ。
「私、友達って初めてできた。」
ルルノアが嬉々としてホルンに言えば、ホルンはぶっきらぼうに「よかったな。」と言うのだ。
リヴェルはルルノアに沢山のものをくれる。
外に来ていくための服にドレスに学校で身につけるリボン、それにホルンという友達もリヴェルのお陰でできた友達である。
そして、溢れそうな程の愛だってルルノアにくれようとする。
少しずつ、ルルノアの中でリヴェルの存在が大きなものになっていくのに、時間はかからないのであった。
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