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ー閃光ー142
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俺もやっと和也の存在がわかってきたのかもしれない。
むしろ、以前雄介が仕事の都合で関西方面に行ってしまったとき、雄介と離れたことで彼のありがたみを実感したように、今回も和也としばらく離れていたことで、今やっと和也のありがたみに気付けたのかもしれない。
いや、むしろ少し前から気付いていたのかもしれない。そう、美潮とのことでもだ。
本当に美潮と和也では、全くもって違う。俺自身、美潮とは友達にすらなりたくないし、あいつの場合はただの仕事上のパートナーでしかないと思っているからだ。
それから、俺は家のことを和也たちに任せ、仕事場へと向かう。
駐車場に着くと、珍しく新城たちに出会った。
「おはようございます。吉良先生……」
「え? あ、おはよう……」
そう、ちょっとビックリしたように答える俺。
急に目の前に新城と実琴が現れたのも驚いたが、新城の場合、雄介並みに身長があるから、なんていうか、少し圧迫感があるのだろう。だから、多少ビックリしてしまうのかもしれない。
「おはようございます」
笑顔で俺に声をかけてきたのは実琴だ。
「ああ、おはよう」
新城のときは一瞬ドキリとしたけど、実琴のほうは少しばかり俺より小さいので、そこには安心できたのかもしれない。
だが次の瞬間、再び驚かされるとは思っていなかった。
「良かったですよ。吉良先生が元気になられたみたいで……」 「え? あ……」
その新城の言葉で、一瞬にして新城が何を言いたいのかがわかった気がした。
本当は昨日、新城たちに家に来てもらう予定だったが、和也たちがいてくれたおかげで、新城たちには帰ってもらったのだ。
「梅沢さんや本宮さんたちと話ができて、きっと今後のことにも安心できたんでしょうね」 「え? あ、まぁ……」
なぜか新城たちには未だに素直になれないのは気のせいだろうか。そう、以前と変わらず、顔を赤くしてしまうのだから。
きっと、俺が新城たちにまだ完全に心を開いていないからなのだろう。
だけど、新城たちもそこはさすが医者や看護師といったところだろうか、完全に俺の性格を見透かされているように感じてしまう。
「とりあえず、今日はもう俺のほうは大丈夫だから……」
そう言って、駐車場から病院へと足を向ける。
「フフ……分かりますよ……だって、昨日とは全く違う声質ですからね……」
「えー、あー……まぁ……」
本当に俺の性格は、誰にでも見透かされてしまっているように思える。だけど、そんな俺でも、周りのみんなはついてきてくれている。俺の性格なんて素直じゃなくて、わがままで、きっと最悪だと思うのに、それでもみんながついてきてくれるのは、どうしてなんだろうか。いや、こんな性格の俺でもついてきてくれるのが、本当の友人なのだろう。
むしろ、以前雄介が仕事の都合で関西方面に行ってしまったとき、雄介と離れたことで彼のありがたみを実感したように、今回も和也としばらく離れていたことで、今やっと和也のありがたみに気付けたのかもしれない。
いや、むしろ少し前から気付いていたのかもしれない。そう、美潮とのことでもだ。
本当に美潮と和也では、全くもって違う。俺自身、美潮とは友達にすらなりたくないし、あいつの場合はただの仕事上のパートナーでしかないと思っているからだ。
それから、俺は家のことを和也たちに任せ、仕事場へと向かう。
駐車場に着くと、珍しく新城たちに出会った。
「おはようございます。吉良先生……」
「え? あ、おはよう……」
そう、ちょっとビックリしたように答える俺。
急に目の前に新城と実琴が現れたのも驚いたが、新城の場合、雄介並みに身長があるから、なんていうか、少し圧迫感があるのだろう。だから、多少ビックリしてしまうのかもしれない。
「おはようございます」
笑顔で俺に声をかけてきたのは実琴だ。
「ああ、おはよう」
新城のときは一瞬ドキリとしたけど、実琴のほうは少しばかり俺より小さいので、そこには安心できたのかもしれない。
だが次の瞬間、再び驚かされるとは思っていなかった。
「良かったですよ。吉良先生が元気になられたみたいで……」 「え? あ……」
その新城の言葉で、一瞬にして新城が何を言いたいのかがわかった気がした。
本当は昨日、新城たちに家に来てもらう予定だったが、和也たちがいてくれたおかげで、新城たちには帰ってもらったのだ。
「梅沢さんや本宮さんたちと話ができて、きっと今後のことにも安心できたんでしょうね」 「え? あ、まぁ……」
なぜか新城たちには未だに素直になれないのは気のせいだろうか。そう、以前と変わらず、顔を赤くしてしまうのだから。
きっと、俺が新城たちにまだ完全に心を開いていないからなのだろう。
だけど、新城たちもそこはさすが医者や看護師といったところだろうか、完全に俺の性格を見透かされているように感じてしまう。
「とりあえず、今日はもう俺のほうは大丈夫だから……」
そう言って、駐車場から病院へと足を向ける。
「フフ……分かりますよ……だって、昨日とは全く違う声質ですからね……」
「えー、あー……まぁ……」
本当に俺の性格は、誰にでも見透かされてしまっているように思える。だけど、そんな俺でも、周りのみんなはついてきてくれている。俺の性格なんて素直じゃなくて、わがままで、きっと最悪だと思うのに、それでもみんながついてきてくれるのは、どうしてなんだろうか。いや、こんな性格の俺でもついてきてくれるのが、本当の友人なのだろう。
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