上 下
562 / 877

ー未知ー56

しおりを挟む
 やがて雄介の舌というのは鎖骨や首筋を楽しんだ後、胸へと差し掛かる。 だけど雄介の場合にはその中心部にある胸の突起にはなかなか触れて来る事がない。

 今日はただ単純にゆっくりとやりたいだけなのか、それとも雄介の責め方というのが、そういうゆっくり目という感じなのかもしれない。 多分、雄介の場合には本当に俺の事を大事に思ってくれているのだから、こうゆっくりというのか焦ったいというのかいつもそんな感じなのだから。

 だけどそんな焦ったい感じだからなのか、ピクピクと体は反応するものの、こう本当に物足りない。

 今の感じでピクピク位なのだから。 人間もっと気持ち良く感じる時にはビクンっ! とか、体が跳ねる感じがあるからだ。

 雄介は俺の手首を掴みベッドの押し付ける。 しかも優しく強く押さえられていた。 そう手首を掴む強さは全く掴まれてない感じがするのだけど、俺が手首や腕を動かそうとしても動かない感じがあるからだ。

 とそんな時、胸の突起の周辺部分を雄介の舌が這い回り始める。

「ん……」

 やはりもう何十回と体を重ねて来ている体は、体の方はピクンと反応はするものの、それだけでは足りないと言っているようだ。 だけど俺の方はそういう恥ずかしい事というのは、要求はしない。 そう俺の性格上、そんな恥ずかしい事は要求する事は出来ないからだ。

 だけどその行為が何故か今日は数十分過ぎて行く。

 最初はピクンとピクンとしていた俺の体だったのだけど、こう何かもどかしげに体を揺らすというのか、何かを要求しているような動きになって来ていたのかもしれない。 腰やら体全体で動かしてしまっていると思えるからだ。

「足りないんか?」

 そう唇を唾液で濡らしながら聞いて来る雄介。

「え? あ……いや……?」

 どうしても俺の方は答えられなくて、雄介から視線を離してそう答えてしまう。

 そしたら、

「……そう」

 と独り言なのか、それとも俺に言ったのかっていうのは分からないのだけど、素っ気ない返事をして再び俺の体へと舌を這回すのだ。

 もう大分雄介のその行為で感じ始めている体というのは、ビクビクと反応し始めてしまう。

 今日の雄介はもしかして俺に要求してもらうように仕向けているのであろうか。

 もしそうだとしても俺の口からはそういう言葉というのは言えないような気がする。

 そう恥ずかしさやプライドみたいなのが邪魔してしまっているからであろう。

「ふぅ……ぁ……ん!」

 気持ちいいような何か物足りないようなそんな感じが俺の体を巡る。 首を横に振ってどうにか快感から逃れようとしてみても実際逃れられる訳もないのに、何で人間というのはそんな行動をしてしまうのであろうか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...