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メリクリ
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クリスマスが来た。
サンタクロースがいないと知ったのはいつだったろう。
教室で大人ぶった子がサンタはいないと鼻高々に言った時だろうか。
それとも家のクローゼットを開けてプレゼントを見つけてしまった時だろうか。
サンタはいない。
ショックはなかった。
悲しくもなかった。
きっとその時自分はもう大人になってしまっていたのだ。
現実というものに慣れていた。
ヒーローがいないことも魔法使いがいないこともプリンセスがいないことも。
全部全部知ってしまった。
サンタはいない。
サンタを信じていられる心が羨ましい。
ずっと信じていたかった。
中学生になっても高校生になっても大人になってもしわしわになって死ぬまで。
サンタがくれるプレゼントにわくわくしながら眠りにつきたかった。
大人になる度にできることは増える。
二度と取り戻せないものを代償にして。
大人になりたいと思ったことはなかった。
一生子供のままでいたかった。
私の願いは叶わない。
だから今度は私がサンタとなって夢を与えるのだ。
すやすやと眠る君の枕元にそっと。
夢を壊さないように。
明日、君が喜ぶ姿を想像して。
サンタクロースがいないと知ったのはいつだったろう。
教室で大人ぶった子がサンタはいないと鼻高々に言った時だろうか。
それとも家のクローゼットを開けてプレゼントを見つけてしまった時だろうか。
サンタはいない。
ショックはなかった。
悲しくもなかった。
きっとその時自分はもう大人になってしまっていたのだ。
現実というものに慣れていた。
ヒーローがいないことも魔法使いがいないこともプリンセスがいないことも。
全部全部知ってしまった。
サンタはいない。
サンタを信じていられる心が羨ましい。
ずっと信じていたかった。
中学生になっても高校生になっても大人になってもしわしわになって死ぬまで。
サンタがくれるプレゼントにわくわくしながら眠りにつきたかった。
大人になる度にできることは増える。
二度と取り戻せないものを代償にして。
大人になりたいと思ったことはなかった。
一生子供のままでいたかった。
私の願いは叶わない。
だから今度は私がサンタとなって夢を与えるのだ。
すやすやと眠る君の枕元にそっと。
夢を壊さないように。
明日、君が喜ぶ姿を想像して。
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