【BLR18】平凡な俺が男子校ではモテモテ☆男子校パラダイス【完結】

思い出ー73

　確か夜中に自分の部屋から出て、見つかった場合には一週間の停学があった筈だ。

　そんな危険を犯してまで流石の未来も龍の所に行こうとは思わなかった。

　一週間も外に出れないのはキツいし、最も龍に会えないのは本当にキツい。

　だが、その微妙な足音は段々と未来の部屋に近付いて来ているのは気のせいだろうか。

　未来はその音が気になって布団から上半身だけを起こし、息を飲む。　布団から出たことで窓の方からは相変わらず風の音が聞こえて来ていたが、今はそれどころではない。

　未来は怖いのを堪え、布団をグッと握り締める。

　やはり、その音は未来と司の部屋の前で止まった。

　未来は更に額に汗を流し息を飲む。　そして怖いのにも関わらず布団を頭まで被り顔だけを出して、ドアの方をジッと見つめる未来。

　未来は怖いけど見たいという性格なのであろう。

　今、鍵穴に鍵を入れているのか、ガチャという音が未来の耳に届く。

　いよいよ未来の部屋のドアが開けられ、未来の部屋に来る人物が分かる時が来たが、なかなかドアが開かない。

　まさか誰かにここに来た人物は見つかってしまったのであろうか。

　再びシーンとなる部屋に窓に当たる風音と車が走る音だけが聞こえる。

　それから何分経ったか未来には分からなかったのだが、やはり一向にドアが開く様子がなかった。