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ー鼓動ー68
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でもハッキリ言って俺からしてみたら、こんな時間に寝れる訳が無い。
今の俺というのは完全に目が冴えている状態なのだから。
それも雄介の方も同じようで、暗闇の向こうに見えている雄介も未だに瞳を開けているようだ。 そうこの暗闇の中でも気配を感じる位なのだから。 そう人間っていうのは寝てしまうと途端に気配というものが無くなる。 だから起きてるのが分かるのだ。
そこで俺は雄介に話し掛けてみる。
「なぁ、雄介……本当に今、医者になって良かったと思っているのか?」
「……へ? あ、ああ、まぁ」
俺に声を掛けられるとは思ってなかったのであろう。 雄介の方はワンテンポ遅れて答えて来ているのだから。
「ほら、色々な意味でなぁ。 それ、前にも言ったやんか、望の助けにもなるだろうし、望は子供が苦手やから、俺が子供メインで診たらええと思ったからなぁ」
「え? あ、まぁ……そうなんだけど。 なんていうのかな? それはあくまで俺の事を思ってって事であって、雄介自身はどうなんだ? って事を聞きたいんだけど?」
そう俺は本気で雄介に聞きたかったのか雄介の方へと体を向けるのだ。
「あ、ああ! それな! あ、うーん……確かに最初のうちは望の為にって思うっておったけど、今は本気で医者になれて良かったと思うとるよ。 消防士の時も、そりゃ人命救助に携われる仕事をしておったけど、医者だって人命救助に携われる仕事やろ? 人の事を助けられる仕事ってええなって、やっぱ、思うわぁ。 それに、あのまま消防士の仕事をしておったら、消防士っていう仕事っていうのは、基本的に体力勝負やし、やっぱ、体の方は年取る毎に衰えて来るんやから、いずれ体が付いていけなくなるやんか、せやから、医者よりかは長くは働く事が出来ない職業なんじゃないかと思ってたしな。 医者やったら、定年みたいなのはない訳やろ? 寧ろ、歳重ねる毎にベテランになれるっていうのか、まだまだ奥が深いっていうんか……それに、次から次へと新しい症例みたいなのが出てきて勉強にもなるしな。 ま、俺からしてみたら、めっちゃ、やりがいのある仕事になるって事になるんかな?」
そう言う雄介の言葉におれは黙って聞いていた。 まさか、そんなに熱く医者について語ってくれるとは思ってもなかったからなのかもしれない。
「案外、お前って凄いのな。 まさか、そんなに熱く語ってくれるなんて思ってもみなかった事なんだけどよ。 ホント、お前みたいな奴が医者になって良かったのかもな。 何だかそれを聞いて俺の方も安心したよ。 だってさ、こういう真面目な話って今までした事がなかっただろ?」
「あ、まぁ……こういう話っていうのはした事がなかったのかもしれへんな。 せやから、俺はそういう意味でも望に会えて良かったと思うとるしな。 だって、前にも言うたやろ? 望に出会ってなかったら、今もまだ消防士とかしてて、もしかしたら、もう、命を落としていたのかもしれないってな」
「ああ、そうだったな」
「……って、坂本にもある意味、感謝せなぁ、アカンよな?」
「へ? 何でだ?」
「だって、望が働いていた春坂病院に俺の事を連れて行ってくれた坂本のおかげなんだしなぁ」
「え? ま、そうなんだけどさ、ちょっと違うような? そのおかげっていうのはさ」
「せやけど、坂本が俺の事、仕事中に怪我させてくれなかったら俺はもしかしたら望が働いていた春坂病院に行く事はなかったやろ?」
「え? あ、まぁ、確かにそうなんだけどさ」
……まぁ、雄介がそう思っているんだったら、納得はいかないけど、そう思うようにするしかねぇのかな?
