777 / 929
ー閃光ー69
しおりを挟む
とりあえず明日からは記憶のない雄介と生活することになる。確かにこれからどうなるのかは分からない。いや、これから来る未来のことが分かってしまっていたらつまらないだろうから、分からないままでいいだろう。
俺の方はとりあえずソファで横になるしかなかった。
今まで雄介という人の温もりが常にあったのだけど、今はそれがない。何となく寂しい気もするのだけど、雄介だって昔はそうだったのだから、俺の方も我慢していくしかないだろう。
だけど雄介が俺が記憶喪失になった時に言っていたことがある。
『記憶のない望から逃げ出してしまっていたことがあって、それを、今でも後悔している』
と……。
雄介が記憶を失くしてしまってから一日目が終わろうとしている。
まだ一日目だから、そんなに雄介のことが嫌だとは思わないものの、もしかしたらそのうち、昔俺が記憶を失くした時のように、俺が雄介のことを嫌になってしまうのかもしれない。
だけど俺の方は、雄介がそんなになったとしても逃げることなんてできないだろう。だって俺たちはもうすでに結婚しているのだから。それに俺の場合には本当に逃げる場所すらもない。
しかし、俺が仕事に行っている間、雄介をこのまま家にいさせても大丈夫なんだろうか。そこは疑問に思うところだ。
だけど俺には仕事があるのだから、仕方がないところだろう。
こうサラリーマンみたく簡単に有給でも使って休めるのならいいのだけど、俺たちの仕事というのは流石にそういうわけにはいかないのだから。
色々と考えているうちに、和也たちにも雄介のことを話しただけあって、自然と眠気が襲ってきたようだ。そのまま俺はソファで寝てしまっていた。
翌朝、いつもだったら朝食のいい匂いで起きるのだけど、今日は本当に何もない。
やはり雄介は記憶喪失のままだということなのであろう。
アラームで起きた俺は、半身を起こしてソファに座る。
やはりソファで寝たからなのだろうか、全身は痛いし、顔にはそのソファの生地の跡が付いてしまっているようにも思える。
そして俺は気合いを入れるために、軽く両頬を叩くと立ち上がる。
俺が起きたらまずやることは、お風呂に入ること。
どうもお風呂に入らないと一日が始まった感じがしない。
医者という仕事をしている上で、清潔感というのは一番なのだから、毎日朝のお風呂というのは俺からしてみたら、もう完全なルーティンだ。
お風呂に入ってさっぱりしてくると、やはりリビングに違和感がある。
そう、いつもいる雄介の姿がないからだ。
俺の方はとりあえずソファで横になるしかなかった。
今まで雄介という人の温もりが常にあったのだけど、今はそれがない。何となく寂しい気もするのだけど、雄介だって昔はそうだったのだから、俺の方も我慢していくしかないだろう。
だけど雄介が俺が記憶喪失になった時に言っていたことがある。
『記憶のない望から逃げ出してしまっていたことがあって、それを、今でも後悔している』
と……。
雄介が記憶を失くしてしまってから一日目が終わろうとしている。
まだ一日目だから、そんなに雄介のことが嫌だとは思わないものの、もしかしたらそのうち、昔俺が記憶を失くした時のように、俺が雄介のことを嫌になってしまうのかもしれない。
だけど俺の方は、雄介がそんなになったとしても逃げることなんてできないだろう。だって俺たちはもうすでに結婚しているのだから。それに俺の場合には本当に逃げる場所すらもない。
しかし、俺が仕事に行っている間、雄介をこのまま家にいさせても大丈夫なんだろうか。そこは疑問に思うところだ。
だけど俺には仕事があるのだから、仕方がないところだろう。
こうサラリーマンみたく簡単に有給でも使って休めるのならいいのだけど、俺たちの仕事というのは流石にそういうわけにはいかないのだから。
色々と考えているうちに、和也たちにも雄介のことを話しただけあって、自然と眠気が襲ってきたようだ。そのまま俺はソファで寝てしまっていた。
翌朝、いつもだったら朝食のいい匂いで起きるのだけど、今日は本当に何もない。
やはり雄介は記憶喪失のままだということなのであろう。
アラームで起きた俺は、半身を起こしてソファに座る。
やはりソファで寝たからなのだろうか、全身は痛いし、顔にはそのソファの生地の跡が付いてしまっているようにも思える。
そして俺は気合いを入れるために、軽く両頬を叩くと立ち上がる。
俺が起きたらまずやることは、お風呂に入ること。
どうもお風呂に入らないと一日が始まった感じがしない。
医者という仕事をしている上で、清潔感というのは一番なのだから、毎日朝のお風呂というのは俺からしてみたら、もう完全なルーティンだ。
お風呂に入ってさっぱりしてくると、やはりリビングに違和感がある。
そう、いつもいる雄介の姿がないからだ。
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説

青少年病棟
暖
BL
性に関する診察・治療を行う病院。
小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。
※性的描写あり。
※患者・医師ともに全員男性です。
※主人公の患者は中学一年生設定。
※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる