727 / 929
ー閃光ー18
しおりを挟む
「……へ? でもな……」
そう言う雄介に、俺は一瞬ため息をついたが、そこは雄介らしいと思いながら、今日の俺はなんだか雄介に説教じみたことを言い始める。
「だからさ、思いっきり、俺の前でなら自分を出してもいいって言ってんだろ? 雄介が謙虚な性格なのは分かってる。でも、ホント、他人のことについては色々と分かってるくせに、自分のことになると、ホントっ! 分かってないっていうのかなぁ? ま、確かに、そこが雄介のいいところではあるんだけどさ。とにかく、俺は雄介が毎日のように料理を作ってくれていることに感謝してるんだよ。分かったな……!」
なんだか今日の俺は、お酒も飲んでないのに、ここまで自分を雄介の前で出したのは初めてなのかもしれない。
むしろ、俺も人のことを言えないんだろうが、今はとりあえず雄介に言いたいことを言うときだから、それについて続ける。
「あー、そうだな……じゃあ、雄介風に言ったら分かるのか? 雄介って、小さい頃、きっと父親やお姉さんに、『男の子なんだからもっとしっかりしなさい』とか言われてたんじゃねぇのか? それが色々とプレッシャーみたいになって、いろいろ言われたからこそ、自分が大人しく『はいはい』って言ってればどうにかなると思ってたんだろうな。だから大人になった雄介は、こんなふうに謙虚になってしまったんじゃねぇのか?」
そう言うと、雄介は目を丸くしながら俺を見つめていた。
むしろ、俺の推測が当たっていたということなのだろう。だから、そんな表情を今雄介はしている。
「なら、俺の前ではもうそんなことをする必要なんてないだろ? ありのままの雄介でいればいいんだからさ……」
そこで笑顔で言う俺。すると雄介も笑顔になって、
「そうやな。確かに、望とは結婚したんやから、謙虚でいる必要はないんかもな……。望……ありがとうな。なんていうんかな? 今まで、親父や姉貴たちが強かったもんやから、うまく自分を表に出すことはできへんかったけど、確かに望の言う通り、これからは望の前では素を出していったらええんやもんなぁ。ほんま、そこは、心の底から望と結婚して良かったわぁ……って思うところやわぁ。望が素の俺を引き出してくれそうやしな」
「あ、ああ……そうだな。とりあえず、もう少し遠慮とかしなくていいんじゃねぇのか?」
「ま、そやな……」
今日はなんだか、雄介のことを説教してみて良かったように思える。俺たちの仲がまた深くなったと感じるからだ。
そう言う雄介に、俺は一瞬ため息をついたが、そこは雄介らしいと思いながら、今日の俺はなんだか雄介に説教じみたことを言い始める。
「だからさ、思いっきり、俺の前でなら自分を出してもいいって言ってんだろ? 雄介が謙虚な性格なのは分かってる。でも、ホント、他人のことについては色々と分かってるくせに、自分のことになると、ホントっ! 分かってないっていうのかなぁ? ま、確かに、そこが雄介のいいところではあるんだけどさ。とにかく、俺は雄介が毎日のように料理を作ってくれていることに感謝してるんだよ。分かったな……!」
なんだか今日の俺は、お酒も飲んでないのに、ここまで自分を雄介の前で出したのは初めてなのかもしれない。
むしろ、俺も人のことを言えないんだろうが、今はとりあえず雄介に言いたいことを言うときだから、それについて続ける。
「あー、そうだな……じゃあ、雄介風に言ったら分かるのか? 雄介って、小さい頃、きっと父親やお姉さんに、『男の子なんだからもっとしっかりしなさい』とか言われてたんじゃねぇのか? それが色々とプレッシャーみたいになって、いろいろ言われたからこそ、自分が大人しく『はいはい』って言ってればどうにかなると思ってたんだろうな。だから大人になった雄介は、こんなふうに謙虚になってしまったんじゃねぇのか?」
そう言うと、雄介は目を丸くしながら俺を見つめていた。
むしろ、俺の推測が当たっていたということなのだろう。だから、そんな表情を今雄介はしている。
「なら、俺の前ではもうそんなことをする必要なんてないだろ? ありのままの雄介でいればいいんだからさ……」
そこで笑顔で言う俺。すると雄介も笑顔になって、
「そうやな。確かに、望とは結婚したんやから、謙虚でいる必要はないんかもな……。望……ありがとうな。なんていうんかな? 今まで、親父や姉貴たちが強かったもんやから、うまく自分を表に出すことはできへんかったけど、確かに望の言う通り、これからは望の前では素を出していったらええんやもんなぁ。ほんま、そこは、心の底から望と結婚して良かったわぁ……って思うところやわぁ。望が素の俺を引き出してくれそうやしな」
「あ、ああ……そうだな。とりあえず、もう少し遠慮とかしなくていいんじゃねぇのか?」
「ま、そやな……」
今日はなんだか、雄介のことを説教してみて良かったように思える。俺たちの仲がまた深くなったと感じるからだ。
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる