449 / 929
ー至福ー168
しおりを挟む
「ホント、お前も言うようになったよなぁ……」
そうクスクスしてくるのは和也の方だ。
「ま、とりあえずさ、今は仕事しようぜ」
そう言うと俺は和也の額へとデコピンを喰らわせるのだった。
本当にこういうやりとりというのはいつ振りなんだろうか。
和也と本当に二人きりの時にしかやった事がないような気がする。
とりあえず俺の方もスイッチを切り替えて仕事モードにチェンジするのだ。
今日も相変わらず、午前中の一時間位だけで終われるような人数。
元からこの島に住んでいる住人というのは東京に比べたら確かにひと握り程しかいない。 そこで病気や怪我で診療所へと訪れる人はもっと少なくなるのだから、その位の時間で診療時間っていうのは終わってしまうのであろう。
俺はあと一ヶ月しかいない診療所を中を歩き始める。
初めてここに来た時に、診療所の中はひと通り歩いてみたのだけど、その後は一回も歩いた事はなかったからだ。 それに少しの間というのか、間を空ける事になるのだから、ちゃんと中を見ておきたかったのもある。
診療所の待合室には、雄介が考えたのか子供が少し遊んで待っていられるようなスペース。 そこの床にはジョイントマットが敷いてあって、足等を痛めないような工夫がされてあった。 そしてエル字型に、玩具が入っている棚と本が並んでいる棚があるのだ。
本当にそこは雄介らしいと言えば雄介らしいのかもしれない。
お子様のコーナーはそんな感じで、大人達が待っている待合室の方というのか、お子様コーナーの真横にあるソファが大人が待っている所だ。
島の小さな診療所なのだから、そんなに広くはない。
そこに俺が居る事に気付いたのか、小児科のドアから覗いて来る雄介。
「どないしたん?」
「あ、いや……ちょっとなぁ。 あんま俺は待合室の方に来た事がなかったから」
「あ、そうなぁ、そういう事な」
そう笑顔で納得してくれる雄介。
しかし雄介っていうのは、まだ付き合い始めた頃、全くもって俺の事を分かってくれなかったのだけど、医者になってからは本当に言葉足らずな時でも分かってくれているような気がする。
付き合っているうちに雄介は俺の性格を分かってくれたりして、医学部に通うようになってからは何だかもっと俺の事を分かってくれたような気がするのだ。
最近に至っては、本当に俺の事を守ってくれたりしてくれているのだから。
そう和也や朔望から、俺の事を守ってくれている。
そして日常生活においても昔は何でもかんでも俺に聞いて来ていたのだけど、今は俺がちょっとだけ言いづらそうにしていたり、何か抜けてしまっているような言葉でも雄介の方は分かっているという感じだ。
そうクスクスしてくるのは和也の方だ。
「ま、とりあえずさ、今は仕事しようぜ」
そう言うと俺は和也の額へとデコピンを喰らわせるのだった。
本当にこういうやりとりというのはいつ振りなんだろうか。
和也と本当に二人きりの時にしかやった事がないような気がする。
とりあえず俺の方もスイッチを切り替えて仕事モードにチェンジするのだ。
今日も相変わらず、午前中の一時間位だけで終われるような人数。
元からこの島に住んでいる住人というのは東京に比べたら確かにひと握り程しかいない。 そこで病気や怪我で診療所へと訪れる人はもっと少なくなるのだから、その位の時間で診療時間っていうのは終わってしまうのであろう。
俺はあと一ヶ月しかいない診療所を中を歩き始める。
初めてここに来た時に、診療所の中はひと通り歩いてみたのだけど、その後は一回も歩いた事はなかったからだ。 それに少しの間というのか、間を空ける事になるのだから、ちゃんと中を見ておきたかったのもある。
診療所の待合室には、雄介が考えたのか子供が少し遊んで待っていられるようなスペース。 そこの床にはジョイントマットが敷いてあって、足等を痛めないような工夫がされてあった。 そしてエル字型に、玩具が入っている棚と本が並んでいる棚があるのだ。
本当にそこは雄介らしいと言えば雄介らしいのかもしれない。
お子様のコーナーはそんな感じで、大人達が待っている待合室の方というのか、お子様コーナーの真横にあるソファが大人が待っている所だ。
島の小さな診療所なのだから、そんなに広くはない。
そこに俺が居る事に気付いたのか、小児科のドアから覗いて来る雄介。
「どないしたん?」
「あ、いや……ちょっとなぁ。 あんま俺は待合室の方に来た事がなかったから」
「あ、そうなぁ、そういう事な」
そう笑顔で納得してくれる雄介。
しかし雄介っていうのは、まだ付き合い始めた頃、全くもって俺の事を分かってくれなかったのだけど、医者になってからは本当に言葉足らずな時でも分かってくれているような気がする。
付き合っているうちに雄介は俺の性格を分かってくれたりして、医学部に通うようになってからは何だかもっと俺の事を分かってくれたような気がするのだ。
最近に至っては、本当に俺の事を守ってくれたりしてくれているのだから。
そう和也や朔望から、俺の事を守ってくれている。
そして日常生活においても昔は何でもかんでも俺に聞いて来ていたのだけど、今は俺がちょっとだけ言いづらそうにしていたり、何か抜けてしまっているような言葉でも雄介の方は分かっているという感じだ。
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる