BLR18【2】ノンケだった俺が男と初体験!ー結婚編ー

綺羅 メキ

文字の大きさ
上 下
101 / 929

ー鼓動ー101

しおりを挟む
「ん、まぁ……そうなんやけど。 望とそいつへの本気度っていうのが違うっていうのか」
「ま、それは分かるっていうのかな? それは、確かにそうなのかもしれねぇけど、なんていうのかな? 雄介は俺の事を本気で好きなのは分かってるんだけど、別に俺はその雄介の前の相手に対して嫉妬とかっていうのはしないと思うし、だから、そいつの事を悪くいうのはちょっとなっていう感じかな?」
「あ、スマン。 今の俺はホンマに望しか見えておらんかったみたいやわぁ。 せやね、望の言う通りなのかもしれへん。 今、何で、そいつの事、そういう風に言ったんか? っていうのは分からへんけど、多分、望にそいつの事を話したら嫉妬するんじゃないかと思うたからなのかもしれへんな」
「ん、まぁ……そういう事だからさ。 そいつの事、悪く言う必要なんてねぇんだからな」
「あ、え? うん……そうやんな」

 そして雄介は少しそいつの事を思い出しているのか気持ち的に遠い目をしていた。

 とりあえず、さっきのパスタ店ではゆっくり出来なかった俺達だったのだが、今はこうしてゆっくりと出来たような気がする。

 そうカラオケの曲をBGM代わりにして……こうやって今日は雄介とゆっくり話が出来たような気がするからだ。

 こんな事だってホント何年振りなんだろうか?

 でも今は雄介が思い出に浸っているのだから、静かになってしまった空間にはカラオケのチャンネルが流れているだけだ。

 俺達の今までの人生……こんなにもゆっくりとした時間なんてあったんだろうか?

 普通の人達が電車で言うのなら各駅停車なのかもしれないのだけど俺達の人生っていうのは特急電車だったのかもしれない。 でも今は久しぶりに各駅停車の状態でいるような気がする。

 のんびりとした空間。

 こんな時間というのは本当に初めてだった。

 何も考えずにただ自分達がしたいようにする時間。

 俺なんかは特に小学校からそんな気がして来た。 毎日のように時の流れというのが特急電車だったって事だ。

 小学校の時にはもう既に私立の学校に行っていた俺。

 そういつか流行っていたお受験戦争の中に俺は居たのだ。

 小学校に上がってからだって、私立の学校に居たというのもあるのだけど、やっぱ家系の関係で既に一年生の時、あ、いや……保育園の頃からの夢というのが『医者』だった。 そして小学生になってからというもの、俺の毎日というのは勉強漬けだったのだから。 もしかしたら保育園の頃から毎日のように勉強していたのかもしれない。

「あー!」

 と急に大声を上げる俺。

 その声に隣りに座っていた雄介は目を丸くしながら俺の事を見上げていた。

「急にどないしたん?」
「あ、いやな……雄介がその思い出に浸っている間に思い出した事があってさ。 俺の方も考え事してたんだけど……記憶の方が大分戻って来てるみたいなんだよな」
「へ? そうなん!?」
「だってさ、今、俺が思い出してたのは、その保育園の時から小学校の時の思い出だったしな」
「へ? あ、ん?」

 と今の俺の言葉だけでは、どうやら雄介には伝わってないようだ。

「だからさ、俺は記憶喪失になってしまって、今までは自分の昔の記憶っていうのは消えてた訳だったんだろ? だけど、今、こうゆっくりとした空間の中で、自分の過去を振り返ってた訳なんだよ。 そしたら、思い出したっていうのか……俺は小学校の時から既に私立の学校に行っていたっていう事を思い出したんだ。 しかも、保育園の頃からの夢っていうのが、『医者』っていう事もな……」
「そうやったん? そりゃ、良かったんじゃないんか?」

 そう雄介は俺の事を見上げながら微笑んでくれたいた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...