97 / 877
ー鼓動ー97
しおりを挟む
本当に俺は一度もカラオケに来た事がないから、システムについては全く知らない事だ。
今、雄介が使っているリモコンさえも……「それ、何!?」状態なのだから。
雄介は選曲が終わったのか、部屋内に雄介が選んだと思われる曲が流れ始める。
それはいつか流行ってた曲で、少し位だったら俺でさえも耳にした事がある曲だ。
その懐かしさと雄介の歌声に聞き惚れる。
……あ、雄介って歌が上手かったんだ。
そう新たな発見だったのかもしれない。
今までこんなデートらしい事をした事がなかったようにも思えるからだ。
デートって言葉だけで俺には少しトラウマになっていた事があって、それからはデートとは言わずに出掛けるという名目にしていたのだが、それさえも指折り数える位しかなかったようにも思える。
基本的にはお互いに忙しかったのだから、そこは仕方がないだろう。
しかもすれ違いの生活も多くて、こうしてのんびりとした時間さえも少なかったのだから。
こう昔の曲を聞いただけで、タイムスリップしたような気持ちになってくる。
雄介が歌っていた一曲目も終わり、雄介はこう慌てて次の曲を探し出す。
「一人で歌うって大変なんだな……」
「そうなんやって……歌いながら探すっていう手もあんねんけど、昔歌ってた曲やったし、歌詞とかも覚えてへんかったからなぁ、あー! もう、次何しよっ……」
そんな事を言いながら雄介は機械を操作し、そう手慣れた手つきで選曲していた。
そしてまた次の曲が流れて来る。
雄介は三十分位、それを繰り返していたのだが、
「もう、ええわぁ、満足する事が出来たしな」
そう言ってソファへと背中を預けてしまっていた。
その間にテレビ画面にはカラオケ専用のチャンネルが流れる。
「なんやろ? 今まで忙しかったからか、逆に時間を潰すって事が出来なくなってまったような気がするなぁ」
「え? あ、そうだよな。 だって、こうして雄介とこんなにゆっくりとした時間を過ごすのって初めてみたいなもんだしな」
「せやろ!?」
その言葉と共に雄介は寄り掛かっていたソファから体を起こして来る。
「そうやねんな……ホンマ、普段が忙し過ぎるもんやから、こう逆に暇が出来ると上手く時間を使えなくなってるっていうんかな?」
「でも、たまにはいいんじゃねぇのか? こうしてゆっくり時間潰すっていうのもさぁ、俺は別に嫌いじゃねぇぜ……」
「ま、望がそう言うんやったらええか」
「……って、なんだよ。 別に俺に合わせる必要なんてないんだからな」
今、雄介が使っているリモコンさえも……「それ、何!?」状態なのだから。
雄介は選曲が終わったのか、部屋内に雄介が選んだと思われる曲が流れ始める。
それはいつか流行ってた曲で、少し位だったら俺でさえも耳にした事がある曲だ。
その懐かしさと雄介の歌声に聞き惚れる。
……あ、雄介って歌が上手かったんだ。
そう新たな発見だったのかもしれない。
今までこんなデートらしい事をした事がなかったようにも思えるからだ。
デートって言葉だけで俺には少しトラウマになっていた事があって、それからはデートとは言わずに出掛けるという名目にしていたのだが、それさえも指折り数える位しかなかったようにも思える。
基本的にはお互いに忙しかったのだから、そこは仕方がないだろう。
しかもすれ違いの生活も多くて、こうしてのんびりとした時間さえも少なかったのだから。
こう昔の曲を聞いただけで、タイムスリップしたような気持ちになってくる。
雄介が歌っていた一曲目も終わり、雄介はこう慌てて次の曲を探し出す。
「一人で歌うって大変なんだな……」
「そうなんやって……歌いながら探すっていう手もあんねんけど、昔歌ってた曲やったし、歌詞とかも覚えてへんかったからなぁ、あー! もう、次何しよっ……」
そんな事を言いながら雄介は機械を操作し、そう手慣れた手つきで選曲していた。
そしてまた次の曲が流れて来る。
雄介は三十分位、それを繰り返していたのだが、
「もう、ええわぁ、満足する事が出来たしな」
そう言ってソファへと背中を預けてしまっていた。
その間にテレビ画面にはカラオケ専用のチャンネルが流れる。
「なんやろ? 今まで忙しかったからか、逆に時間を潰すって事が出来なくなってまったような気がするなぁ」
「え? あ、そうだよな。 だって、こうして雄介とこんなにゆっくりとした時間を過ごすのって初めてみたいなもんだしな」
「せやろ!?」
その言葉と共に雄介は寄り掛かっていたソファから体を起こして来る。
「そうやねんな……ホンマ、普段が忙し過ぎるもんやから、こう逆に暇が出来ると上手く時間を使えなくなってるっていうんかな?」
「でも、たまにはいいんじゃねぇのか? こうしてゆっくり時間潰すっていうのもさぁ、俺は別に嫌いじゃねぇぜ……」
「ま、望がそう言うんやったらええか」
「……って、なんだよ。 別に俺に合わせる必要なんてないんだからな」
0
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる