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次の朝。
司は昨日の夜、何気なく目覚ましをセットしていた音で目が覚める。
今の時刻は八時。 いつもなら七時に起きるのだが、今日は司は純一と約束がある。 そう言っても純一からの一方的な約束で、司はまだ返事はしていない。 だから司が今日約束の時間に行くのも行かないのも自由だ。
「朝になってもうたのかー、ホンマ、どないしよ?」
司は未だ布団の中で枕と頭の間に両手を入れ、天井を見上げて考える。
すると独り言を言っていた筈なのに隣りの方から声が聞こえるのだ。
「何? まだ、悩んでるの? 自分の心に素直になった方がいいよ。 司君だって、速水先生のこと好きなんでしょ? 速水先生も司君のこと好きなんだしー、逆にチャンスなんじゃないの?」
そう言うのは未来だ。 未来はいつもなら司が起こさないと起きないのに今日に限っては起きていた。 起きていると言っても体を起こしてではなく枕に顎を置き目を擦りながら言っていたのだ。
「ちょ、起きてたのかー!」
「何でだろうねー。 なーんか、今日は起きれちゃった。 そんなことはどうでもいいの! 司君は速水先生との約束……つーか、デートに行った方がいいって!」
そう朝から力説をする未来。
「あ、ぅん……。 確かに、そうなんけどさ。 俺なんかで本当ににいいのかなー? って思っちゃってさ」
未来はその司の言葉に飛び起きると、更に手にまで力を入れ、
「速水先生が誘ってんだから、好きに決まってんじゃん! 好きじゃなきゃ司君のこと誘わないだろうしさ、僕は速水先生に誘われたことはないだからね!」
そう言う未来に対し司はたじたじなりながら答える。
「あ、そ、そうだったんだ。 確かにそうなんだけどー。 まだ、俺の心の整理がつかないって言うのかな?」
「速水先生なら大丈夫だって! 司君が心配しなくても色々リードしてくれると思うしねー。 って、僕も用意しないとー、僕も今日は龍とデートなんだけどー」
そう言う未来。 司は今の未来の言葉にピンと来たかもしれない。
今日は龍とデートだから未来は早く起きたのかもと。
司は昨日の夜、何気なく目覚ましをセットしていた音で目が覚める。
今の時刻は八時。 いつもなら七時に起きるのだが、今日は司は純一と約束がある。 そう言っても純一からの一方的な約束で、司はまだ返事はしていない。 だから司が今日約束の時間に行くのも行かないのも自由だ。
「朝になってもうたのかー、ホンマ、どないしよ?」
司は未だ布団の中で枕と頭の間に両手を入れ、天井を見上げて考える。
すると独り言を言っていた筈なのに隣りの方から声が聞こえるのだ。
「何? まだ、悩んでるの? 自分の心に素直になった方がいいよ。 司君だって、速水先生のこと好きなんでしょ? 速水先生も司君のこと好きなんだしー、逆にチャンスなんじゃないの?」
そう言うのは未来だ。 未来はいつもなら司が起こさないと起きないのに今日に限っては起きていた。 起きていると言っても体を起こしてではなく枕に顎を置き目を擦りながら言っていたのだ。
「ちょ、起きてたのかー!」
「何でだろうねー。 なーんか、今日は起きれちゃった。 そんなことはどうでもいいの! 司君は速水先生との約束……つーか、デートに行った方がいいって!」
そう朝から力説をする未来。
「あ、ぅん……。 確かに、そうなんけどさ。 俺なんかで本当ににいいのかなー? って思っちゃってさ」
未来はその司の言葉に飛び起きると、更に手にまで力を入れ、
「速水先生が誘ってんだから、好きに決まってんじゃん! 好きじゃなきゃ司君のこと誘わないだろうしさ、僕は速水先生に誘われたことはないだからね!」
そう言う未来に対し司はたじたじなりながら答える。
「あ、そ、そうだったんだ。 確かにそうなんだけどー。 まだ、俺の心の整理がつかないって言うのかな?」
「速水先生なら大丈夫だって! 司君が心配しなくても色々リードしてくれると思うしねー。 って、僕も用意しないとー、僕も今日は龍とデートなんだけどー」
そう言う未来。 司は今の未来の言葉にピンと来たかもしれない。
今日は龍とデートだから未来は早く起きたのかもと。
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