BLR18【2】ノンケだった俺が男と初体験!ー結婚編ー

綺羅 メキ

文字の大きさ
上 下
881 / 929

ー閃光ー173

しおりを挟む
 和也が来てくれたことに、何だか安心できた俺。

 今にも鼻歌を無意識のうちに口ずさみそうだ。それくらい、今の俺はご機嫌なのだから。

 「ん?何で?!」と、自分に自問自答してしまう。

 だが、どうしてこんなにも機嫌がいいのか。その理由を考えてみると、やはりすぐそばに和也がいてくれるからなのだろう。

 そう考えた瞬間、体からふっと力が抜けた気がした。

 和也って、何も考えていないように見えるけど、実は今まで俺のために色々と尽くしてくれていたんだと、今更ながらに気づく。

 きっと、そんな和也がここにいるだけで安心できて、俺までご機嫌な気分になれたのだろう。

 和也って、俺に対して押したり引いたりが上手い人でもある。

 なのに、俺はどうして今までそんな和也に気づかなかったのか。

 いや、和也と少し距離を置いた時間が、そういうことを教えてくれたのかもしれない。

 そんなことを考えながら、俺はまた自然と笑顔になっていた。

 さっき着替えに行った和也がロッカールームから出てくると、背後から近づいてきて、ソファの背もたれに両腕を預け、俺の顔を覗き込むなり、

「何だか、今日の望はご機嫌そうだなぁ」

 そう笑顔で言ってくる。

 俺は思わず、

「あ、いや……べ、別に……そんなことはねぇよ……」

 と、口ごもりながら返した。

 赤くなった顔を和也に見られたくなくて、顔を俯けてしまう。

 その直後だった。

 俺の顔をじっと見ていた美潮が、

「あー! って、何で、吉良先生……顔赤くしてるんですかー?!」

 と、大きな声で突っ込んできた。

 突然のことに、俺も和也も目が点になる。俺は思わず和也の方へ視線を送った。

 和也からしてみれば、美潮のことをまだよく分かっていないからだろう。「何、コイツ!?」と思っているに違いない。和也の表情を見る限り、そう読み取れてしまった。

「え? アイツってい、いつもあんな感じなのか?」
「え? あ、ああ……いつも、あんな感じ……」
「やっぱ、今時の子って感じなのかな?」
「……みたいだぜ」

 小さな声で和也とそんな会話を交わしながら、俺はため息をついた。

 すると、美潮がまた、遠慮のない口調でこう言ってきた。

「しかし、吉良先生と梅沢さん? って本当に仲良さそうですねぇ。え? え? もしかして、お付き合いされているとか?」

 何もオブラートに包まず、ストレートに聞いてくる美潮にため息をつきつつ、俺と和也はまた視線を合わせる。

 和也は俺の視線に気づくと、

「ってか、さっき話聞いてなかったのか? ってか、お前って、俺等のこと何も知らないわけー?」

 と、美潮に問いかける。

「だって、吉良先生は僕にはプライベートのことなんか話してくれませんもん。そりゃ、当然わかるわけがないじゃないですかー」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...