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女装ー81
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外や校庭からは、出店を出しているクラスが食べ物のいい匂いを漂わせ、教室内の方では、司のクラスのように喫茶店やお化け屋敷等、屋内で出来るような出し物があった。
そして体育館では、劇や軽音部の舞台が用意されている。
流石に今日は学校にいる生徒の人数よりも人が来ているのだから、体育館で行われる舞台は入れ替わり制だ。 だからなのか体育館前では演劇部に軽音部とチケットが売られているのだ。
そうやって文化祭で盛り上がっている中、司のクラスの女装喫茶もなかなかの盛況ぶりを見せていた。
未来だけが最初やりたいみたいな事を言っていたのだが、ある意味、文化祭でしかこういう事やれないと思ったのであろう。 文化祭まで本当に頑張って衣装やら小道具やら考えて来たら楽しくなって来たようで、何人かの男子は女装を気にせず接客しているようにも思える。
女性から男性まで案外幅広い人達に来て貰っていて、お店屋さんという事にも楽しんでいるのかもしれない。
「僕は午前中はここで頑張るけど、午後からは完全に龍がやるバンド見に行くからねぇ。 だから、僕は午前中当番にしたしね」
「ま、そうだろうね。 午後からは軽音部が体育館でやるんだぁ」
と少しお客様が引いた時間に未来と司は会話を始める。
「でもさ、女装喫茶って楽しいよねぇ。 普段は出来ないような格好をして接客するのって楽しくない?」
「え? まぁ……」
どうやらそこの所は司には分かってないようだ。 だからなのかそう曖昧な答え方をしたのかもしれない。
とそんな時、教室に龍が現れて、それを見かけた未来は、龍の元へと駆けて行くのだ。
「龍……!」
そう嬉しそうに龍に声を掛け、龍の腕に腕を回す未来。
「あ、え? ぇえー!? って、まさか、未来なのか?」
「え? えー! もしかして、龍……僕の事分からなかったの?」
そう不貞腐れながら龍の事を見上げる未来。
「分からなかった。 っていう訳じゃなくて、あまりにもかわ過ぎてビックリしたっていうのが正解なのかな?」
「だったら、良かったー。 僕だってねぇ、この格好は龍に見せる為に一生懸命作ったんだからねぇ」
「分かってるって……」
既にイチャイチャとしている二人。 龍が席に座ると、
「ご注文の方は何にいたしますか? ご主人様」
そのやりとりに司の方が吹いてしまっていたようだ。
確かに未来の格好というのはメイドではあるのだけど、今まで接客してる中ではお客様にそんな事を言った事がなかった筈なのに、龍にはそんな事を言っていたのだから。
「そうだなぁー。 コーラでも頂こうかな?」
そんな未来に龍の方は動じる事もなく淡々とこなして行く所を見ると、流石は未来の恋人なのかもしれない。 そう龍からしてみたら、そんな未来の行動というのは予想済みだという事なのであろう。
そして体育館では、劇や軽音部の舞台が用意されている。
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未来だけが最初やりたいみたいな事を言っていたのだが、ある意味、文化祭でしかこういう事やれないと思ったのであろう。 文化祭まで本当に頑張って衣装やら小道具やら考えて来たら楽しくなって来たようで、何人かの男子は女装を気にせず接客しているようにも思える。
女性から男性まで案外幅広い人達に来て貰っていて、お店屋さんという事にも楽しんでいるのかもしれない。
「僕は午前中はここで頑張るけど、午後からは完全に龍がやるバンド見に行くからねぇ。 だから、僕は午前中当番にしたしね」
「ま、そうだろうね。 午後からは軽音部が体育館でやるんだぁ」
と少しお客様が引いた時間に未来と司は会話を始める。
「でもさ、女装喫茶って楽しいよねぇ。 普段は出来ないような格好をして接客するのって楽しくない?」
「え? まぁ……」
どうやらそこの所は司には分かってないようだ。 だからなのかそう曖昧な答え方をしたのかもしれない。
とそんな時、教室に龍が現れて、それを見かけた未来は、龍の元へと駆けて行くのだ。
「龍……!」
そう嬉しそうに龍に声を掛け、龍の腕に腕を回す未来。
「あ、え? ぇえー!? って、まさか、未来なのか?」
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