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思い出ー74
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今の音は未来の空耳だったかのように本当に静かな時が過ぎて行く。
そして、こういう時に思い出すのは怖い話。 話なのにイメージとして出て来てしまうから困ったもんだ。
未来の頭には最初の頃はみんなで集まってワイワイと夜ここで騒いでいた頃に先輩達に聞いたこの学校の怖い話だ。
確か今みたいな話があったような気がする。
夜中、誰かを探す幽霊の話。
「ぁー! 気のせいだよねぇ、気のせいだよねー?」
もう未来は半ベソ状態だ。 怖い話も未来は苦手で、あの話のことを忘れ掛けていたのにも関わらず、今ので完全に思い出されてしまい未来の頭には最悪な事にその話がリピートされているようだ。
「わぁ! もー、無理ー! 一人じゃ寝れないから!」
そう一人で叫んだ時、未来の部屋のドアが開く。
それに気付いた未来は、半ベソを掻いていたのをピタリと止めるのだ。
だが目にはまだ涙が溜まっていて、怖さも最高潮の未来。
ドアが軋むような音にさえ、体がビクリと強張る。
「未来……起きてたのか?」
聞き覚えのある声に未来はホッとしベッドから降りると、今度は本気で泣きながら、その人物に近付く。
「もー! 何してたんだよ龍!」
未来はそう言うと、龍の腕に自分の腕を絡め龍を見上げる。
「ゴメン……いつから起きてたんだ?」
「最初っから!」
未来は頬を膨らませて、どうやら本気で怒っているようだ。
そして、こういう時に思い出すのは怖い話。 話なのにイメージとして出て来てしまうから困ったもんだ。
未来の頭には最初の頃はみんなで集まってワイワイと夜ここで騒いでいた頃に先輩達に聞いたこの学校の怖い話だ。
確か今みたいな話があったような気がする。
夜中、誰かを探す幽霊の話。
「ぁー! 気のせいだよねぇ、気のせいだよねー?」
もう未来は半ベソ状態だ。 怖い話も未来は苦手で、あの話のことを忘れ掛けていたのにも関わらず、今ので完全に思い出されてしまい未来の頭には最悪な事にその話がリピートされているようだ。
「わぁ! もー、無理ー! 一人じゃ寝れないから!」
そう一人で叫んだ時、未来の部屋のドアが開く。
それに気付いた未来は、半ベソを掻いていたのをピタリと止めるのだ。
だが目にはまだ涙が溜まっていて、怖さも最高潮の未来。
ドアが軋むような音にさえ、体がビクリと強張る。
「未来……起きてたのか?」
聞き覚えのある声に未来はホッとしベッドから降りると、今度は本気で泣きながら、その人物に近付く。
「もー! 何してたんだよ龍!」
未来はそう言うと、龍の腕に自分の腕を絡め龍を見上げる。
「ゴメン……いつから起きてたんだ?」
「最初っから!」
未来は頬を膨らませて、どうやら本気で怒っているようだ。
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