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ー鼓動ー110

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 そして席へと戻って来た俺達。

 雄介の方へと視線を向けると雄介のカップにはミルクが二つ乗っていた。

「雄介ってミルク入れる派だったのか?」
「あ、ああ……まぁな。 なんかなぁ、ミルク入れるとホッとするっていうんかな?」
「へぇー、そうなんだ」

 また今日新しい発見が出来たような気がする。

 そう考えていると雄介が頼んだパフェも来て雄介の前というのは喫茶店状態だった。

 パフェにコーヒー。

 さっきまで食事していたのに……って思う。

 俺がコーヒーを飲んでいる間にパフェを口にしている雄介。

 がたいがいいわりにパフェを注文する雄介にギャップというのがあり過ぎて、可愛い所もあるんだなって思う。

 本当に今まで雄介とはこんな事さえもしてなかったという事だろう。 ただ俺がデートっていう言葉だけでトラウマにもなっていたし、忙しかったっていうのもあったからなのかもしれない。

 ただ忙しかった分、時間を潰すって事が苦手だという事だ。

 今日はどうにか出掛けて来たから色々と時間を潰す事は出来たのだけど、後、一週間どうすればいいんだろうか?

「な、雄介? 後一週間どうするんだ?」
「へ? あ、そやな?」

 そう考える所からすると、雄介の方もノープランっていう所だろう。

「確かに今日一日潰れそうなんやけど、ま、明後日は病院だとして、明日と明々後日からって事やんな?」
「そういう事」
「ま、ええと違う? 何も考えないで、その日その日で何かしていったらなぁ?」
「え? あ、ああ……」

 雄介がそう言うのであれば仕方がないと言った所なのであろうか。

 ホント、今までの俺達からしてみたら何も考えない日っていうのはなかったようにも思える。 だけど今は島に帰る時間までというのは時間があるのだ。

 これなら、よっぽど仕事している方が楽なような気がして来た。

 逆に暇な方が何していいのか? っていうのが分からない。

「ほんなら、一回位、プールとかって行ってみたりせぇへん?」

 雄介は食べながらも何かプランみたいなのを考えてくれていたのであろうか、突然そんな事を言い始めた。

「プール!?」
「それだったら、望は出来るんやろ?」
「え? あ、まぁ」
「ほら、前に和也達と海に行って、めっちゃ泳いでおったしなぁ」
「あ、まぁ……確かにそうだったな。 でも、何でプールなんだよ」
「え? 夏やし、望も出来るっていうもんって言ったら、プールっていうのが出てきたしな」
「あ、そっか。 でも、俺達っていうのは、もういいオッサンだと思うんだけどな」
「そんなん、関係無いやんか、オジサンだってプールっていう所には行くんやしな」
「え? あ、まぁ、そうなんだけどさ」
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