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ー閃光ー124
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未だに俺の中では、雄介が記憶喪失になってしまったことが大パニック状態なのだけど、今の自分に『冷静でいないでどうするんだ?』とずっと問いかけて、どうにか心を保っているようなものだから。もし何かの拍子に地雷でも踏んでしまったなら、きっと俺の心はガラスの破片のようにバラバラになってしまうだろう。というところまで来てしまっている。
俺が心の中でそう考え、ぼうっとしながら雄介の方へ視線を向けると、雄介は今までみんなの意見を聞いたからなのか、何もなかったかのようにテレビの方へ視線を向けていた。
たまに笑う仕草を見ると、やはり日常生活においては特に何も問題ないように思える。
そこは安心したいところだ。
あとは勉強関係だろうか。
雄介は今まで頭が良い方の部類に入っていた人間だ。消防士でもあったし、レスキュー隊にもなれていたし、今では小児科医にもなれたのだから、やはり頭の方は良いのだろう。
やはり人物の記憶が無いだけなんだろうか。
そういうことも聞きたいと思うのだが、俺の口はそう簡単には開かなかった。
俺っていうのは、なんだかそういう難しいことやシリアスなことが本当に苦手だ。だから今までそういうことには触れてこなかったのだけど、この雄介の記憶喪失に関しては触れないといけないのだろうか。
雄介は昔、俺が記憶喪失になった時に、記憶のない俺から逃げてしまったことがある。後に雄介はそこを反省しているけど、俺の方だって、この状況は本当に逃げ出したくなる。というか現実逃避したくなるのが本音だ。
あんなに俺想いで、優しくて明るかった雄介が、今は本当に別人になってしまったかのように思えるのだから。それに俺たちは、もっと簡単には離れられない理由もある。
そう、結婚しているのだから。そう簡単には離れることはできない。
将来を誓い合った仲。
それが結婚という結果に繋がっているのだから。
俺は自分の左手の薬指を見つめる。
そして自然と視界に入ってきた、雄介の左手の薬指にある指輪。
そうだ。
俺は本当に雄介のことが好きだから、結婚をした。
ずっと一緒にいたいと思ったから、俺は雄介と結婚をしたのだから。
その指輪を見つめ、俺は今一度決意する。
記憶のない雄介でも、そんな雄介から逃げ出さないと……。
そうこうしているうちにどうやら時間が経ってしまったらしく、気づいた時には和也が目の前にいた。
「大丈夫か? 望……?」
本当に俺のことが心配なのか、心配そうな表情で俺を見つめてくる。
「ああ、大丈夫だよ……」
と、相変わらず素っ気ない態度をとってしまう俺。
そこはきっと俺らしいのだろう。
「ま、なら、いいけどな……」
俺が心の中でそう考え、ぼうっとしながら雄介の方へ視線を向けると、雄介は今までみんなの意見を聞いたからなのか、何もなかったかのようにテレビの方へ視線を向けていた。
たまに笑う仕草を見ると、やはり日常生活においては特に何も問題ないように思える。
そこは安心したいところだ。
あとは勉強関係だろうか。
雄介は今まで頭が良い方の部類に入っていた人間だ。消防士でもあったし、レスキュー隊にもなれていたし、今では小児科医にもなれたのだから、やはり頭の方は良いのだろう。
やはり人物の記憶が無いだけなんだろうか。
そういうことも聞きたいと思うのだが、俺の口はそう簡単には開かなかった。
俺っていうのは、なんだかそういう難しいことやシリアスなことが本当に苦手だ。だから今までそういうことには触れてこなかったのだけど、この雄介の記憶喪失に関しては触れないといけないのだろうか。
雄介は昔、俺が記憶喪失になった時に、記憶のない俺から逃げてしまったことがある。後に雄介はそこを反省しているけど、俺の方だって、この状況は本当に逃げ出したくなる。というか現実逃避したくなるのが本音だ。
あんなに俺想いで、優しくて明るかった雄介が、今は本当に別人になってしまったかのように思えるのだから。それに俺たちは、もっと簡単には離れられない理由もある。
そう、結婚しているのだから。そう簡単には離れることはできない。
将来を誓い合った仲。
それが結婚という結果に繋がっているのだから。
俺は自分の左手の薬指を見つめる。
そして自然と視界に入ってきた、雄介の左手の薬指にある指輪。
そうだ。
俺は本当に雄介のことが好きだから、結婚をした。
ずっと一緒にいたいと思ったから、俺は雄介と結婚をしたのだから。
その指輪を見つめ、俺は今一度決意する。
記憶のない雄介でも、そんな雄介から逃げ出さないと……。
そうこうしているうちにどうやら時間が経ってしまったらしく、気づいた時には和也が目の前にいた。
「大丈夫か? 望……?」
本当に俺のことが心配なのか、心配そうな表情で俺を見つめてくる。
「ああ、大丈夫だよ……」
と、相変わらず素っ気ない態度をとってしまう俺。
そこはきっと俺らしいのだろう。
「ま、なら、いいけどな……」
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