BLR18【2】ノンケだった俺が男と初体験!ー結婚編ー

綺羅 メキ

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ー閃光ー72

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「しかし珍しいですよねぇ? 吉良先生が自ら私たちの席に来るなんて……」 
「だって、お前が呼んだようなもんだろ?」 
「え? 私が吉良先生を呼びましたか? 私にはそんな記憶、ありませんけどね」

 その新城の言葉に、俺は席を立とうとしたが、新城の腕によって止められてしまった。

「吉良先生って、そういう人ですよねぇ」

 と、くすっと笑いながら新城が言う。本当に新城の方が余裕があるという感じだ。

「とりあえず、私たちに話してみませんか? 今日の吉良先生は、いつもより元気が無さそうですし……」

 そう言いながら、新城は実琴の方に視線を向け、何かを訴えているようだった。実琴もその意味が分かったのか、首を縦に振った。

 俺は仕方なく、今日は新城たちがいる席に留まり、食事をしながら話を始めた。

「新城先生たちは、知ってるかもしれねぇけど、雄介が記憶喪失になっちまったんだよ……」

 新城は一瞬驚いた様子を見せたが、すぐにいつもの表情に戻ると、

「やっぱり、そうだったんですね。流石に驚きましたが、桜井先生が記憶喪失になってしまったんですね。前に診察に来たときは大丈夫でしたが、やはり時が経つと脳に障害が出てしまったんですね」

 新城は真剣に俺の話を聞いてくれているように思えた。同じ医者として、興味があるのかもしれない。

「それに、吉良先生も桜井先生も、私にとっては職場の仲間ですから、容態は気になりますよ。桜井先生が記憶を失った今、結婚したパートナーである吉良先生の心情もボロボロでしょう。だから、私たちがサポートします。いや、吉良先生が心を開いてくれるとは限りませんが、実琴と一緒にサポートしていきたいと思っていますよ」

 そう笑顔で言う新城に、俺はほっとした。

 今の俺がこんな状態だから、新城は本当にサポートしてくれるんだろう。

 和也たちと一緒にいることが多かったから、新城とはあまり関わりがなかった気がするが、意外とフレンドリーだったのかもしれない。確かに和也にはああいう態度を取っていたが、それは俺の父親と一緒に計画してやっていたことだったからだ。
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