【BLR18】平凡な俺が男子校ではモテモテ☆男子校パラダイス【完結】

思い出ー15

　そう龍はアッサリ言うと、浴槽の縁に手を掛け体を上げ浴槽から出て行ってしまう。

　ポツンと一人お風呂場に残された未来は、暫く頬を膨らませて浴槽に浸かっていたが段々と寂しい気持ちになって来たようで切なそうな表情をするのだ。

　だが未来の性格上、今のちょっとした喧嘩は未来が悪いのに未来から謝りたくないようだ。

　しかし龍がいないお風呂場はお湯が冷めてしまったかのように寒く感じているようで一瞬体を身震いさせると、

「もー！」

　と言い、未来は瞳から溢れた涙を拭うとお風呂から上がるのだ。

　するとタオルだけを腰に巻き冷蔵庫から飲み物を取り出そうとしていた龍の姿が未来の視覚に入ってきたようで、その龍の姿を見て未来は首を傾げる。

　未来はタオルで自分の体を拭きながら龍の姿を追っていると、龍は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出しベッドの端へと足を向けるとそのベッドの端へと腰を下ろすのだ。

　どう見ても怒っている様子は龍にはない。

　でも未来は先程のお風呂のことで未来から謝らなければならないのだろうと思っているのかもしれない。

　龍が怒ってなくても雰囲気がそう感じるからだ。

　未来は体を拭き終えるとバスローブだけを体にまとい龍がいるベッドへと一歩ずつ近付く。

　そして龍が居る所まで来ると、

「龍……？」

　と様子を伺うような感じで龍にの名前を呼ぶのだ。

　すると龍は未来の方に顔を向け、

「何だ？」

　とまだ未来には怒っているような感じで答える。　確かに龍は普段からこう無口なイメージがあるのだけど、普段の龍よりもより一層暗い感じというのか怒っているという感じというのか冷たい感じで答えていたのだから。

　だが未来はそんなことでは怯まない。

「あのね……」

　そう未来は言葉に出して言うのだが、なかなか、その後の言葉が続かず頭を俯けたままでいる。

　龍は無口な性格で未来が言おうとしている何かを先を急かせることをしない。　黙って未来が言おうとしている言葉をただ待っているだけだ。