【BLR18】平凡な俺が男子校ではモテモテ☆男子校パラダイス【完結】

思い出ー61

　駅に降りると、遊びから帰って来たであろう学園祭の友達達を見掛ける。

「みっちゃん達も電車に乗ってたのかー？」

　そう未来に声を掛けて来たのは未来のクラスの新斗だ。

「うん！　まぁねぇ。　僕ねぇ、初めて……」

　と未来が何か言いかけた所で後ろに居た龍が未来の口を出て塞ぐ。　未来が今何を言おうとしているのかが龍には分かったのだろう。

　龍は未来の耳傍で、

「お前なぁ、今日、俺に言っただろうがー、高校になってからは自分が金持ちでお坊っちゃんなのをクラスメートに知られたくねぇってさ。　その為に今まで黙ってたんだろー」

　龍にそう言われて忘れてたというばかりに未来は失敗しそうになったと舌を出す。

　龍は呆れた溜め息を漏らすと、未来の手を掴み歩き始めるのだ。

「じゃあ、明日ねぇ」

　そう未来はクラスメート達に手を振り龍と一緒に改札へと向かう。

　そして先に龍は改札を抜けると、未来もその後に続いて出ようとしたが、いきなりバシッと扉が閉まり、

「りゅーうー！　出れないんだけど！」

　龍は声を出さずにジェスチャーで、龍のズボンを指差す。

「ん？　龍のポケット？」

　その龍からのサインに未来は首を傾げるのだ。　そう言う未来の声が聞こえたのだろう。　龍は首と手を交互に振り違うと言っているようだ。

　今度、龍は両手の人差し指と親指を使い切符の形を作る。

「長四角……?」

　と未来が首を傾げていると、未来の隣りを通過していた新斗が、