742 / 929
ー閃光ー34
しおりを挟む
「……え!? はぁ!?」
「何で!?」と俺は続けようとしたが、思わず美潮の登場に顔を赤くしながら彼を見上げてしまった。
「え? だって、男同士なんですし、別に一緒に着替えたっていいんじゃないんですか? そうしたら、部屋を出る時間も短縮できますし。それに、同性同士なんですよー。そこ、気になるところなんですか?」
「え? あ、まぁ……確かに、同性同士なんだから、別に一緒に着替えたっていいとは思うけど……あ、なんていうのか……」
俺はまだ美潮という人間をあまり知らないのと、自分の性格が邪魔しているからなのか、完全に美潮から視線を外して答えた。
すると急に今まで明るかったところが薄暗くなり、ロッカーを叩く音が響いた。
その音にビクッとしてしまう俺。
きっと美潮が何でかロッカーを叩いた音だったのだろう。
「……え?」
「……何か?!」と心の中で驚いている俺。
そして美潮はさらに俺に近づいてきて、
「え? ちょ……ま、待て……」
と俺は美潮に向かい手を出して、静止を求めた。
「ちょ、美潮……待ってくれ……」
「分かってますよ……。だって、吉良先生には旦那さんがいることくらい知ってますよ。それに、俺にも彼氏がいますし……」
「……え?」
その美潮の言葉に、俺は裏声を上げた。
だが今の美潮の言葉と行動に、自分が美潮に襲われてしまうのではないかと勘違いしただけかもしれない。
美潮の言葉に安心すると、自分を落ち着かせて、
「まぁ、まぁ……そうですよね……確かに、俺の方が意識し過ぎてしまっていたのかもしれません……。男性同士だったら、一緒に着替えても問題ないですものね……」
まだ少し焦りながらも美潮にそう返した。
「そうですよ……。え? ってことは、吉良先生はネコなんですか?」
その美潮からの質問に俺は目を見開いてしまった。
確かに雄介や和也のおかげで、そういう話には多少は慣れた方だとは思うが、全くの他人にそういう話題を振られると、まだ慣れていないのかもしれない。
「ま、そういう反応をするってことは、そういうことなんですね。そう言われてみれば、吉良先生……可愛いですからねぇ」
その美潮の言葉にさらに顔を赤くする俺。
まさか美潮も、そういう人物だとは知らなかったのだろう。しかもタチのようなのだから。
「もし、吉良先生が結婚してなければ、僕も吉良先生のことを好きになっていたかもしれませんね……」
そう言うと、美潮は静かに自分のロッカーを閉めたのだった。
「何で!?」と俺は続けようとしたが、思わず美潮の登場に顔を赤くしながら彼を見上げてしまった。
「え? だって、男同士なんですし、別に一緒に着替えたっていいんじゃないんですか? そうしたら、部屋を出る時間も短縮できますし。それに、同性同士なんですよー。そこ、気になるところなんですか?」
「え? あ、まぁ……確かに、同性同士なんだから、別に一緒に着替えたっていいとは思うけど……あ、なんていうのか……」
俺はまだ美潮という人間をあまり知らないのと、自分の性格が邪魔しているからなのか、完全に美潮から視線を外して答えた。
すると急に今まで明るかったところが薄暗くなり、ロッカーを叩く音が響いた。
その音にビクッとしてしまう俺。
きっと美潮が何でかロッカーを叩いた音だったのだろう。
「……え?」
「……何か?!」と心の中で驚いている俺。
そして美潮はさらに俺に近づいてきて、
「え? ちょ……ま、待て……」
と俺は美潮に向かい手を出して、静止を求めた。
「ちょ、美潮……待ってくれ……」
「分かってますよ……。だって、吉良先生には旦那さんがいることくらい知ってますよ。それに、俺にも彼氏がいますし……」
「……え?」
その美潮の言葉に、俺は裏声を上げた。
だが今の美潮の言葉と行動に、自分が美潮に襲われてしまうのではないかと勘違いしただけかもしれない。
美潮の言葉に安心すると、自分を落ち着かせて、
「まぁ、まぁ……そうですよね……確かに、俺の方が意識し過ぎてしまっていたのかもしれません……。男性同士だったら、一緒に着替えても問題ないですものね……」
まだ少し焦りながらも美潮にそう返した。
「そうですよ……。え? ってことは、吉良先生はネコなんですか?」
その美潮からの質問に俺は目を見開いてしまった。
確かに雄介や和也のおかげで、そういう話には多少は慣れた方だとは思うが、全くの他人にそういう話題を振られると、まだ慣れていないのかもしれない。
「ま、そういう反応をするってことは、そういうことなんですね。そう言われてみれば、吉良先生……可愛いですからねぇ」
その美潮の言葉にさらに顔を赤くする俺。
まさか美潮も、そういう人物だとは知らなかったのだろう。しかもタチのようなのだから。
「もし、吉良先生が結婚してなければ、僕も吉良先生のことを好きになっていたかもしれませんね……」
そう言うと、美潮は静かに自分のロッカーを閉めたのだった。
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる