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第 5話 冒険者ギルド
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このリスマイア王国のほぼ全ての街にある冒険者ギルド、この冒険者ギルドの制度をこの世界に構築したのは、2度目の転生で騎士団長をしていた俺である。
国や貴族を守るのは騎士団の役割、では民衆を守るのは?
なにかとトラブルが多発したこの時期、騎士団だけでは手が足りず、俺は民衆の守りを民衆に任せることにした。
俺はそれぞれの村にあった小さな自警団をひとつにまとめて資金を提供、ゲームの知識を活かして冒険者免許や依頼の仕方について各ギルド長に学習させ。
その後、各領地に拠点となるギルドを配置して、そこから各街に支部を作らせた。
最初は討伐と防衛が主な依頼内容だったが3度目の転生で冒険者になった俺が各地のギルドを回って一気に仕事内容を充実させる。
今ではモンスター関連はもちろん、素材の採取から情報収集まで幅広く活動している。
今のギルドの情報収集能力は相当高い、今回の件も直ぐ伝わるだろう。
ならば、こちらから依頼料を受け取る名目で出向いた方が後々トラブルになりにくい。
この村から街までは馬車でならさほど時間はかからない、村民会議を終えた俺達はその日のうちに村を出発した。
街の冒険者ギルドでは、依頼の申し込みから依頼料の受け取りまで全ての業務は受付を通して行われる。
冒険者ギルドに入った俺達の一行は空いている席に付き、まわりの様子を伺いつつリフリーのパーティーに受付に行かせた。
依頼料の受け取りは、まず冒険者が依頼書を受付に出した後、依頼の内容に合った証拠を提出する。
討伐依頼だったら、モンスターの体の一部、採取依頼ならば依頼の素材を指定数などという具合だ。
受付は受け取った証拠を受付カウンターの後ろに控えている鑑定士に渡して、鑑定士が鑑定した後に合格ならば依頼料が支払われる仕組みで鑑定の際の品質の良し悪しで依頼料におまけが付く。
リフリーのパーティーのリーダーはカウンターに依頼書と冒険者免許そして魔獣の体の一部を置いた。
受付のお姉さんは冒険者免許を見て依頼書を確認すると愛想良く言った。
「パーティー名『森の護り手』のメンバーさん達ですね、確かに承りました」
そう言いながら手際よく依頼書と魔獣の体の一部を鑑定士に引き渡す。
『森の護り手』とはリフリーが所属するパーティーのパーティー名で冒険者になった者は自分達で登録名をつけられる。
登録名には個人登録とパーティー登録があり個人名は本名のままの者もいれば『青き○○』のようにあだ名を組み合わせた登録名にするものもいる。
登録名あまりに凄いと後々苦労するが、皆、かっこいい名前を付けたがる。
『森の護り手』というパーティー名、表向きは森のみんなを守る者という意味だが、本当の意味は、森に住むリフリーに気がある男達の集まり!リフリーさえ守れればそれでよく他はどうでもいい。
それはリフリーが人妻になった今でも変わりなく続いている。
しかも実力者のリフリーの気を引こうと皆が修練に励むものだから、いつの間にかギルドでも上位ランクに位置付けされるまでになってしまった。
思った通り鑑定士達は何やら揉めている、ひとしきり話し合った後、鑑定士の1人がカウンターまで来ると、メンバーに向かって質問する。
「森の護り手さん、これは何という魔獣の素材ですか?」
この質問は鑑定士にとっては屈辱だろう、本来鑑定を職業にしている者達なのだ、それをわからないからと言って冒険者に聴くなどあってはならない。
それを敢えて聴くとは余程に稀で貴重な素材、確かに文献で伝える程度しか石化獣の情報はない。
リーダーは「これは、石化獣と言う魔獣の一部だ」そう言った途端、カウンターがどよめく。
さっきまで愛想の良かった受付の女性もしばらくお待ちくださいとどこかに行ってしまった。
しばらく待っていると受付の責任者的な男が現れて森の護り手のメンバーと俺達にギルド長の部屋に来るようにと伝えられた。
森の護り手のメンバーを先頭に部屋に入るとギルド長は少し困った顔で。
「ふぅ、まさか今回の依頼にお前達が絡んでいるとはな?」
「もう少し調べておくべきだったか?」
「???」
上位ランクの森の護り手をギルド長が知っているのは理解できる。
が、『まさか』今回の依頼だと?
まるで石化獣の事を知っていたかの言いようではないか。
ギルド長は1通の書簡を引き出しから取り出すとお前達宛だと言って机の上に置いた。
書簡にはこう書いてある、今回、王国の脅威となるべく魔獣を討伐した功により一同を王城に招待する故、以下の者は必ず出席する様に。
森の護り手のメンバー。
村人 ザイン。
ー宰相 リズモンドー
リズモンド⁉︎ そう言うことか、俺は粗方の事を理解した。
リズモンドの父親の作った情報機関、通称『暗部』。
暗部には国の内外を問わずあらゆる情報が集められる、大方どこかで石化獣の情報を得た暗部が冒険者が逃げ帰ることを前提に依頼を発注して。
逃げ帰った冒険者が騒いだのちに騎士団や国軍で討伐するシナリオを書いたのだろうが、俺達が倒してしまった。
その経緯を暗部のエージェントから聞かされたリズモンドは俺達がギルドに報告に来ることを知って書簡を送った。
俺の想像だと、そんなところだろう。
しかし、気がかりがある、書簡に実際に石化獣を倒したベテラン冒険者の名前ではなく俺の名前があったことだ。
まぁ、ここで考えていても始まらない、あとは王城に行ってリズモンドに聞くしかないだろう。
俺達は指定された時間に合わせて街を出発した。
国や貴族を守るのは騎士団の役割、では民衆を守るのは?
