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ー鼓動ー42
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すると俺の方は自然と雄介の体に寄り掛かっていた。 確かに雄介の腕が俺の肩に回っていたのだけど、それでも自分から雄介に近付きたくなって雄介の胸へと耳を寄せる。
そんな俺に雄介は何も言って来ない。
雄介は本当に俺の事を分かって来てくれているからこそ何も言って来なくなった。
そう雄介が俺に何か言ってしまえば、俺の性格からして離れて行ってしまうのは目に見えているからだ。
再び二人の間に沈黙が流れてしまっていたのだが、それはきっとお互いにこの静かな時間を過ごしたいと思ったからなのかもしれない。
今日はどれだけ雄介とゆっくりとした時を過ごしているのであろうか。
まったく時間だって気にならない空間だ。
それでも時間というのは刻々と流れて行ってしまう。
そうだ。 こに時間が止まってしまえばいいのに……。
普通はこういう事っていうのは最後の最後、恋人とかが分かれる間際位に思う事なのかもしれないのだけど、俺的にはもうそう思ってしまっている。 いや逆にこれから二人だけの空間というのが暫くないのだから今思ってもいいのかもしれない。
そうもう直ぐ憂鬱な時間が来てしまうからだ。
東京に向かう時の船の中では、俺の親父と雄介の親父と和也のお袋さんとで一緒に乗らなければならないのだから。
そうだから今の俺達というのはこの二人だけの貴重な時間を大切にしたいと思っているのかもしれない。
親父達が俺達に絡んで来なければいいのだけど、実際の所、俺と雄介は親父達とあまり話した事がないから分からない所でもある。
俺なんか特に親父と離れていた期間が長かった為か、親父の性格というのは分かっていないから余計に憂鬱な時だと思っているのかもしれない。
だから今からもうこの二人だけの時間を有意義に使おうとしているのであろう。
「とりあえず、今はこん位でええか?」
「……へ?」
いきなりの雄介からのその言葉で俺は雄介の事を見上げる。
「船の時間も迫ってる事やし、そろそろ行かないとやしなぁ」
「え? あ、うん……そうだな」
「後は東京に行ってから、ゆっくりしようか?」
「ああ、そうだな」
その雄介の言葉に俺はゆっくりと雄介の体から離れて行く。 すると雄介の方も俺の肩から腕を離して行ってしまった。
雄介はその後ゆっくりと体を伸ばすと、
「そろそろ、和也達の方も一旦休憩に入ってる頃やし、とりあえず、挨拶だして行こうか!」
「ああ、そうだな」
って気付くと俺は同じ返事をしていた。
……ま、そこはいいか。
と気にせずに俺と雄介はスーツケースを持って下へと向かうのだ。
そんな俺に雄介は何も言って来ない。
雄介は本当に俺の事を分かって来てくれているからこそ何も言って来なくなった。
そう雄介が俺に何か言ってしまえば、俺の性格からして離れて行ってしまうのは目に見えているからだ。
再び二人の間に沈黙が流れてしまっていたのだが、それはきっとお互いにこの静かな時間を過ごしたいと思ったからなのかもしれない。
今日はどれだけ雄介とゆっくりとした時を過ごしているのであろうか。
まったく時間だって気にならない空間だ。
それでも時間というのは刻々と流れて行ってしまう。
そうだ。 こに時間が止まってしまえばいいのに……。
普通はこういう事っていうのは最後の最後、恋人とかが分かれる間際位に思う事なのかもしれないのだけど、俺的にはもうそう思ってしまっている。 いや逆にこれから二人だけの空間というのが暫くないのだから今思ってもいいのかもしれない。
そうもう直ぐ憂鬱な時間が来てしまうからだ。
東京に向かう時の船の中では、俺の親父と雄介の親父と和也のお袋さんとで一緒に乗らなければならないのだから。
そうだから今の俺達というのはこの二人だけの貴重な時間を大切にしたいと思っているのかもしれない。
親父達が俺達に絡んで来なければいいのだけど、実際の所、俺と雄介は親父達とあまり話した事がないから分からない所でもある。
俺なんか特に親父と離れていた期間が長かった為か、親父の性格というのは分かっていないから余計に憂鬱な時だと思っているのかもしれない。
だから今からもうこの二人だけの時間を有意義に使おうとしているのであろう。
「とりあえず、今はこん位でええか?」
「……へ?」
いきなりの雄介からのその言葉で俺は雄介の事を見上げる。
「船の時間も迫ってる事やし、そろそろ行かないとやしなぁ」
「え? あ、うん……そうだな」
「後は東京に行ってから、ゆっくりしようか?」
「ああ、そうだな」
その雄介の言葉に俺はゆっくりと雄介の体から離れて行く。 すると雄介の方も俺の肩から腕を離して行ってしまった。
雄介はその後ゆっくりと体を伸ばすと、
「そろそろ、和也達の方も一旦休憩に入ってる頃やし、とりあえず、挨拶だして行こうか!」
「ああ、そうだな」
って気付くと俺は同じ返事をしていた。
……ま、そこはいいか。
と気にせずに俺と雄介はスーツケースを持って下へと向かうのだ。
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