4 / 929
ー鼓動ー4
しおりを挟む
「じゃあさぁ、そこは望が見に行って来た方がいいんじゃねぇのか?」
そう和也に言われてしまった俺。
「だってさ、そこは寝てる奴を起こすのは可哀想なんじゃねぇ?」
「ま、それだったら確かにいいんだけどさ、ほら、雄介って、この前の船の転覆事故の時に死にかけてんだろ? なら、そこは一応、様子を見に行って来た方がいいんじゃないかと思ってよ。 もしかしたら? って事もあるだろうし、確かに、次の日には雄介はちゃんと帰還して来たけどよ。 急に調子悪くなるって事もあるだろうしさぁ」
「あ……」
和也にそこまで言われて確かにと思ってしまった俺。
そうだ。 確かに和也の言う通り、雄介は台風で荒れまくっていた海の中を漂って生きて帰って来てくれたのは嬉しいのだけど、あの後病院に行って検査してもらったとはまだ聞いてない。
俺は和也の言う通り雄介の様子が気になってしまい、急いで部屋へと向かうのだ。
俺達の部屋というのは、今さっきいたリビングの近くにある階段を上がってすぐ目の前にある部屋だ。
俺は自分の部屋のドアを開けると部屋へと入って行く。
確かさっき俺が部屋を出る前まで雄介はベッドで寝息を立てていた筈だ。 だからきっと今もベッドの上で寝息を立てているだろう。
部屋に入って右手側に俺達が寝ているベッドがある。 そこに視線を向ける俺。
「あ……」
未だに雄介は寝ているようだ。
今の季節は夏なのだから、薄いタオルケットを掛けて寝ている。
タオルケットというのは薄いもんだから、簡単に呼吸を繰り返しているのが分かる。
雄介はこうリズム良く呼吸を繰り返し僅かにそのタオルケットが動く。
俺はそこに安心したのか、ベッドへと近づきベッドの端へと腰を下ろすのだ。
俺は雄介が未だに寝てる事をいい事に珍しく雄介の体へと触れてみた。
……手に温もりが伝わってきてる。 生きてるって証拠だよな。
そして俺は更に安心したような瞳で雄介の事を見つめてたら、雄介は目覚めたのか俺の手を取って来た。
「へ? え? お前、起きてたのか?」
「今さっきな……」
そう言って雄介は俺の手を取ったまま半身を起こすのだ。
それと同時に雄介の視線と俺の視線がぶつかる。
それに俺の方は体を固まらせてしまっていた。
……いや、違う。
きっと久しぶりに雄介と視線が合ってしまい胸がドキッとしたからなのかもしれない。
「あ、あー、えっと……」
俺は雄介から視線を外して何か言おうとしたのだが、こういう時に限って言葉っていうのは出てこない。 寧ろ俺の鼓動というのは先程より早くなって来てしまっていたのだから。
そんな言葉が上手く出てこない中、雄介は自分の言いたい事が言えるタイプだからなのか、こうあっさりと言葉にして来てくれるのだ。
「なんや、今日は、望が俺の事起こしに来てくれたんか?」
そう和也に言われてしまった俺。
「だってさ、そこは寝てる奴を起こすのは可哀想なんじゃねぇ?」
「ま、それだったら確かにいいんだけどさ、ほら、雄介って、この前の船の転覆事故の時に死にかけてんだろ? なら、そこは一応、様子を見に行って来た方がいいんじゃないかと思ってよ。 もしかしたら? って事もあるだろうし、確かに、次の日には雄介はちゃんと帰還して来たけどよ。 急に調子悪くなるって事もあるだろうしさぁ」
「あ……」
和也にそこまで言われて確かにと思ってしまった俺。
そうだ。 確かに和也の言う通り、雄介は台風で荒れまくっていた海の中を漂って生きて帰って来てくれたのは嬉しいのだけど、あの後病院に行って検査してもらったとはまだ聞いてない。
俺は和也の言う通り雄介の様子が気になってしまい、急いで部屋へと向かうのだ。
俺達の部屋というのは、今さっきいたリビングの近くにある階段を上がってすぐ目の前にある部屋だ。
俺は自分の部屋のドアを開けると部屋へと入って行く。
確かさっき俺が部屋を出る前まで雄介はベッドで寝息を立てていた筈だ。 だからきっと今もベッドの上で寝息を立てているだろう。
部屋に入って右手側に俺達が寝ているベッドがある。 そこに視線を向ける俺。
「あ……」
未だに雄介は寝ているようだ。
今の季節は夏なのだから、薄いタオルケットを掛けて寝ている。
タオルケットというのは薄いもんだから、簡単に呼吸を繰り返しているのが分かる。
雄介はこうリズム良く呼吸を繰り返し僅かにそのタオルケットが動く。
俺はそこに安心したのか、ベッドへと近づきベッドの端へと腰を下ろすのだ。
俺は雄介が未だに寝てる事をいい事に珍しく雄介の体へと触れてみた。
……手に温もりが伝わってきてる。 生きてるって証拠だよな。
そして俺は更に安心したような瞳で雄介の事を見つめてたら、雄介は目覚めたのか俺の手を取って来た。
「へ? え? お前、起きてたのか?」
「今さっきな……」
そう言って雄介は俺の手を取ったまま半身を起こすのだ。
それと同時に雄介の視線と俺の視線がぶつかる。
それに俺の方は体を固まらせてしまっていた。
……いや、違う。
きっと久しぶりに雄介と視線が合ってしまい胸がドキッとしたからなのかもしれない。
「あ、あー、えっと……」
俺は雄介から視線を外して何か言おうとしたのだが、こういう時に限って言葉っていうのは出てこない。 寧ろ俺の鼓動というのは先程より早くなって来てしまっていたのだから。
そんな言葉が上手く出てこない中、雄介は自分の言いたい事が言えるタイプだからなのか、こうあっさりと言葉にして来てくれるのだ。
「なんや、今日は、望が俺の事起こしに来てくれたんか?」
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる