287 / 929
ー至福ー6
しおりを挟む
「そ、それ……ホンマの事なんか!?」
と雄介の方は目を丸くしながらも気持ち的に俺の方に体を乗り出す感じで聞いて来る。
そんな雄介に圧倒されながらも、
「ああ、今見ていたニュース番組っていうの? 情報番組っていうの? それでやってたからな」
そう俺の方はもう既に気にならないような素振りでご飯を食べ始めたのだが、雄介の方は何だか興奮気味になってしまったようにも思える。
雄介の方は両手を握り締め、全身を震わせていたのだから。 そして、
「よっしゃ!! これで、もう望と結婚も出来るし、子供も出来るって事なんやなぁ!」
本当に雄介の方はその話がよっぽど嬉しかったのであろう。 今度は立ち上がってまで喜んでしまっているのだから。
「な、なぁ、望……ほんならな、もう、明日にでも島の役場行こっ!」
雄介は俺の耳の側で普通の声で言って来るのだけど、
「流石にまだ早過ぎるだろ? それに、ここはまだ島なんだぜ。 俺達が早速島の役場に婚姻届なんか出しに行ったら、逆に目立っちまうんじゃねぇのか?」
そう俺の方は冷静に判断し答えるのだ。
「ああ、確かに、望の言う通りなのかもしれへんなぁ」
その俺の答えに雄介の方も直ぐに分かってくれたようだ。 そこに安心する俺。
確かに今俺は素で冷静に判断して雄介に答えを出したのだけど、本当にそうだ。 この島の人口っていうのは三百人位しかいない。 そんな小さな島だから噂というのは本当に回るのが早い。 それを実感したのはまだ記憶に新しい程だ。 そうまだこの島に俺達が来て一ヶ月位に、蒼空が海に飛び込んで遊んでいる時に雄介がレスキューから救急の方まで全部やってくれて、その話が次の次の日までには島には伝わっていて、しかも俺達は挨拶周りをしていた事で更に診療所の噂が立ったという事だ。 そういう事があったからこそ絶対的にこの島では噂になるのが早いという事だろう。 これがもし都会の方だったら全くもって隣近所というのは気にしない土地柄なんだから噂所か気にもされない事なんだろうけど。
「確かに、そうやんなぁ?」
俺のその言葉に今まで興奮気味だった雄介だったのだけど、その冷静な俺の言葉に急に座ってしまうのだ。 やはり今の俺の言葉でヘコんでしまったのかもしれない。
そんな雄介の横から入って来たのが裕実だ。
「確かに僕達の方も今のニュースに関して嬉しい事だなって思ってたんですが、今の望さんの答えに……あっ! って思いましたからね。 確かに望さんの言う通りですよねぇ。 僕達だって流石にそんな素敵なニュースを聞いたら、早速、婚姻届を出したいなって話をしてたんですが、この島では直ぐにでも僕達が結婚したっていうのが回ってしまって、下手すればこの診療所に人が来なくなってしまうんではないんでしょうか? って思ってしまったんですよ」
と雄介の方は目を丸くしながらも気持ち的に俺の方に体を乗り出す感じで聞いて来る。
そんな雄介に圧倒されながらも、
「ああ、今見ていたニュース番組っていうの? 情報番組っていうの? それでやってたからな」
そう俺の方はもう既に気にならないような素振りでご飯を食べ始めたのだが、雄介の方は何だか興奮気味になってしまったようにも思える。
雄介の方は両手を握り締め、全身を震わせていたのだから。 そして、
「よっしゃ!! これで、もう望と結婚も出来るし、子供も出来るって事なんやなぁ!」
本当に雄介の方はその話がよっぽど嬉しかったのであろう。 今度は立ち上がってまで喜んでしまっているのだから。
「な、なぁ、望……ほんならな、もう、明日にでも島の役場行こっ!」
雄介は俺の耳の側で普通の声で言って来るのだけど、
「流石にまだ早過ぎるだろ? それに、ここはまだ島なんだぜ。 俺達が早速島の役場に婚姻届なんか出しに行ったら、逆に目立っちまうんじゃねぇのか?」
そう俺の方は冷静に判断し答えるのだ。
「ああ、確かに、望の言う通りなのかもしれへんなぁ」
その俺の答えに雄介の方も直ぐに分かってくれたようだ。 そこに安心する俺。
確かに今俺は素で冷静に判断して雄介に答えを出したのだけど、本当にそうだ。 この島の人口っていうのは三百人位しかいない。 そんな小さな島だから噂というのは本当に回るのが早い。 それを実感したのはまだ記憶に新しい程だ。 そうまだこの島に俺達が来て一ヶ月位に、蒼空が海に飛び込んで遊んでいる時に雄介がレスキューから救急の方まで全部やってくれて、その話が次の次の日までには島には伝わっていて、しかも俺達は挨拶周りをしていた事で更に診療所の噂が立ったという事だ。 そういう事があったからこそ絶対的にこの島では噂になるのが早いという事だろう。 これがもし都会の方だったら全くもって隣近所というのは気にしない土地柄なんだから噂所か気にもされない事なんだろうけど。
「確かに、そうやんなぁ?」
俺のその言葉に今まで興奮気味だった雄介だったのだけど、その冷静な俺の言葉に急に座ってしまうのだ。 やはり今の俺の言葉でヘコんでしまったのかもしれない。
そんな雄介の横から入って来たのが裕実だ。
「確かに僕達の方も今のニュースに関して嬉しい事だなって思ってたんですが、今の望さんの答えに……あっ! って思いましたからね。 確かに望さんの言う通りですよねぇ。 僕達だって流石にそんな素敵なニュースを聞いたら、早速、婚姻届を出したいなって話をしてたんですが、この島では直ぐにでも僕達が結婚したっていうのが回ってしまって、下手すればこの診療所に人が来なくなってしまうんではないんでしょうか? って思ってしまったんですよ」
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる