BLR18【2】ノンケだった俺が男と初体験!ー結婚編ー

綺羅 メキ

文字の大きさ
上 下
97 / 929

ー鼓動ー97

しおりを挟む
 本当に俺は一度もカラオケに来た事がないから、システムについては全く知らない事だ。

 今、雄介が使っているリモコンさえも……「それ、何!?」状態なのだから。

 雄介は選曲が終わったのか、部屋内に雄介が選んだと思われる曲が流れ始める。

 それはいつか流行ってた曲で、少し位だったら俺でさえも耳にした事がある曲だ。

 その懐かしさと雄介の歌声に聞き惚れる。

 ……あ、雄介って歌が上手かったんだ。

 そう新たな発見だったのかもしれない。

 今までこんなデートらしい事をした事がなかったようにも思えるからだ。

 デートって言葉だけで俺には少しトラウマになっていた事があって、それからはデートとは言わずに出掛けるという名目にしていたのだが、それさえも指折り数える位しかなかったようにも思える。

 基本的にはお互いに忙しかったのだから、そこは仕方がないだろう。

 しかもすれ違いの生活も多くて、こうしてのんびりとした時間さえも少なかったのだから。

 こう昔の曲を聞いただけで、タイムスリップしたような気持ちになってくる。

 雄介が歌っていた一曲目も終わり、雄介はこう慌てて次の曲を探し出す。

「一人で歌うって大変なんだな……」
「そうなんやって……歌いながら探すっていう手もあんねんけど、昔歌ってた曲やったし、歌詞とかも覚えてへんかったからなぁ、あー! もう、次何しよっ……」

 そんな事を言いながら雄介は機械を操作し、そう手慣れた手つきで選曲していた。

 そしてまた次の曲が流れて来る。

 雄介は三十分位、それを繰り返していたのだが、

「もう、ええわぁ、満足する事が出来たしな」

 そう言ってソファへと背中を預けてしまっていた。

 その間にテレビ画面にはカラオケ専用のチャンネルが流れる。

「なんやろ? 今まで忙しかったからか、逆に時間を潰すって事が出来なくなってまったような気がするなぁ」
「え? あ、そうだよな。 だって、こうして雄介とこんなにゆっくりとした時間を過ごすのって初めてみたいなもんだしな」
「せやろ!?」

 その言葉と共に雄介は寄り掛かっていたソファから体を起こして来る。

「そうやねんな……ホンマ、普段が忙し過ぎるもんやから、こう逆に暇が出来ると上手く時間を使えなくなってるっていうんかな?」
「でも、たまにはいいんじゃねぇのか? こうしてゆっくり時間潰すっていうのもさぁ、俺は別に嫌いじゃねぇぜ……」
「ま、望がそう言うんやったらええか」
「……って、なんだよ。 別に俺に合わせる必要なんてないんだからな」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...