上 下
424 / 877

ー至福ー143

しおりを挟む
「俺は……和也の意見でいいかな?」

 と俺の方はどうしても和也の意見に同意したくないというのか、恥ずかしいというのかはにかむような笑顔を和也へと見せるのだ。

 だけど和也も俺と長年一緒にいるだけあるのであろう。 俺のそのはにかむかのような笑顔で俺の事を分かってくれたような気がする。

「望は、それでいいんだな」
「ああ、まぁ……そうだな。 俺達は一旦春坂の方に戻って、色々と子供までの手続きとかっていうのをしてくればいいんだろ? それで、また、色々と終わったら、この島に戻ってくればいいんだし」
「そういう事だな。 少しの間一緒に住んじゃったから、望達と離れるのは寂しいけど、望や雄介が結婚したくて子供が欲しいっていうんだったら、今はそれが手っ取り早いんじゃないかな? って思ってな」

 確かに和也の言う通りだ。 この島に来て、二ヶ月。 俺達というのは和也達と居るのがもうある意味当たり前になっていた。 だから少し寂しいのかもしれない。 それに和也に関してはもう十年も一緒にいた存在で、俺からしてみたら本当に側に居て当たり前の存在だったのだから、もしかしたら変な感じになるのかもしれない。

 そうだ。 和也とはある意味沢山の思い出がある。 一緒にお酒飲んだり、時には喧嘩したりして、ずっと側にいて当たり前の存在が少しの間だけ無くなってしまうのは、確かに寂しいのかもしれない。

 そんな事を言われ、俺は想いに耽る。

 和也という人間は本当に雄介といるより一緒にいる時間は長い。 いつも俺の隣に居て当たり前な存在だった。 それが今回の事で暫く会えなくなってしまう。 どうにかこうにか最近は和也達に慣れて来たかのように思われた矢先に離れる事になる。

 少し寂しい気もするけど、別に永遠の別れではないのだから。 それに今は和也とというより雄介と結婚して子供も作った方がいいんじゃないかと考える方が先決なのかもしれない。 後は雄介次第なんだけど、未だに雄介の方は腕を組んだまま考えてしまっている。

 雄介からしてみたら、そんなに難しい問題なんであろうか。 俺の方は和也がそれを言ってからは、特に何も意見なんていうものはなく、寧ろ賛成だったのだから、それでいいと思ってた。

 裕実の方も何も言わないのだから、きっと和也の意見に賛成なのであろう。 寧ろ、裕実の場合には俺達の意見次第という所であろうか。 本当に裕実の場合には本当に自分の意見が無い場合にはあまり言って来ない人物でもある。

 そこは当たり前であり、俺達の幸せを願ってるからこそ言ってくれている所なのだから。

 そして急に雄介が席を立ち上がる。 そして、
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

処理中です...