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ー未知ー24
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そんな曲をバックに俺達の方は少しずつ都心部の方へと向かって来ているような気がする。 今まで一軒家が立ち並んでいた風景が急に高いビル群へと変わって来ているのだから。
懐かしい曲と共に思い出したのは、さっき俺が雄介に聞きたかった事だ。
俺の方は座席シートに寄り掛かり、正面を向いて雄介に話かける。 流石の俺も恥ずかしくて雄介の顔をまともに見ていられなかったからなのかもしれない。
「あのさ……昔、俺が記憶喪失になった事があっただろ?」
とそこまで言うと雄介が一瞬首をすくめたようにも思える。 きっと雄介にとっても思い出したくはない過去だからなのかもしれない。 だけど今日の俺っていうのは思い出せたこそ聞いてみたいと思ったのだから聞いてみる事にした。
「あ、ああ……まぁな……」
「そこでさ、未だに俺の中でスッキリしてない場面があるんだよ。 そん時ってお前どうしてたのかな? って思ってな。 ほら、あの時もデートでデパートに出掛けていただろ? で、デパート火災に逢って、俺達は救急車に乗らずに寧ろ街中を歩いてたじゃんか……それで、俺が途中で頭かなんかが痛くなっちゃってさ……雄介が急にいなくなった後から和也に出会うまでの部分が俺からしてみたら知らない部分なんだよな。 和也はさ、和也と病院で会った時からの話してくれたから俺の頭には残ってるんだけどな」
一瞬その話を聞いて、雄介は生唾を飲んだような気がした。 きっとその俺の言葉で、雄介の中でもその部分を思い出してくれているのであろう。
「あ、あれな……」
そう言って雄介はその部分をゆっくりと語り始める。
俺が具合悪そうにして倒れそうになってベンチで座らせている間に、雄介は横断歩道の向こうにある自販機に向かっていた事、戻って来て俺が人工呼吸されていた事、そして、
「それから、救急車に乗ってな……そこで、望は意識を回復する事は出来たんやけど……目を開けるなり、俺の事を見て、『君は?』って聞いて来たんやで……」
こう淡々とというのか、何か想いを押し込めてというのか、何かを我慢しているというのか、雄介はそんな感じでそれを話してくれるのだ。
そして雄介はゆっくりと深呼吸をしてから、
「あん時の俺っていうのは、ホント、記憶の無いお前に心臓が止まりそうになった位やわぁ……。 だってな、恋人が自分の事、完全に忘れてまったんやで、そりゃ、心の奥底では、フツー、パニックになるやろ? いや、寧ろならん奴なんかおらんと思うわぁ」
そう語る雄介はハンドルをギュッと握ってしまっているようにも見えた。
あの時の雄介の気持ちを考えると確かにパニック寸前だったんだというのが行動と話し方で分かる。
懐かしい曲と共に思い出したのは、さっき俺が雄介に聞きたかった事だ。
俺の方は座席シートに寄り掛かり、正面を向いて雄介に話かける。 流石の俺も恥ずかしくて雄介の顔をまともに見ていられなかったからなのかもしれない。
「あのさ……昔、俺が記憶喪失になった事があっただろ?」
とそこまで言うと雄介が一瞬首をすくめたようにも思える。 きっと雄介にとっても思い出したくはない過去だからなのかもしれない。 だけど今日の俺っていうのは思い出せたこそ聞いてみたいと思ったのだから聞いてみる事にした。
「あ、ああ……まぁな……」
「そこでさ、未だに俺の中でスッキリしてない場面があるんだよ。 そん時ってお前どうしてたのかな? って思ってな。 ほら、あの時もデートでデパートに出掛けていただろ? で、デパート火災に逢って、俺達は救急車に乗らずに寧ろ街中を歩いてたじゃんか……それで、俺が途中で頭かなんかが痛くなっちゃってさ……雄介が急にいなくなった後から和也に出会うまでの部分が俺からしてみたら知らない部分なんだよな。 和也はさ、和也と病院で会った時からの話してくれたから俺の頭には残ってるんだけどな」
一瞬その話を聞いて、雄介は生唾を飲んだような気がした。 きっとその俺の言葉で、雄介の中でもその部分を思い出してくれているのであろう。
「あ、あれな……」
そう言って雄介はその部分をゆっくりと語り始める。
俺が具合悪そうにして倒れそうになってベンチで座らせている間に、雄介は横断歩道の向こうにある自販機に向かっていた事、戻って来て俺が人工呼吸されていた事、そして、
「それから、救急車に乗ってな……そこで、望は意識を回復する事は出来たんやけど……目を開けるなり、俺の事を見て、『君は?』って聞いて来たんやで……」
こう淡々とというのか、何か想いを押し込めてというのか、何かを我慢しているというのか、雄介はそんな感じでそれを話してくれるのだ。
そして雄介はゆっくりと深呼吸をしてから、
「あん時の俺っていうのは、ホント、記憶の無いお前に心臓が止まりそうになった位やわぁ……。 だってな、恋人が自分の事、完全に忘れてまったんやで、そりゃ、心の奥底では、フツー、パニックになるやろ? いや、寧ろならん奴なんかおらんと思うわぁ」
そう語る雄介はハンドルをギュッと握ってしまっているようにも見えた。
あの時の雄介の気持ちを考えると確かにパニック寸前だったんだというのが行動と話し方で分かる。
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