「ま、いいか、雄介がそう思ってるならさ」
「それに、この地球上には何億人っていう人が居る中で、運命の人に出会えるって奇跡だと思わへん?」
そう急に興奮気味に言う雄介。
今の俺というのは完全に目が冴えている状態なのだから。
それも雄介の方も同じようで、暗闇の向こうに見えている雄介も未だに瞳を開けているようだ。 そうこの暗闇の中でも気配を感じる位なのだから。 そう人間っていうのは寝てしまうと途端に気配というものが無くなる。 だから起きてるのが分かるのだ。
そこで俺は雄介に話し掛けてみる。
「なぁ、雄介……本当に今、医者になって良かったと思っているのか?」
「……へ? あ、ああ、まぁ」
俺に声を掛けられるとは思ってなかったのであろう。 雄介の方はワンテンポ遅れて答えて来ているのだから。
「ほら、色々な意味でなぁ。 それ、前にも言ったやんか、望の助けにもなるだろうし、望は子供が苦手やから、俺が子供メインで診たらええと思ったからなぁ」
「え? あ、まぁ……そうなんだけど。 なんていうのかな? それはあくまで俺の事を思ってって事であって、雄介自身はどうなんだ? って事を聞きたいんだけど?」
そう俺は本気で雄介に聞きたかったのか雄介の方へと体を向けるのだ。
「あ、ああ! それな! あ、うーん……確かに最初のうちは望の為にって思うっておったけど、今は本気で医者になれて良かったと思うとるよ。 消防士の時も、そりゃ人命救助に携われる仕事をしておったけど、医者だって人命救助に携われる仕事やろ? 人の事を助けられる仕事ってええなって、やっぱ、思うわぁ。 それに、あのまま消防士の仕事をしておったら、消防士っていう仕事っていうのは、基本的に体力勝負やし、やっぱ、体の方は年取る毎に衰えて来るんやから、いずれ体が付いていけなくなるやんか、せやから、医者よりかは長くは働く事が出来ない職業なんじゃないかと思ってたしな。 医者やったら、定年みたいなのはない訳やろ? 寧ろ、歳重ねる毎にベテランになれるっていうのか、まだまだ奥が深いっていうんか……それに、次から次へと新しい症例みたいなのが出てきて勉強にもなるしな。 ま、俺からしてみたら、めっちゃ、やりがいのある仕事になるって事になるんかな?」
そう言う雄介の言葉におれは黙って聞いていた。 まさか、そんなに熱く医者について語ってくれるとは思ってもなかったからなのかもしれない。
「案外、お前って凄いのな。 まさか、そんなに熱く語ってくれるなんて思ってもみなかった事なんだけどよ。 ホント、お前みたいな奴が医者になって良かったのかもな。 何だかそれを聞いて俺の方も安心したよ。 だってさ、こういう真面目な話って今までした事がなかっただろ?」
「あ、まぁ……こういう話っていうのはした事がなかったのかもしれへんな。 せやから、俺はそういう意味でも望に会えて良かったと思うとるしな。 だって、前にも言うたやろ? 望に出会ってなかったら、今もまだ消防士とかしてて、もしかしたら、もう、命を落としていたのかもしれないってな」
「ああ、そうだったな」
「……って、坂本にもある意味、感謝せなぁ、アカンよな?」
「へ? 何でだ?」
「だって、望が働いていた春坂病院に俺の事を連れて行ってくれた坂本のおかげなんだしなぁ」
「え? ま、そうなんだけどさ、ちょっと違うような? そのおかげっていうのはさ」
「せやけど、坂本が俺の事、仕事中に怪我させてくれなかったら俺はもしかしたら望が働いていた春坂病院に行く事はなかったやろ?」
「え? あ、まぁ、確かにそうなんだけどさ」
……まぁ、雄介がそう思っているんだったら、納得はいかないけど、そう思うようにするしかねぇのかな?
「ま、いいか、雄介がそう思ってるならさ」
「それに、この地球上には何億人っていう人が居る中で、運命の人に出会えるって奇跡だと思わへん?」
そう急に興奮気味に言う雄介。
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