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ー閃光ー26

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 今日はパソコンでの仕事があったからなのか、いつもより少し遅めの帰宅になってしまっていたのかもしれない。気づくと夜の九時を回っていたのだから。

 病院から帰宅する時に、俺の方は雄介にメールを一本入れて帰る。

 いくらメール嫌いでも、自分からあまりメールをしない俺でも、雄介と結婚してからは、帰宅時にはメールをするようになっていた。

 昔住んでいた家とは今の家が逆方向で、途中で反対方向へと道を曲がると、何故か今日は渋滞が起きていた。

 そう、今日はただでさえ終わる時間が遅かったのに、渋滞に巻き込まれた俺は、そこでイライラし始めるのだ。

 完全な渋滞で、なかなか進まない車。

 今までハンドルを握っていたのだが、それを離し、背もたれに寄り掛かる。

 反対側の道はスムーズに流れているのに、何故今日に限ってこちら側の道はこんなにも渋滞しているのだろうか。

 しばらく動かなそうな車を見て、スマホに視線を向ける。

 すると、雄介からメールが来ていた。

『どないしたん? いつもより遅くないか?』

 というメッセージが来ていた。

 それに俺は返信する。

『いつもの道で渋滞して、前に進まない』

 俺はそんなに長文では送らない。

 短文で済ませようとするのが俺だ。

 すると直ぐに返事が来て、

『あ、そういうことかいな……ほな、待ってるなぁ』

 「あ、そう言えば!」前にもこんなメールを雄介と交わしたことがあるような気がする。

 前回は検問だったような気がするのだが。

 普段混まない道が混んでいると、大体が検問か事故渋滞だからだろう。

 確かに、いつもとは違う遅い時間帯なのだから、検問の可能性もある。もちろん、事故渋滞も考えられるので、今は待つしかないだろう。

 しかし今は美潮のせいで精神的に疲れているから、早く雄介に会って癒されたいという気持ちがあるのに、そういう時に限って渋滞しているのは本当に腹立たしい。

 だが前回も、そんなふうに渋滞で憂鬱になっていたら、雄介が迎えに来てくれたことがあったような気がする。

 そう、コンコンと窓を叩く音がして、現実でも窓を叩く音が聞こえてきた。

 少し車の中でリラックスしてうっすらと瞳を閉じていた俺だったが、その音で瞳を開けると、そこには思っていた人物が笑顔で立っていた。

「ようっ! お疲れさんっ!」

 そう、いつもの笑顔でそこに立っていたのは雄介だった。

 そんな雄介に車のドアを開けると、車の中に呼び入れ、

「来てくれたんだな」
「ああ、まぁ……渋滞で遅くなってるってメールに書いてあったしな」
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