BLR18【2】ノンケだった俺が男と初体験!ー結婚編ー

綺羅 メキ

文字の大きさ
上 下
618 / 929

ー未知ー112

しおりを挟む
「ウチって……?」

 その美里さんの言葉に、俺と雄介は視線を合わせる。 一体、どういう意味で美里さんはそう聞いてきているのだろうか。

 俺たち的には当然、『家』という意味だが、確か関西方面の女性の一人称というのが『ウチ』だったように思える。 しかも、『家』でも一人称の『ウチ』でもイントネーションは一緒なのだから、美里さんは一瞬何のことか分かっていないのかもしれない。

「あー、そういうことね……」

 と雄介は美里さんが何を言いたいのか理解したようだった。 独り言を言うと、

「俺ん:家(ち)でってことやって……」

 やはり慌てて答えたからか、ついついいつものように話してしまう雄介。 とりあえず、一瞬美里さんが黙ったようにも思えたのだけど、美里さんは咳払いをした後、

『とりあえずね、雄ちゃん:家(ち)ってことで大丈夫だけど……』

 どうやら美里さんの方は咳払いで、今の雄介の口調は聞いてなかったようだ。

 そりゃそうだろう。 本当に咄嗟の場合には、方言が思わず出てしまうものなのだから、気の知れた兄弟ともなれば余計になのかもしれない。

 とりあえず雄介の方もその美里さんの咳払いで気づいたようで、

「そういうことなので、明日はよろしくお願いします」

 そう思い出したかのように、スマホの前でも頭を下げる雄介。

 その後に続くかのように、俺の方もスマホの前で頭を下げる。

『そういうことなら、分かったわぁ……。 時間の方は何時がいいのかしら?』

「それなら……」

 とすぐに答えないところをみると、雄介の視線が俺の方へと向いてくる。

「ん?あ、そうだな……?」

 俺の方は雄介のその視線に気づき、時計の方へと視線を向けると、小さな声で、

「午後からの方がいいんじゃないのか?」

 と告げる。

「ああ、そうやなぁ……」

 とその言葉だけで雄介の方は気づいてくれたのか、一回雄介は態勢を立て直し、

「明日の一時過ぎというのは、宜しいでしょうか?」
『一時過ぎ?』

 こうなんとなく不満そうな声で言っているのは気のせいであろうか。 だが俺たちからしてみれば、お昼を食べてからというのか、午後からの方が時間がたくさんあるのだから、むしろそちらの方がいいと思ったからそうしたのだが、美里さんの方は本当に不満そうだ。

「あーと……」

 きっと天井にまで視線を向けてしまっているのだから、雄介の方は言葉を選んでいるのであろう。 それに不満そうな美里さんを納得させなければならないのだから余計になのかもしれない。

「午後からの方が、たくさんお話ができるかと思って、そう、設定したのですけど……」

『そういうことなの? だけど……一時過ぎって、何で、こう曖昧な時間なのかしら?』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

処理中です...