676 / 929
ー未知ー170
しおりを挟む
俺達は軽くシャワーを浴びると、再び地下室へと戻って行く。
今の時間は夜中の三時。
もう俺達からしてみたら、こんな時間に寝るのは当たり前でもあるし、美里が来るのは午後の一時なのだから、まだまだ俺達からしてみたら時間があるということなのかもしれない。
そうそれに今の俺たちっていうのは、フリーターと変わらない状況でもあるのだから。
それぞれに天井を見上げ、俺達は眠りにつく。
元々、二人は時間にルーズな仕事をしているからなのか、横になってから眠る時間というのは早い。
それに人生にとって睡眠時間が欠かせないものだっていうのを分かっているからこそ、余計に横になってから寝てしまうまでの時間は早いということだろう。
次の朝は九時頃に目を覚ます俺達。
どうやら先に目覚めたのは雄介の方だ。
俺が雄介の方へと視線を向けた時には、真剣な目をして天井の方へと視線を向けていたのだから。
やはり今日のことがあって雄介の方は、緊張してあまり眠れてなかったのかもしれない。 そう案外、雄介の心はそういうところでは繊細なのだから。
しかし朝からそんな表情でいられると、俺の方が声を掛けずらい。
だからなのか俺の方も天井へと視線を向ける。
だが人間っていうのは、目を覚ますと、無意識に体の一部を動かしてしまうもんだろう。 寧ろ俺の方だって動いてしまったのだから、そんな俺の行動に雄介は俺の方へと視線を向けて来る。 そしていつもの笑顔で、
「おはよ……」
と言って来る雄介。
何だかさっき俺が起きた時に見た真剣な表情ではなく、本当に満面な笑顔を向けて来た。
とりあえずここは薄暗い地下室ではあるのだけど、雰囲気というのか雄介の声質で笑顔でっていうのが分かったような気がした。
「あ、ああ……おはよ……」
俺の方も雄介にそう返す。
「な、望……」
そう言って、雄介は体ごと俺の方へと向けて来る。
「え? あ、ああ……ん? 何?」
「あのな……」
「あ、ああ……」
しかし何でそんなに言葉を切るのであろうか。
「ホンマ、今日のことは大丈夫やって……」
「……ん?」
朝起きた早々にそんなことを言い始める雄介に俺の方は寧ろハテナマーク状態だ。
きっとまだ俺の頭が回っていないからであろう。
「あー、だからやなぁ……」
そんな反応をしている俺に雄介の方は気付いたのか、そう言うと、
「姉貴のことやって……心配せんでも、俺が何とかするからな……」
「あ、あー……」
「なるほど、そういうことかっ!」と俺の方は心の中で納得するのだが、一体、どういう根拠で雄介の口からそんな言葉が出て来たのであろうか。 そこはまだ分からないところだ。
今の時間は夜中の三時。
もう俺達からしてみたら、こんな時間に寝るのは当たり前でもあるし、美里が来るのは午後の一時なのだから、まだまだ俺達からしてみたら時間があるということなのかもしれない。
そうそれに今の俺たちっていうのは、フリーターと変わらない状況でもあるのだから。
それぞれに天井を見上げ、俺達は眠りにつく。
元々、二人は時間にルーズな仕事をしているからなのか、横になってから眠る時間というのは早い。
それに人生にとって睡眠時間が欠かせないものだっていうのを分かっているからこそ、余計に横になってから寝てしまうまでの時間は早いということだろう。
次の朝は九時頃に目を覚ます俺達。
どうやら先に目覚めたのは雄介の方だ。
俺が雄介の方へと視線を向けた時には、真剣な目をして天井の方へと視線を向けていたのだから。
やはり今日のことがあって雄介の方は、緊張してあまり眠れてなかったのかもしれない。 そう案外、雄介の心はそういうところでは繊細なのだから。
しかし朝からそんな表情でいられると、俺の方が声を掛けずらい。
だからなのか俺の方も天井へと視線を向ける。
だが人間っていうのは、目を覚ますと、無意識に体の一部を動かしてしまうもんだろう。 寧ろ俺の方だって動いてしまったのだから、そんな俺の行動に雄介は俺の方へと視線を向けて来る。 そしていつもの笑顔で、
「おはよ……」
と言って来る雄介。
何だかさっき俺が起きた時に見た真剣な表情ではなく、本当に満面な笑顔を向けて来た。
とりあえずここは薄暗い地下室ではあるのだけど、雰囲気というのか雄介の声質で笑顔でっていうのが分かったような気がした。
「あ、ああ……おはよ……」
俺の方も雄介にそう返す。
「な、望……」
そう言って、雄介は体ごと俺の方へと向けて来る。
「え? あ、ああ……ん? 何?」
「あのな……」
「あ、ああ……」
しかし何でそんなに言葉を切るのであろうか。
「ホンマ、今日のことは大丈夫やって……」
「……ん?」
朝起きた早々にそんなことを言い始める雄介に俺の方は寧ろハテナマーク状態だ。
きっとまだ俺の頭が回っていないからであろう。
「あー、だからやなぁ……」
そんな反応をしている俺に雄介の方は気付いたのか、そう言うと、
「姉貴のことやって……心配せんでも、俺が何とかするからな……」
「あ、あー……」
「なるほど、そういうことかっ!」と俺の方は心の中で納得するのだが、一体、どういう根拠で雄介の口からそんな言葉が出て来たのであろうか。 そこはまだ分からないところだ。
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる