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思い出ー50
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その龍の言葉に未来と結城は口をポカンと開けてしまっていたが、龍の方は至って本気のようだ。
龍は真剣な顔をして結城の顔を見上げる。
暫く、この三人の間に沈黙があったのだが、その沈黙を破ったのは結城だった。
結城の方は少し困った顔もしながらも一つ溜め息を吐くと、
「分かりました。 この私に君の真剣さが伝わりましたので、君が言う提案を受け入れましょう」
「ありがとうございます」
と龍は言うと結城に向かい一つ頭を下げる。
「未来おぼっちゃまのことは君にお任せ致します。 ですが、家の門までは未来おぼっちゃまを送らせて下さいね」
結城は笑顔で言うのだ。
「そういえば、未来おぼっちゃまはどうなんですか? 今の龍君の提案は大丈夫なんでしょうか?」
今のでは龍と結城の会話が成立しただけで、未来の意見を聞いていないと思った結城は未来へ話題を振る。
未来はしばらく俯き考えると、顔を上げ、
「うん! 龍と一緒なら大丈夫だと思うから、結城さん! 僕、それやってみたいかも」
「分かりました。 未来おぼっちゃまの言葉は私にとって絶対です。 未来おぼっちゃまがそうおっしゃるならば、龍君の意見を正式に受け入れましょう」
そう言うと結城は、
「ちょっと、そこで待っていて下さいね」
そう言い、一旦、結城は自分の部屋のドアを閉めると、部屋の奥へと消えて行く。
「ね、龍……電車って?」
龍は真剣な顔をして結城の顔を見上げる。
暫く、この三人の間に沈黙があったのだが、その沈黙を破ったのは結城だった。
結城の方は少し困った顔もしながらも一つ溜め息を吐くと、
「分かりました。 この私に君の真剣さが伝わりましたので、君が言う提案を受け入れましょう」
「ありがとうございます」
と龍は言うと結城に向かい一つ頭を下げる。
「未来おぼっちゃまのことは君にお任せ致します。 ですが、家の門までは未来おぼっちゃまを送らせて下さいね」
結城は笑顔で言うのだ。
「そういえば、未来おぼっちゃまはどうなんですか? 今の龍君の提案は大丈夫なんでしょうか?」
今のでは龍と結城の会話が成立しただけで、未来の意見を聞いていないと思った結城は未来へ話題を振る。
未来はしばらく俯き考えると、顔を上げ、
「うん! 龍と一緒なら大丈夫だと思うから、結城さん! 僕、それやってみたいかも」
「分かりました。 未来おぼっちゃまの言葉は私にとって絶対です。 未来おぼっちゃまがそうおっしゃるならば、龍君の意見を正式に受け入れましょう」
そう言うと結城は、
「ちょっと、そこで待っていて下さいね」
そう言い、一旦、結城は自分の部屋のドアを閉めると、部屋の奥へと消えて行く。
「ね、龍……電車って?」
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