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ー未知ー183

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 それから俺たちは、食事をして少し休憩した後、家へと向かった。

 家に帰ると、雄介はすぐに美里が来る準備を始めた。昨日買ったお茶菓子を用意し、お湯を沸かしながら、俺たちはソファで緊張しながら待っていた。

 こういう時、時計の秒針がやたらとうるさく感じるものだ。

 確かに美里とは一時に約束していたが、人によってはその時間より早く来る人もいれば、ちょうどに来る人もいる。もちろん、遅刻する人もいるのだから、美里がいつ来るかは分からない。

 そこで俺は雄介に尋ねることにした。

「なあ、雄介……美里さんって約束の時間にちゃんと来る人なのか?」
「あ、あー、まあ……親父がそういうところきちんとしてる人だったからな。だから俺とか姉貴も時間にはきちんとしてるかもしれん」

 と思い出すかのように言う雄介。

 俺は納得したものの、疑問が残ったのでさらに聞いてみた。

「あのさ、親父っていうことはさ……お前のお母さんの方は、時間にルーズだったのか?」
「あ、あー、まあ……若干な。時間にルーズってわけじゃないんやけど、わりとマイペースでな。約束の時間より早い時もあれば、ちょっと遅れる時もあるし、ちょうどいい時もある感じだったな。」
「あ、ああ……そういうことか。」

 雄介の話を聞いて納得する俺。つまり、雄介や美里や雄介の親父は時間にこだわっているが、雄介の母さんは割とマイペースなタイプだったということらしい。

「じゃあ、美里さんはぴったりに来るってことでいいんだな?」
「まあな……そういうことになるな。」

 そう話していると、家のチャイムが鳴った。

「あ……」

 と俺が呟くと、雄介は急に真剣な表情になり、玄関へ向かった。俺もその後を追って玄関に向かう。

 もう、この時間に来る人物は決まっている。だからインターフォンを使わずに玄関へ向かったのだ。

「はーい、どちら様でしょうか?」

 と急に敬語を使い始める雄介。きっと彼の中でスイッチが切り替わったのだろう。

「桜井美里ですけど……」

 やはりそうだ。いよいよ美里との話し合いが始まる。

 俺の鼓動は速く波打ち始めた。

 雄介は美里だと分かった瞬間、ドアを開け、

「こんにちは。今日はわざわざ私の家まで来ていただいて、ありがとうございます。」

 そう敬語で丁寧に、美里に挨拶をする雄介だった。
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