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ー閃光ー162
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もし雄介がいなかったら、もしかしたら今の自分はいなかったのかもしれない。
色々な意味で、自分はいなかったということだ。
存在の方もそうなのだけど、今の俺の性格にはなっていなかったかもしれないという意味でもある。
だから俺の人生の中で、本当に桜井雄介っていう存在は大きい。
もう雄介とは十年以上一緒にいるのだから。
最初の頃は、本当に俺は雄介のことが嫌いだった。
そう、俺が一番言われたくない言葉を、こうもあっさりと言ってたからだ。
だけど、俺が雄介のことを気になり始めたのは、仕事に対して本当に真面目で、人を助けたいという気持ちを聞いた時だった。俺の胸はざわついた。
あの時の雄介は消防士で、俺は医者。全く違う職業だったのだけど、それでも人を救う仕事をしている。その熱い心だけは一緒だった。本当にそこは共感できた部分だ。
それから俺の中で、雄介を見る目が変わった。
そして雄介から告白されて、その後、告白の答えを出すまで考える時間があったのだけど、きっと俺の心の中ではもう決まっていたのだろう。
だけど、初めて同性に告白されたのだから、戸惑わない人間なんていない。
そりゃもちろん、初めから同性に興味がある人だったら一発でオッケーを出していたのかもしれないけど、俺の場合は違う。
元々、女性が好きだったのだから、同性に告白されたら当然戸惑う。むしろ初めてのことで、どうしたらいいのか?っていうのも分からなかった。だから、俺は当時から親友だった和也に相談してしまった。だが和也もまた、俺のことが好きだとは思っていなかったのかもしれない。
確かにそう言われてみれば、和也も俺に対して親切だったかもしれない。
「ホント、俺って、鈍感だよな……」
思わず独り言を漏らしてしまった。
「……はっ! あー……」
その興奮気味な言葉を思わず口にしてしまい、慌てて手で自分の口を塞ぐ。
この静かすぎる部屋では、大きく響いてしまったのだから。
そこでふと思いついたのは、今一度、記憶の無い雄介に告白してみるのはどうだろうか?
そうすれば自分の中で整理がつくかもしれないと思ったからだ。
今は記憶のある雄介と記憶喪失の雄介とで区別しているのだから、ちゃんと告白すれば気持ちが整理できるかもしれない。
それで今一度、記憶の無い雄介を好きになるのもいいかもしれない。
だけど今の俺は、今の雄介のことを実はあまり好きではない。
そこは差別してはいけないとは思うのだけど。
色々な意味で、自分はいなかったということだ。
存在の方もそうなのだけど、今の俺の性格にはなっていなかったかもしれないという意味でもある。
だから俺の人生の中で、本当に桜井雄介っていう存在は大きい。
もう雄介とは十年以上一緒にいるのだから。
最初の頃は、本当に俺は雄介のことが嫌いだった。
そう、俺が一番言われたくない言葉を、こうもあっさりと言ってたからだ。
だけど、俺が雄介のことを気になり始めたのは、仕事に対して本当に真面目で、人を助けたいという気持ちを聞いた時だった。俺の胸はざわついた。
あの時の雄介は消防士で、俺は医者。全く違う職業だったのだけど、それでも人を救う仕事をしている。その熱い心だけは一緒だった。本当にそこは共感できた部分だ。
それから俺の中で、雄介を見る目が変わった。
そして雄介から告白されて、その後、告白の答えを出すまで考える時間があったのだけど、きっと俺の心の中ではもう決まっていたのだろう。
だけど、初めて同性に告白されたのだから、戸惑わない人間なんていない。
そりゃもちろん、初めから同性に興味がある人だったら一発でオッケーを出していたのかもしれないけど、俺の場合は違う。
元々、女性が好きだったのだから、同性に告白されたら当然戸惑う。むしろ初めてのことで、どうしたらいいのか?っていうのも分からなかった。だから、俺は当時から親友だった和也に相談してしまった。だが和也もまた、俺のことが好きだとは思っていなかったのかもしれない。
確かにそう言われてみれば、和也も俺に対して親切だったかもしれない。
「ホント、俺って、鈍感だよな……」
思わず独り言を漏らしてしまった。
「……はっ! あー……」
その興奮気味な言葉を思わず口にしてしまい、慌てて手で自分の口を塞ぐ。
この静かすぎる部屋では、大きく響いてしまったのだから。
そこでふと思いついたのは、今一度、記憶の無い雄介に告白してみるのはどうだろうか?
そうすれば自分の中で整理がつくかもしれないと思ったからだ。
今は記憶のある雄介と記憶喪失の雄介とで区別しているのだから、ちゃんと告白すれば気持ちが整理できるかもしれない。
それで今一度、記憶の無い雄介を好きになるのもいいかもしれない。
だけど今の俺は、今の雄介のことを実はあまり好きではない。
そこは差別してはいけないとは思うのだけど。
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