404 / 929
ー至福ー123
しおりを挟む
その雄介の言葉に何でか時が止まったかのような間があったような気がする。
この:間(かん)、俺の鼓動も雄介の鼓動も今まで以上に早く動き、雄介も俺もそれぞれに隣にまで聞こえてしまうんではないかと思う位だったのかもしれない。
『……分かったわぁ。 もう、雄ちゃんと吉良先生はキチンとそこまで話をしているっていう事なのね……。 で、これから、どうするつもりなの? 雄ちゃん達が春坂に来るんだったら、診療所の方はどうするの? それだって、吉良先生のお父様が考えて、雄ちゃん達は診療所で働かせて貰ってるんじゃないのかしら? 確かに、雄ちゃん達が春坂に来るのは分かるわよ。 だけど、診療所を放っておいてまで雄ちゃん達の願いを叶える為にこっちに来るのはどうかと思うわよ。 それに、吉良先生のお父様にも悪いしね……』
確かに、美里の言う通りだろう。 雄介の中では完璧にそこまで考えていたのだから、
「そこは、望の弟達に頼もうと思うとるから……。 先ずは姉貴に頼んで、代理出産してもいいって了承を得る事が出来たら、今度は望の弟達に頼むって決めておったんやからな。 望の弟は、一人は小児科医やし、もう一人は心臓外科医やし、一回この島の診療所頼んだ事あったし、大丈夫やと思うしな」
雄介の方は、またそう真剣に美里に告げるのだ。
『……そうなの。 それで、その間っていうのは、雄ちゃん達は春坂病院で働くっていう事なのね?』
「そういう事なんやって……」
『じゃあ、もし、その吉良先生の弟さん達から了承を得られなかったらどうするの? そこも、とりあえず、了承を得て貰えないとじゃない?』
「確かに、そうなんやけどな。 やけど、俺はそういう事に関して先に姉貴に了承を得たかったから……だから、先に姉貴に電話したんやで……ほんで、ちゃんと決めたら、改めて、姉貴の所に行って、お願いしようと思うとったしな。 せやから、もし、望の弟達からも了承を得る事が出来たら、俺達が春坂に行った際には、俺達の代理出産お願いします!」
そう言って再び頭を下げる雄介。
だからなのか、俺の方も雄介同様に頭を下げるのだ。
『分かったわぁ……そこは、私の方もしっかりと考えておくわよ。 流石にちょっと私の方も歳だしね。 貴方達の場合、お医者さんなのだから分かると思うのだけど、高齢出産っていうのは、私にも赤ちゃんにも負担やリスクが伴うもんなのだからね。 もし、赤ちゃんが出来て死産してしまった場合、吉良先生にも悪いし、勿論、雄ちゃんにも悪いしね』
「あ……」
俺と雄介はその美里の言葉を聞いて、思わず声を上げてしまい再び視線を合わせるのだ。
この:間(かん)、俺の鼓動も雄介の鼓動も今まで以上に早く動き、雄介も俺もそれぞれに隣にまで聞こえてしまうんではないかと思う位だったのかもしれない。
『……分かったわぁ。 もう、雄ちゃんと吉良先生はキチンとそこまで話をしているっていう事なのね……。 で、これから、どうするつもりなの? 雄ちゃん達が春坂に来るんだったら、診療所の方はどうするの? それだって、吉良先生のお父様が考えて、雄ちゃん達は診療所で働かせて貰ってるんじゃないのかしら? 確かに、雄ちゃん達が春坂に来るのは分かるわよ。 だけど、診療所を放っておいてまで雄ちゃん達の願いを叶える為にこっちに来るのはどうかと思うわよ。 それに、吉良先生のお父様にも悪いしね……』
確かに、美里の言う通りだろう。 雄介の中では完璧にそこまで考えていたのだから、
「そこは、望の弟達に頼もうと思うとるから……。 先ずは姉貴に頼んで、代理出産してもいいって了承を得る事が出来たら、今度は望の弟達に頼むって決めておったんやからな。 望の弟は、一人は小児科医やし、もう一人は心臓外科医やし、一回この島の診療所頼んだ事あったし、大丈夫やと思うしな」
雄介の方は、またそう真剣に美里に告げるのだ。
『……そうなの。 それで、その間っていうのは、雄ちゃん達は春坂病院で働くっていう事なのね?』
「そういう事なんやって……」
『じゃあ、もし、その吉良先生の弟さん達から了承を得られなかったらどうするの? そこも、とりあえず、了承を得て貰えないとじゃない?』
「確かに、そうなんやけどな。 やけど、俺はそういう事に関して先に姉貴に了承を得たかったから……だから、先に姉貴に電話したんやで……ほんで、ちゃんと決めたら、改めて、姉貴の所に行って、お願いしようと思うとったしな。 せやから、もし、望の弟達からも了承を得る事が出来たら、俺達が春坂に行った際には、俺達の代理出産お願いします!」
そう言って再び頭を下げる雄介。
だからなのか、俺の方も雄介同様に頭を下げるのだ。
『分かったわぁ……そこは、私の方もしっかりと考えておくわよ。 流石にちょっと私の方も歳だしね。 貴方達の場合、お医者さんなのだから分かると思うのだけど、高齢出産っていうのは、私にも赤ちゃんにも負担やリスクが伴うもんなのだからね。 もし、赤ちゃんが出来て死産してしまった場合、吉良先生にも悪いし、勿論、雄ちゃんにも悪いしね』
「あ……」
俺と雄介はその美里の言葉を聞いて、思わず声を上げてしまい再び視線を合わせるのだ。
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる