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26話 ※指

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「あまり誰にでも触れられないような場所を触って上げているのだけど……。 それに、人生の中で二人を攻めるって事ってあまりない事じゃない? だから、私なりに楽しませて貰ってるっていうのかな? じゃ、次は中に指を入れて上げるね……しかも、二人同時に」

 そう言うと京平は両指の中指を、玲音と諒馬の後ろの蕾の入口に持って行くのだ。

「大丈夫……いきなり、中に指を入れるっていう事はしないから……。 ただ、ココをね、擦るだけでも気持ちいいと思うからさ」

 京平は後ろの蕾の入口付近を擦り始める。 そうする事で玲音も諒馬も、気持ち的に気持ちいいのか、

「ふぁ……んん……な、何それぇ……何だか、体がフワフワっていうのか、そこがモニョモニョっていうのか……やぁ……いや、何だか……頭の中がぁ……」

 そんな玲音の感想に満足そうに微笑んでいるのは京平だ。

 きっと京平が求めているような感想だったからであろう。

 そして今度は諒馬にも、感想を振る京平。

「玲音ちゃんは、そう言って気持ち良さそうなんだけど、諒ちゃんの方はどんな感じなのかな?」

 諒馬はそう京平に振られるとは思ってなかったのか、思わず京平の顔を見上げているようにも思える。 それを更に京平は見つめるのだ。

「え? あー……」

 その京平の質問に恥ずかしそうに諒馬は視線を離すと、

「え? あ、あー……何て言うのか?」

 そこで諒馬の方は言葉を詰まらせてしまったようだ。

 そこに気付いた京平は、

「んじゃ、私は玲音ちゃんにしようかなぁ?」

 とどうやら最初の目的を思い出すかのように諒馬へと振るのだった。

 それで諒馬の方も思い出したのか、

「そこが……ヒクヒクって……して来て……まだ、私には何が何だか分からないような感覚って言うの?」

 諒馬は恥ずかしい演出をしているのか両手で顔を覆い、ぐぐもった声で言うのだ。

 そこに京平は軽く息を吐きながら、ちょっと諒馬の演技にクスリとしているようにも思える。

 その諒馬の行動が若干ではあるのだが京平にはツボったのかもしれない。

 人によってはそのツボというのは違うもんだ。 だが、そのまさかの京平がそんな諒馬の行動がツボになるとは思ってもみないだろう。

 諒馬もこの仕事に大分慣れて来たのか、演技が上手くなってきたようにも思える。

 でも、今の諒馬の答え方もわりと百点満点に近かったのかもしれない。

 初めての設定なのだから、こう玲音のようにハッキリとした感想というのは難しいのだから。

 そこにとりあえず満足してしまった京平は、今度、ゆっくりとだが二人の中に指を入れて行くのだ。 先ずは中指の第一関節位まで入れ、二人の様子を見ているようにも思える。
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