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ー未知ー173
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とりあえず、雄介に気合いが入ったようで良かったと思う俺。
そして、食事を終えると、美里に会うまでの時間が数時間余ってしまった。
この時間をどう活用すればいいのだろうか。
やはり、話をするのは午前中にすれば良かったと思う。それに、それだけ鼓動が速く波打っている時間が長くなるのだから。
俺もだけど、雄介の方はもっと鼓動が速く波打っているかもしれない。
それくらい、今の俺たちは緊張しているということだ。
食事を終えた俺たちだったが、雄介はキッチンに立って、さっき食べた食事のお皿を洗っていた。俺は変わらずカウンター席でその雄介の後ろ姿をぼーっと見ているだけだ。
その時、部屋内に大きな音が鳴り響いた。
ガッシャーン!
この音からすると、お皿が割れた音だろう。
「大丈夫か?」
俺は思わず雄介に声をかける。
俺は昔、動揺している時にお皿を割ったことが何回かあったのだが、雄介に関しては初めてに近いのかもしれない。もしかしたら、それだけ雄介も動揺しているということなのだろう。
「……え? あ、ああ……まあな……」
そう言って、雄介は散らばったお皿の破片を片付け始めた。
お皿を割った一次被害の時には、どうやら怪我はしていなかったらしいが、次の瞬間、
「痛ぁー、指少し切ってもうたみたいだわぁ……」
「……え?」
その雄介の言葉に、俺は裏声を上げ、カウンター席から雄介がいるキッチンの床の方へと視線を向けた。
そこでようやく、雄介の姿を捉えることができたが、雄介が今どんな状態かは把握できない。
そこで俺はカウンターから降りて、棚の上にある薬箱を取ってきた。
だが、その薬箱は埃をかぶっていた。
俺はその薬箱を見つめてしまう。
どうしてこの薬箱は長年ここに置いてあったのだろうか。
確かに、今となっては朔望や歩夢の家なのだから、あの二人が滅多なことで薬箱を使うことは無さそうだ。それで、この薬箱は埃をかぶっていたのかもしれない。
大人になると、わりかし薬箱にある絆創膏などはあまり使わなくなるのだから、朔望たちも滅多に使わなかったのだろう。
とりあえず、雄介は床に散らばったお皿の破片を片付けたようだ。そして、俺はさっき座っていたカウンター席へと戻って行った。
そして、食事を終えると、美里に会うまでの時間が数時間余ってしまった。
この時間をどう活用すればいいのだろうか。
やはり、話をするのは午前中にすれば良かったと思う。それに、それだけ鼓動が速く波打っている時間が長くなるのだから。
俺もだけど、雄介の方はもっと鼓動が速く波打っているかもしれない。
それくらい、今の俺たちは緊張しているということだ。
食事を終えた俺たちだったが、雄介はキッチンに立って、さっき食べた食事のお皿を洗っていた。俺は変わらずカウンター席でその雄介の後ろ姿をぼーっと見ているだけだ。
その時、部屋内に大きな音が鳴り響いた。
ガッシャーン!
この音からすると、お皿が割れた音だろう。
「大丈夫か?」
俺は思わず雄介に声をかける。
俺は昔、動揺している時にお皿を割ったことが何回かあったのだが、雄介に関しては初めてに近いのかもしれない。もしかしたら、それだけ雄介も動揺しているということなのだろう。
「……え? あ、ああ……まあな……」
そう言って、雄介は散らばったお皿の破片を片付け始めた。
お皿を割った一次被害の時には、どうやら怪我はしていなかったらしいが、次の瞬間、
「痛ぁー、指少し切ってもうたみたいだわぁ……」
「……え?」
その雄介の言葉に、俺は裏声を上げ、カウンター席から雄介がいるキッチンの床の方へと視線を向けた。
そこでようやく、雄介の姿を捉えることができたが、雄介が今どんな状態かは把握できない。
そこで俺はカウンターから降りて、棚の上にある薬箱を取ってきた。
だが、その薬箱は埃をかぶっていた。
俺はその薬箱を見つめてしまう。
どうしてこの薬箱は長年ここに置いてあったのだろうか。
確かに、今となっては朔望や歩夢の家なのだから、あの二人が滅多なことで薬箱を使うことは無さそうだ。それで、この薬箱は埃をかぶっていたのかもしれない。
大人になると、わりかし薬箱にある絆創膏などはあまり使わなくなるのだから、朔望たちも滅多に使わなかったのだろう。
とりあえず、雄介は床に散らばったお皿の破片を片付けたようだ。そして、俺はさっき座っていたカウンター席へと戻って行った。
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