【BLR18】平凡な俺が男子校ではモテモテ☆男子校パラダイス【完結】

女装ー22

　未来は司にそう言われても何だか嬉しそうに答えていた。　普通なら、そこは悔しがるところだと思うのだが。

　未来には暗い過去がある。　中学の頃はこういった遊びが一切出来なかったことだ。　だが今日は前から憧れていたことが出来て、どうやら未来は満足してるようだ。

　未来は本当に笑顔のまま自分の席に着く。

「どうしたの？　本当に嬉しそうな顔をして……」
「別にー、なんでもないよ」
「そうか？　めっちゃ嬉しそうじゃんかぁ」
「何でもないんだってばぁ」
「そっか……」

　そう司は言うと、あまり聞いていけないと思ったのだろう。　司はそこで話を止める。

　次の時間は、英語で和彦の授業だ。

　司には和彦とのいい思い出がない。

　和彦は純一と同じタイプであってか、一回喧嘩モドキのこともあったからだ。

　そう司が考えていると、元気な声で教室に入って来る和彦。

　このお昼の一番眠たい時間にあのテンションはなんだってくらいだ。

　司は大きな溜め息を吐く。　また今日も和彦のターゲットにされそうだ。

　だが司と思いとは裏腹に、和彦がチラリと司を見るものの今日は何もしてこない。　それに拍子抜けする司。

　多分、いつもなら司を見ると『神田君はいつみても可愛いねぇ』とか純一と同じく耳をフゥをしてきたりするのに今日はそのまま授業に入ってしまった。

　司は未来の方に向き首を傾げると、未来の方は司に笑顔を向けるだけだ。