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ー閃光ー43
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今日は雄介がいない中で、俺は美里に対して、雄介のことについてぶっちゃけた話をしていたのかもしれない。だって、本当に美里と二人きりになれたのは初めてだったからだ。
「あ、それと……あのですね……確かに、病院では僕は『先生』かもしれませんが、美里さんとは義理の兄弟になるわけですから、そろそろ名前で呼んでもらってもいいんじゃないでしょうか?」
俺にとっては、少し勇気がいる言葉だったので、気持ち的に少し遠慮がちに提案してみた。
「あー! そうだったわねぇ!」
それでやっと美里は気づいてくれたようで、軽く手を叩いて納得してくれたようだった。
「ホント、ごめんなさいねぇ。全然意識してなかったわぁ。だって、私から見たら、吉良先生は先生なんですもの。昔、お世話になりましたしね。確かに、義理の兄弟になっているんだから、先生って呼ぶのはおかしいですものねぇ」
やっと気づいてくれたことに、俺はホッとした。それに、美里の押しに負けて、それをなかなか言い出せなかった自分もいたのだから。
「じゃあ、望さんでいいかしら?」
「全然、それでいいですよ……」
その話を終えて、美里に笑顔を向けた。
二人きりでそんな話をしていると、美里が呼ばれ、診察室の方へと入っていった。
俺は待合室のソファで美里が診察室から出てくるのを待っていた。
とりあえず、ソファで待つことしかできないのだから。
しばらくして美里が診察室から出てくると、
「お待たせしました。では、望さんには雄ちゃんのことをよろしくね」
「分かりました!」
そう言って俺は美里に向けて頭を下げたが、今日もきっと雄介がここまで美里を車に乗せて来たのだと思い出し、
「えーと……美里さん? 今日って、ここまで車で来ました?」
申し訳なさそうに聞いてみた。
「あ! そうそう! 確かに、雄ちゃんが車を運転してここに来たんだけど……」
「あー、じゃあ、どうします? 雄介を連れてきましょうか? 多分、もうかなり休んでいるので、頭痛も大分治ったかと思いますし」
「あ! そうですねぇ。でも、もし雄ちゃんがダメそうだったら、今日はタクシーで帰りますので、大丈夫ですよ」
「はい、分かりました。では、とりあえず、僕は雄介のところに一度向かって、雄介に美里さんのところに向かうように言っておきますね」
「そうしてもらえると嬉しいわぁ」
そう言って俺は美里と会話を終え、一旦、自分の部屋へと向かった。
「あ、それと……あのですね……確かに、病院では僕は『先生』かもしれませんが、美里さんとは義理の兄弟になるわけですから、そろそろ名前で呼んでもらってもいいんじゃないでしょうか?」
俺にとっては、少し勇気がいる言葉だったので、気持ち的に少し遠慮がちに提案してみた。
「あー! そうだったわねぇ!」
それでやっと美里は気づいてくれたようで、軽く手を叩いて納得してくれたようだった。
「ホント、ごめんなさいねぇ。全然意識してなかったわぁ。だって、私から見たら、吉良先生は先生なんですもの。昔、お世話になりましたしね。確かに、義理の兄弟になっているんだから、先生って呼ぶのはおかしいですものねぇ」
やっと気づいてくれたことに、俺はホッとした。それに、美里の押しに負けて、それをなかなか言い出せなかった自分もいたのだから。
「じゃあ、望さんでいいかしら?」
「全然、それでいいですよ……」
その話を終えて、美里に笑顔を向けた。
二人きりでそんな話をしていると、美里が呼ばれ、診察室の方へと入っていった。
俺は待合室のソファで美里が診察室から出てくるのを待っていた。
とりあえず、ソファで待つことしかできないのだから。
しばらくして美里が診察室から出てくると、
「お待たせしました。では、望さんには雄ちゃんのことをよろしくね」
「分かりました!」
そう言って俺は美里に向けて頭を下げたが、今日もきっと雄介がここまで美里を車に乗せて来たのだと思い出し、
「えーと……美里さん? 今日って、ここまで車で来ました?」
申し訳なさそうに聞いてみた。
「あ! そうそう! 確かに、雄ちゃんが車を運転してここに来たんだけど……」
「あー、じゃあ、どうします? 雄介を連れてきましょうか? 多分、もうかなり休んでいるので、頭痛も大分治ったかと思いますし」
「あ! そうですねぇ。でも、もし雄ちゃんがダメそうだったら、今日はタクシーで帰りますので、大丈夫ですよ」
「はい、分かりました。では、とりあえず、僕は雄介のところに一度向かって、雄介に美里さんのところに向かうように言っておきますね」
「そうしてもらえると嬉しいわぁ」
そう言って俺は美里と会話を終え、一旦、自分の部屋へと向かった。
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