【BLR18】平凡な俺が男子校ではモテモテ☆男子校パラダイス【完結】

思い出ー7

　未来が洋服屋と言っただけで、その執事は未来がどの洋服屋に行きたいのかが分かっているようだ。　そして未来が言うままに車を走らせる。　いや寧ろ吉岡家では基本ブランド店しか行かず、未来の趣味を知っている執事はその店へと向かうのだ。

　そして吉岡家は男と付き合ったりするのは自由だったりする。　だから龍との交際は公認であるようだ。

　そう洋服屋に向かう間、未来と龍は後部座席でイチャイチャとしていた。　下手をすると、この二人はここでも抱き合っている位だったが、今日、未来達はホテルに行くつもりでいるのだから、とりあえずイチャイチャだけで止ませているのかもしれない。

「龍……」

　未来はそう言うと龍の体を抱き締める。

　すると懐かしいというのか、龍特有の匂いがして来たのか、こう癒されるような表情をする未来。　龍はまだ高校生でまだ香水等をしていない。　だからこそこう龍本来の匂いというのがあるのであろう。　未来はそれだけでも好きな人が傍にいるのが確かめられて嬉しく感じているようだ。

「龍……もっと、キスして……」

　こう甘えたような声で言うと龍の膝の上へと座り、龍の洋服を掴み龍の顔を見上げる。

「あ、ああ……そうだな」

　龍は自分の膝の上に乗っている未来の体を抱き締めると瞳を閉じて、今すぐにでもキスをして欲しいという顔をしている未来の唇へと顔を近付ける。　だが何故か龍は寸でで止めるのだ。

　キスをしてしまえば今の未来の顔が見られなくなってしまい、もったいないと思ったからなのかもしれない。

　未来は当然、口を尖らせて、

「まーだ?」

　と龍に言う。