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「おはよう……玲音君……」

 そういつもの笑顔で僕に話しかけてくれる京平さん。

「おはようございます!」

 そう言って僕は慌てて京平さんに向かい頭を下げる。

「とりあえず、今日の仕事は……前回の続きだよ。 今日も大丈夫そう?」
「は、はい……!」

 そう僕は笑顔で元気よく答える。

「それなら、良かったかな? それに今日この現場に来てくれた訳だしね」

 そう最後の方は独り言のように小さな声で言う京平さん。 その言葉に僕は首を傾げる。

「え? あ、たまにね……前回の事が嫌だったのか、一回だけで辞めちゃう子もいるからさ……だから、君は今日この現場に来てくれたし大丈夫なんだろうなって思ってね」
「そういう事だったんですか!? はい! 僕の方は大丈夫ですよ……! 寧ろ……」

 僕はそこまで言うと自分が言ってしまってる事に我に帰る。

「あ、いや……な、なんでもないですっ! 何でもないですからっ!」

 本当に僕は慌てたように手を振り京平さんの事を見上げる。

 その僕の行動に京平さんは首を傾げていた。

 そりゃ、誰しもそんな行動をされたら不思議に思うだろう。

 僕だって京平さんと恋人同士になる前は京平さんとはこんな感じだったんだから。

 いつも敬語だったし、積極的ではなかったし……まぁ、自分に自信はなかったからかな?

 でも、この仕事をしているうちに自分の存在が必要なんだって思う人達に沢山巡り会えて、段々と自分に自信を持つことが出来たのかもしれない。

 ホント、僕はこの仕事にして良かったと改めて思う。

 またスタッフさんが準備している間に僕と京平さんはお風呂場へと向かうのだ。

「どう? 昨日は玲音君のココ疼いたりした?」
「……え? あ……昨日はバイトしてたんで……まぁ、そんな事考える余裕もなかったでしたから……」
「……バイト!? まだ、バイトしてるの?」
「え? だって、まだ、この仕事始めたばっかりですし、バイトしないと生活費とか無いですからね」
「あ、そっか……」

 と京平さんは納得してる様子だ。 
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