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 俺は今回、社長に言われた通りに事務所へと向かう。

 事務所に来たのは最初に来た以来だ。

 事務所はそう都心のオフィスビルの中にあった。

 そのオフィスビルのエレベーターを上がって俺は最初と同じように事務所へと入って行く。

 前にも来た事はあったのだが本当にその事務所は狭い。

 前の記憶が正しければ机がいくつかあって奥に応接室がある位で他には何もないオフィスだったはずだ。 ここの狭いオフィスで今日は一体何をするんであろうか。

 確かに奥にも部屋があるみたいなのだけど、まだそこには行ったことがない。

 そして事務所の中に俺は入ると社長が机に座ってる姿が目に入った来るのだ。

「おう! 諒馬君!」
「おはようございます!」

 そう俺に声を掛けてくる社長。

 ここの社長は普通の会社とは違うのか気さくな感じがいいところでもある。

「今日はこんな朝早くにゴメンね」

 って、社長に謝られても……って思うけど、またそこがいい所なのかもしれない。

「いえいえ……」

 とは言っても本当に早すぎる。 今の時刻は五時半だ。

 いくらなんでも早すぎると言えば早すぎるのだが、一体、今日は何でこんなにも早い時間に集まったのであろうか。

 そこは後で分かるだろう。

「あ! そうそう! もう、応接室に玲音君とか来てるから」
「あ、はい……」

 そう返して俺は奥にある応接室に向かい応接室のドアを開けると社長の言った通り既に玲音や京平の姿があった。

 応接室は狭い。

 ソファだって二つしかない位だ。 そこに大人三人はキツイだろうと思っていたら京平は玲音のことを抱っこしてソファに座っていた。

 そうだ俺がココに来ることが分かっていたから恋人同士である二人はそういう風に座っていたのであろう。

 それなら俺は逆に一人でソファに座ることが出来るのだから。

 俺がソファに座ると相変わらず玲音は人懐っこい性格で、

「おはよー! 諒馬君!」

 そうとびきりの笑顔で俺に挨拶してくる玲音。 本当に朝から元気がいい。

 だから俺の方も玲音向かい笑顔で、

「おはよう!」

 と声を掛ける。

 それにクスリとする京平。

 京平も俺達が挨拶を交わすと京平も俺には向かい挨拶をしてくる。

「諒馬君、おはよう」
「京平さん……おはようございます」

 何故だか俺は京平にだけは敬語というのか俺は京平に対してはそんな風に答えてしまう。 世の中の男子というのか男性というのか男とはそういうもんだ。 なんていうのか自分より強そうだと思うとその男性にはヘコヘコしてしまうもんだという事だ。

「で、今日はだね……」

 そう京平は今日の予定を知ってるのか俺に説明してくる。

「今日はエレベーターを使うんだって」
「……エレベーター!?」

 ……それは一体どういうことなんであろうか? それだけではまだ今日の予定が分からない。 と言った風に俺は京平に聞く。

「エレベーター内でするってことなんだけど……」
「あ! そういうことなんですね」

 やっと今日の予定を納得出来た俺。 
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