なにかとトラブルが多発したこの時期、騎士団だけでは手が足りず、俺は民衆の守りを民衆に任せることにした。
俺はそれぞれの村にあった小さな自警団をひとつにまとめて資金を提供、ゲームの知識を活かして冒険者免許や依頼の仕方について各ギルド長に学習させ。
その後、各領地に拠点となるギルドを配置して、そこから各街に支部を作らせた。
最初は討伐と防衛が主な依頼内容だったが3度目の転生で冒険者になった俺が各地のギルドを回って一気に仕事内容を充実させる。
今ではモンスター関連はもちろん、素材の採取から情報収集まで幅広く活動している。
今のギルドの情報収集能力は相当高い、今回の件も直ぐ伝わるだろう。
ならば、こちらから依頼料を受け取る名目で出向いた方が後々トラブルになりにくい。
この村から街までは馬車でならさほど時間はかからない、村民会議を終えた俺達はその日のうちに村を出発した。
街の冒険者ギルドでは、依頼の申し込みから依頼料の受け取りまで全ての業務は受付を通して行われる。
冒険者ギルドに入った俺達の一行は空いている席に付き、まわりの様子を伺いつつリフリーのパーティーに受付に行かせた。
依頼料の受け取りは、まず冒険者が依頼書を受付に出した後、依頼の内容に合った証拠を提出する。
討伐依頼だったら、モンスターの体の一部、採取依頼ならば依頼の素材を指定数などという具合だ。
受付は受け取った証拠を受付カウンターの後ろに控えている鑑定士に渡して、鑑定士が鑑定した後に合格ならば依頼料が支払われる仕組みで鑑定の際の品質の良し悪しで依頼料におまけが付く。
リフリーのパーティーのリーダーはカウンターに依頼書と冒険者免許そして魔獣の体の一部を置いた。
受付のお姉さんは冒険者免許を見て依頼書を確認すると愛想良く言った。
「パーティー名『森の護り手』のメンバーさん達ですね、確かに承りました」
そう言いながら手際よく依頼書と魔獣の体の一部を鑑定士に引き渡す。
『森の護り手』とはリフリーが所属するパーティーのパーティー名で冒険者になった者は自分達で登録名をつけられる。
登録名には個人登録とパーティー登録があり個人名は本名のままの者もいれば『青き○○』のようにあだ名を組み合わせた登録名にするものもいる。
登録名あまりに凄いと後々苦労するが、皆、かっこいい名前を付けたがる。
『森の護り手』というパーティー名、表向きは森のみんなを守る者という意味だが、本当の意味は、森に住むリフリーに気がある男達の集まり!リフリーさえ守れればそれでよく他はどうでもいい。
それはリフリーが人妻になった今でも変わりなく続いている。
しかも実力者のリフリーの気を引こうと皆が修練に励むものだから、いつの間にかギルドでも上位ランクに位置付けされるまでになってしまった。
思った通り鑑定士達は何やら揉めている、ひとしきり話し合った後、鑑定士の1人がカウンターまで来ると、メンバーに向かって質問する。
「森の護り手さん、これは何という魔獣の素材ですか?」
この質問は鑑定士にとっては屈辱だろう、本来鑑定を職業にしている者達なのだ、それをわからないからと言って冒険者に聴くなどあってはならない。
それを敢えて聴くとは余程に稀で貴重な素材、確かに文献で伝える程度しか石化獣の情報はない。
リーダーは「これは、石化獣と言う魔獣の一部だ」そう言った途端、カウンターがどよめく。
さっきまで愛想の良かった受付の女性もしばらくお待ちくださいとどこかに行ってしまった。
しばらく待っていると受付の責任者的な男が現れて森の護り手のメンバーと俺達にギルド長の部屋に来るようにと伝えられた。
森の護り手のメンバーを先頭に部屋に入るとギルド長は少し困った顔で。
「ふぅ、まさか今回の依頼にお前達が絡んでいるとはな?」
「もう少し調べておくべきだったか?」
「???」
上位ランクの森の護り手をギルド長が知っているのは理解できる。
が、『まさか』今回の依頼だと?
まるで石化獣の事を知っていたかの言いようではないか。
ギルド長は1通の書簡を引き出しから取り出すとお前達宛だと言って机の上に置いた。
書簡にはこう書いてある、今回、王国の脅威となるべく魔獣を討伐した功により一同を王城に招待する故、以下の者は必ず出席する様に。
森の護り手のメンバー。
村人 ザイン。
ー宰相 リズモンドー
リズモンド⁉︎ そう言うことか、俺は粗方の事を理解した。
リズモンドの父親の作った情報機関、通称『暗部』。
暗部には国の内外を問わずあらゆる情報が集められる、大方どこかで石化獣の情報を得た暗部が冒険者が逃げ帰ることを前提に依頼を発注して。
逃げ帰った冒険者が騒いだのちに騎士団や国軍で討伐するシナリオを書いたのだろうが、俺達が倒してしまった。
その経緯を暗部のエージェントから聞かされたリズモンドは俺達がギルドに報告に来ることを知って書簡を送った。
俺の想像だと、そんなところだろう。
しかし、気がかりがある、書簡に実際に石化獣を倒したベテラン冒険者の名前ではなく俺の名前があったことだ。
まぁ、ここで考えていても始まらない、あとは王城に行ってリズモンドに聞くしかないだろう。
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